メカトロ・アソシエーツ株式会社
産業用ロボットを活用した溶接部仕上げ作業用切削加工機の試作開発
事業実施の背景
溶接加工部品の溶接部位仕上げ加工において、産業用ロボットを導入・活用するに至っていない現状がある。その主な原因として、①溶接加工部品は溶接時の熱歪により加工基準にバラツキが発生し、仕上げ加工の自動化および工作機械での加工が困難であること②仕上げ加工は現状砥石を使用しているが、磨耗管理が難しく自動化が困難であること③工作機械で使用する刃物(エンドミル・フライスカッター)などの回転工具をロボットに搭載することは困難であると考えられていることが挙げられる。 そこで、本補助事業では産業用ロボットにて溶接加工部品の溶接部位仕上げ加工を実現する試作開発に取り組んだ。
実施した内容
具体的な課題解決の取り組みとして、(1)ロボット溶接部仕上げ加工条件シミュレーションを行った上で、 (2)溶接部仕上げに最適なロボットシステムの開発を実施し、(3)切削加工に最適なロボットに搭載する スピンドルユニットを開発(4)そのスピンドルをロボット操作にて動作させるロボットI/F制御装置を開発し、 (5)試作開発機器の簡易試験及び安全分析の実施を図り、以てロボットに高速スピンドルを搭載し、切削 工具にて安全かつ効率的に溶接部仕上げ加工をするロボットシステムの試作開発を行った。

取組みの成果
開発した切削ロボットの実用性を検証するために、溶接部材の切削加工実験を行い、切削条件の選定及び評価を行った。その結果は以下の通りであった。
- 剛性がないロボットでの加工条件を算出し、ロボットのびびり振動は発生せず、滑らかな加工面となることを確認した。
- 加工面の形状は、表面粗さでRa0.4μm 以下、うねりは大きいもので最大断面高さWt 約150μm となった。高精度な加工にはうねり形状低減のため、今後さらなる検討が必要である。
- 開発した切削ロボットの主要な固有振動モードにおける固有振動数は、8Hz から50Hz までの間に存在し、主軸回転速度15000rpm である加振周波数(250Hz)と離れており、加工時に大きな振動を生じさせないことがわかった。
以上より、主軸回転数を十分高くすれば、ロボットの低剛性においても加工が可能であることがわかった。

今後の目標
NCマシニングセンター同等の加工条件、精度を目指す。
代表者から自慢を一言!
本装置開発時は、皆様から否定されることが多かったが、現状は皆様から多大な評価を頂いております。
今までの溶接加工後のグラインダー仕上げ工程を画期的に変える装置です。皆様の費用対効果を含め、必ず満足させます。
自慢の動画!!
事業所名 | メカトロ・アソシエーツ株式会社 | ||
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代表者 | 代表取締役 酒井 良明 | 連絡先担当者 | 製造部製造課 二ツ矢 恭己 |
所在地 | 〒923-0043 石川県小松市一針町ヌ57番地1 | ||
従業員数 | 18人 | 設立年月日 | 2006年10月16日 |
TEL | 0761-21-6166 | FAX | 0761-21-6388 |
y-sakai@mec-as.co.jp | URL | http://www.mec-as.co.jp/ | |
業種 | 生産用機械器具製造業 | 資本金額 | 20,000千円 |
得意分野 | ロボットシステムのプランニング・設計・製作 2D・3D CAD/CAMによる治具等の設計・製作 |