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25 共同受注と一括下請負の禁止について

 
Q. 質問事項:

 

 事業協同組合が建設工事等を共同受注しようとする場合、建設業法第22条「一括下請負の禁止」の規定が適用されているが、同条第3項の但し書きの規定により発注者の承諾を得た場合に限り共同受注が同条本文の適用の除外となることとなっている。
 しかし、同条の主旨は一括下請負により工事施工の責任が不明確となること、あるいは商業ブローカー的不良建設業者の出現等を排除するために規定されたものであることからすると、建設業関係の事業協同組合は建設業法の許可基準の要件を満たし組合にしかるべき有資格者が設置されているとして建設業の許可を受けており、組合の管理、監督のもとで工事施工する場合、責任の所在は明らかである。また、協同組合の特殊性を考慮すればブローカーを排除するための規定には該当しないものと考えられる。
 したがって、事業協同組合の共同受注は、建設業法第22条「一括下請負の禁止」の条項に該当しないものと思われるが、これに関してご見解をお示し頂きたい。
 また、測量関係組合が共同受注する場合の測量法第56条の2「一括下請負の禁止」条項に関しても建設業法と同様に解釈してよろしいか併せてご意見をお示し頂きたい。

 

 

A. 回答内容:

 

I 建設工事について
  建設業における組合の共同受注については、建設省計画局建設業課と協議したところ、次のとおり解釈される。

 1 建設業法第22条で一括下請負をいかなる方法をもってするかを問わず原則禁止している趣旨は、1.発注者の保護2.中間搾取の排除(注)である。

 (注) 1.一括下請負は実際上の工事施工の責任の所在を不明確にし、ひいては工事の適正な施工を妨げるおそれがある。
    2.中間搾取を容認すれば、工事の質の低下、商業ブローカー的不良建設業者の輩出等のおそれがある。

 2 組合の場合、通常中間搾取のおそれはないとしても、受注した案件を単に組合員に配分するだけでは、発注者側として具体的にどのような者が工事を行い、技術的な管理を行うのか不明であるため、上記1.1.の観点から一括下請負に該当するといわざるを得ない。

 3 しかしながら、組合はもともと建設業法に基づき、しかるべき資格を有する技術者がいること等について審査のうえ、建設業の許可を受けているはずであり、組合として受注した案件について組合として責任ある管理、監督のもとに施行する場合には一括下請負には該当しないと考えられる。

 4 したがって、組合としては、
 (1)組合として責任ある管理、監督のもとに施行するか(この場合には、一括下請負には該当しないと考えられる。)
 (2)しからざる場合においては、一括下請負に該当するため、書面により発注者の承諾を得て施行するか(建設業法第22条第3項参照)
  いずれかによることが必要である。

I I 測量業について
  測量業における組合の共同受注についても、同省測量業課と協議した結果、測量法に基づき 登録を受けた組合が責任ある管理、監督のもとに施行する共同受注については、建設業の解釈と同様に「一括下請負」には該当しないものと考えられる。

III 以上のとおり、いずれの場合にせよ発注者としては、当該組合の具体的内容、信頼性等について不明な場合、「一括下請負禁止」をもち出していることも考えられ、上記・の4.を踏まえつつ、各組合において発注者と協議されたい。

 

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