年頭ご挨拶

 石川県中小企業団体中央会
 会 長  五 嶋 耕 太 郎



 

「国の礎、中小企業」

一歩一歩・着実なる前進を〜

 

 

 

 我が国経済は、いま、原油・原材料価格の高騰に続き、米国発の金融危機による世界経済の減速や株価の急落、加えて円高の進行等により、いわゆる回復基調から一転して急激な後退局面に入っております。

 こうした中、中小企業者は、景気回復の恩恵を受ける間もなく、荒波の中で企業努力の及ばぬような厳しい経営局面に立たされております。

 本県でも、これまで景気の牽引役であった外需系企業を中心に幅広い減産傾向がみられ、企業マインドも湿りがちで、景気の後退感が一層強まっております。また、雇用情勢も、昨年10月には有効求人倍率が1倍を切るなど、厳しさを増しております。

 このような内外の厳しい経済情勢等を踏まえ、国においては昨年「安心実現のための緊急総合対策」や「生活対策」、更に年末には「生活防衛のための緊急対策」を取りまとめるとともに、石川県でも「緊急経済対策」を発表、二次に亘り制度金融の拡充を図るなど、中小企業の金融円滑化等の施策を強力に進めております。

こうした施策をより効果的なものにするためには、個々の企業の積極的な努力に加え、企業間の連携を進めることが重要であり、協同組合活動などを通じて資金力・技術力を高め、無駄を排除した効率的な経営が求められるのであります。

 したがって、中小企業の連携組織を支援する本会といたしましては、今後とも、昨年から国の委託を受けて実施している地域力連携拠点事業をはじめ連携組織の構築、創業・再生支援、経営革新の推進、地域資源活用による新たな事業の創出、ものづくり対策や人材養成、中心市街地活性化等に積極的に取り組んでまいる所存であります。

 さて、平成21年の日本経済の行方でありますが、「秋頃まで厳しい状況が続き、その後は緩やかに回復する」との見方がある一方、「景気後退に歯止めがかからず長期化する恐れもある」との識者の厳しい見通しもありますが、いかがでしょうか。いずれに致しましてもこのような厳しい状況下では、景気回復期を視野に入れ、人材の育成など中長期的な視点で企業の力をしっかり蓄え、丑年にあやかるように辛抱強く、一歩ずつ着実に前進していくことが肝要かと考えるのであります。

 中小企業は国の礎です。地域の雇用を支え、日本経済の活力の源泉であります。難局の中で迎えた本年は、倍旧の決意で、会員をはじめ中小企業の皆様の声をお聞きし、ともに考え、行動し、結果を出す中央会として積極果敢に努力してまいる所存であります。各位のご支援、ご協力を心よりお願いいたします。

 皆様と迎えました新しい年が、幸多き一年となりますよう心よりお祈り申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

 

 

 


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