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196 白紙委任状について

 
Q. 質問事項:

 

 組合又は理事長あてに提出された白紙委任状は、理事長に代理人の選定を一任したものと解される旨解釈されているが、

(1)理事長が単独で代理人の選定をするということは、自己に都合の良い者を選べるという弊があるが、この点どのように考えるか。

(2)白紙委任状は、そのままでは無効であり、必ず代理人の氏名が記されておることが必要であるとすれば、議案審議に入るまでに代理人を決め、有効ならしめておくことが必要と考えられるがどうか。

(3)代理人のない委任状は無効であるということは、出席者数にも算入されないものと解してよいか。

 

 

A. 回答内容:

 

 白紙委任状と呼ばれるものはご承知のとおり受任者となる人を特定せずに、委任状作成者が、記載の一定事務の処理及びそれに要する代理権授与の申込をなし、これの取得者が白紙の部分に受任者として自己の名を記入することによって両者間に契約が成立し、受任者としての権利義務と代理権を取得するもので、この時に委任状としての効力を発するものである。白紙委任状には種々の種類があるが、通常は、総会に出席しない組合員が議決権を行使すべき代理人を白紙にして組合に送るものである。
 すなわち、組合が組合員に対して総会招集の通知と共に議決権及び選挙権代理行使の委任状用紙を送付し、その代理権の授与を勧誘するものであって、これは一種の慣行として一般会社等でも行われているものである。

(1)したがって、理事長が単独で自己の有利な代理人を選定することは有り得るわけであるが、代理権自体の行使についても中協法第11条第2項〜第5項に制限規定が設けられているのでこの点からも若干の弊害は防ぎ得るものである。

(2)前述の説明によっておわかりのように、白紙の箇所が補充されて初めて委任状としての効力を発するものであるから、当然代理権を行使するものの氏名が記入されていなければならない。委任状作成者(授任者)の意思を尊重する意味からも議案審議までに完全なる委任状となし、議決権を行使させることが望ましい。勿論、代理人の決定は議決権行使の時までになされれば有効である。

(3)代理人の記入のない委任状は、未だ委任状としての効力を発していないので(無効とは異なる)議決権のないのは勿論、中協法第11条第3項の反対解釈からしても出席者数には算入されないものと解してよい。

 

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