(株)エフラボ
椅子・ソファ再生マーケットの推進
事業実施の背景
椅子・ソファの張替・修理は、職人による手作業が必要な工程が多く、ライン生産で新品を作るよりも技術的に難しいため、様々なメーカーは椅子再生を積極的には実施していないのが現状です。国内を見ると、人口減少に高齢化、資源も枯渇していく中で、新しい椅子やソファを必要とする以上に、既存品の修理・生地張替をしたい、した方が良いと思われる市場が、少なくとも同等の規模で存在すると考えられます。

資源を大切にした安価で長持ちする生地張替サービスを開発することで、家具業界で新しい市場を開拓し、新規顧客の獲得を目指すことを目的に、当事業に取り組むこととなりました。

この奥に木工所・塗装場・倉庫も備えています
実施した内容
当社では、業務用の椅子を中心に一か月で約3,000脚を新品同様に生まれ変わらせています。
熟練した職人の技術力を取り入れようと、地元七尾市で繊維や建具、大工などの高い技術力を持つ職人を募集し、多数活躍してもらっています。椅子再生においては、毎日、形や風合いの違う椅子が持ち込まれるため、様々な分野の職人が活躍できる状況にあり、長年培ってきた技術を次世代に伝えています。
今回の補助金では、大量生産ラインではできない椅子の張替工程のうち、椅子生地張り替えの要である型取りパターン+裁断業務の革新的な施工方法を確立すべく、アパレル業界で活用されているCAD-CAMシステムを椅子生地用にカスタマイズし、導入しました。効率よく、今あるものを再生することで、コスト削減(新品の6~7割)ができ、国内工場での施工で納期短縮も実現できます。家具業界で新しい市場の開拓をし、新規顧客の獲得を目指しています。
取組みの成果
従来職人が手作業(透明フィルムに複写しはさみでの裁断後、現物に被せての調整等)で型取り、パターン作成していた分野でCAD-CAMシステムを導入。機械化することに成功しました。機械で職人の手作業よりも繊細な作業が安価でできるようになり、100台以上あるような大きな現場の張替の仕事が受注できるようになったほか、作成したデータで裁断業務まで一貫して行うことができきるようになりました。これにより職人技術の約半分をデジタル化できたことになります。高級感のある大きな柄生地の柄合わせや、取り寄せに時間がかかる海外生地等について、ミスなく短時間で効率よく進めることができるようになりました。
新技術の導入で生産性が3倍近く上がり、椅子再生事業としてあらゆる家具メーカーとの取り組みの強化、安価に新品同様の既存商品のリニューアルが可能となりました。
左:従来の職人手作業による裁断 右:CAD/CAMシステム導入後の自動裁断
今後の目標
上記のような成果の積み重ねにより、日本を代表するような有名ホテル・クラシックホテルと直接取引できる環境が整いつつあります。国を挙げてのSDGs推進の潮流からも「大量生産・大量消費」から、よい物を「再生して使う」価値観がますます浸透していくのではないかと思います。その中で企業としての優位性や社会的価値を高め、東京オリンピック、大阪万博、インバウンド需要を捉え、全国にある137の協力工場と共に椅子の張替・修理市場の底上げを図りたいと考えています。
代表者から自慢を一言!
椅子再生事業を通じて地域の活性化に寄与し、少子高齢化の中でシニア職人から若手職人への技術継承を行い、国内での技術保持に貢献したいと考えています。資源が枯渇してしまう今の時代だからこそ、椅子一本一本の持つ伝統技術や職人の思いを大切に、使い捨ての時代から物を大事にする日本人特有の気質で物の価値を十分に生かし、「捨てない時代」を提案し続けていきたいと思います。

自慢の動画!!
事業所名 | (株)エフラボ | ||
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代表者 | 代表取締役 松井 正尚 | 連絡先担当者 | 木村 元伸 |
所在地 | 〒929-2214 石川県七尾市中島町小牧19,1009番地3 | ||
従業員数 | 38人 | 設立年月日 | 平成19年6月5日 |
TEL | 0767-66-2111 | FAX | 0767-66-2131 |
m-kimura@f-labo.jp | URL | https://f-labo.jp/ | |
業種 | 家具・装飾品製造業 | 資本金額 | 5000千円 |
得意分野 | 椅子・家具の修繕・特注品新規製作 |