年頭ご挨拶

 石川県中小企業団体中央会
 会 長  五 嶋 耕 太 郎   


戦略的連携強化への積極的支援

 年頭に当たり新年のご挨拶と新春のお慶びを申し上げます。又、旧年中に賜りましたご厚誼に対し、役職員一同と共に心から感謝申し上げます。

 昨年は、最長の真夏日を更新した猛暑、度重なる台風の上陸、水害、又、記憶に新しい中越地震等、幾多の自然災害に見舞われた激動の一年でありました。

 そんな中、景気の動向は年央より輸出、生産部門が緩やかに増加、在庫も低水準で推移、設備投資も企業収益の改善等により増加基調を維持、又、雇用環境も依然厳しい状況ながら一部で持ち直しの動きをみせる等、企業部門の改善が家計部門にまで広がり、堅調な回復過程にあると言われております。

 しかし、景況感は大企業と中小企業では依然として格差が存在し、業種や地域別にも偏りが見られ、地域経済や中小企業があまねく景気回復の広がりを実感するまでには至っておらず、むしろ、中心市街地や商店街の衰退、企業の生産拠点の海外移転による地域産業の空洞化、公共事業の縮小など構造的要因により、経営環境は依然として厳しい状況下にあります。

景気回復を確実なものにするためには、経済社会基盤の中枢として地域経済を支えている中小企業の活力強化が急務であり、いわんや地方経済の牽引役である中小零細企業の活性化が不可欠であるということは言うまでもありません。

 地域経済並びに雇用創出の担い手として大きな役割を果たしてきた中小企業は、グローバリゼーションの深化に伴う国境を越えた競争激化が派生、中小企業を支えてきた従来の取引関係・商慣行も大幅に変質、又、デフレ経済下で引き締めを図る金融機関への対応等、市場環境はより競争的なものへと変質し、自助努力の限界を超えた非常に厳しい経営を余儀なくされ、まさに危機的状況に追い込まれております。

 このような状況の下で、痛みに苦しみ、自信を失いかけ、将来に強い不安を抱いている中小企業が、わが国経済のダイナミズムの源泉として、再生を目指して頑張れるよう、雇用面や金融面でのセーフティネット機能の強化は勿論のこと、構造改革の実をあげるためにも、デフレ経済からの脱却を最優先とした、あらゆる政策を集中し、民需喚起と新規雇用を増やす対策等の早急な実施が強く求められるところであります。

 競争的な市場環境が進展する中、中小企業を取り巻く経営環境が一段と厳しさを増す中で、中小企業が個々で山積する課題に取り組むことは容易ではなく、協同化の精神を組合に結集することにより、経営資源を相互に補完し、自己の経営革新を図ることが極めて有効であり、以前にも増して組合等、中小企業連携組織の果たすべき役割は重要であると認識しております。

 折りしも、本年は中央会創立50年という記念の年にあたります。

 本年度は創設の原点に立ち返り、中央会に課せられた使命と役割を十分に認識し、中小企業組合の中核的支援機関として会員団体はもとより中小企業に向けてしっかりと軸足を置き、中小企業の安定的な成長のため、裾野の広い創業・新規開業等、新たな事業分野を創造開拓する中小企業の支援に重点的に取り組むとともに組合をはじめとする多様な連携組織が、進展する構造変革に円滑に対応し、経営の維持発展が図られるよう積極的に支援していく所存であります。

 会員諸賢には旧年にも倍したご支援,ご協力をお願い申し上げますとともに、新しい年が幸多かりしことをご祈念申し上げ、年頭の挨拶に代えさせていただきます。


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