年頭所感
〜連携組織強化への積極的支援〜

               
          石川県中小企業団体中央会
           会 長 
 五 嶋   耕 太 郎   


 年頭に当たり新年のご挨拶と新春のお慶びを申し上げますとともに、旧年中に賜りま

したご厚誼に対し、一同に代わりまして心から感謝申し上げます。
 
 さて、わが国経済の現状を見ますに、設備投資の持ち直しや企業収益の改善等、マク

ロ的なデータによれば上向きの基調にあり、また、米国経済の回復傾向と併せて、総じ

て明るさが増しており景気は持ち直しの動きがあるという風に言われております。
 
 しかし、内需の動きは鈍く、雇用、所得環境等は依然として厳しく、デフレ傾向が

続く中で停滞感を払拭しきれず、又、景気回復の兆しなど全く体感できない状況下に

あり、政府判断と中小企業の現状認識とは大きな乖離が見られます。

景気回復を確実なものにするためには、わが国経済の大宗を占める中小企業の活力強化

が急務であり、いわんや地方経済の牽引役である中小零細企業の活性化が不可欠である

ということは言うまでもありません。
 
 しかし、地域経済の担い手として、雇用創出の担い手として大きな役割を果たしてき

た中小企業は、消費の低迷、公共事業の減少、長期にわたるデフレ不況などにより先行

きが見えない極めて厳しい状況下に置かれており、自助努力の限界を超えた非常に厳し

い経営を余儀なくされ、まさに危機的状況に追い込まれております。
 
 このような状況の下で、痛みに苦しみ、自信を失いかけ、将来に強い不安を抱いてい

る中小企業が、わが国経済のダイナミズムの源泉として、復活を目指して頑張れるよう、

雇用面や金融面でのセーフティネット機能の強化は勿論のこと、デフレ経済からの脱却

を最優先とした、あらゆる政策を集中し、内需を喚起し、新規雇用を増やす対策等の早

急な実施が強く求められております。
 
 市場原理重視の中、中小企業を取り巻く競争環境が一段と厳しさを増す中で、中小企

業が個々で山積する課題に取り組むことは容易ではなく、協同化の精神を組合に結集す

ることにより、経営資源を相互に補完し、自己の経営革新を図ることが極めて有効であ

り、以前にも増して組合等、中小企業連携組織の果たすべき役割は重要であると認識し

ております。
 
 本会といたしましては、経営革新を目指し、コストの削減に努め、雇用を守るため

日夜懸命に努力を続けている中小企業の安定的な成長のため、裾野の広い創業・新規開

業等、新たな事業分野を創造する中小企業の支援に重点的に取り組むと共に、組合をは

じめとする多様な連携組織がこのような構造変革に円滑に対応し、経営の維持発展が図

られるよう積極的に支援し、今後の方向性を提示するとともに、その対応について明ら

かにし、具体化に向け、中央会がこれまでに蓄積してきた中小企業連携組織というネッ

トワークを最大限に活用し、時代を先取りできる組合並びに連携組織の育成、支援に

全エネルギーを注入、直面する問題解決に全力を傾注していく所存であります。
 
 会員諸賢には旧年にも倍したご支援、ご協力をお願い申し上げますと共に、新しい年

が幸多かりしことをご祈念申し上げ、年頭の挨拶に代えさせて頂きます。


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