会長退任御挨拶

 
            安田 隆明   



 
この度、茲に退任の日を迎えました。

 ふり返れば先人、先達の遺積を継承し、爾来今日まで長くもあり、激動する環境変化

の余り短くも覚える越し方でもありました。

 その間、関係諸賢の公私に亘る御指導、御協力、御親交を拝してまいりました。

 支えられての在任であり、感謝の極みでもあります。

 心新たに感謝し御礼申し上げます。

 想えば、中央会との出逢いは不思議な有縁のもとで今日に至りました。

 県庁在任当時、法施行と同時に当会設立事務にはじまり、爾来組合専務として業界第

一線の実務に、更には国会に在っては通産政務、中小企業対策委員長(政調)として、

常に中央会と行動を共にして参りました。

 青春時代、志を教育界に、間もなく軍歴から地方行政に、在籍半ばにして国会にと

「人生こま切れ」そのものでありながらも、中小企業、中央会との出逢いは最長にして

最大の人生の舞台であり、貴重な財、そのものでもありました。

 得難い有縁であり奇縁とも申すべきでありましょう。

 中央会が果たすべき舞台は余りにも広く、深く、時の潮流に対応するため苦難な中に

も拘わらずその機能を発揮し、青年中央会、女性部の設立等、その基盤も整備、確立す

るに至りました。

 そこには友情の輪も広く、心の絆のもと、共生する生甲斐を覚える舞台でもありまし

た。

 在任中、常に「ハブ構想」を念頭に関係各位のご協力を拝して参りました。

 幸い、県、市御当局には行財政多難な中から格別の御高配を頂きました。

 商工中金をはじめ政府系三公庫にも惜しみない御協力を頂きました。

ハブ構想に拘る余りに役職員をはじめ関係諸賢に対し多大な御迷惑を煩わして参りま

した。

 「成すべきことは多く、然し、成し得ざること更に多し」反省を致しております。御

寛恕の程お願い申し上げます。

 幸い、畏敬する五嶋会長のもとで心気新たに再発足の日を迎えました。

 幸甚の限りでもあります。

 政経共に多難、百家争鳴の世情の折柄、中央会の舞台も又、繁忙する事と存じますが、

より明るく、より広く、人自らここに集まる中央会であります事を願っております。

 御礼の言葉は尽きることはなく、紙面に限りあり蕪辞を以って御挨拶に代えさせて頂

きます。

                               五月二十五日



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