ラ・クロス・アミカ(La Cloth Amica)(石川県)

モノ創りの「美」を追求、多彩に活動する女性たち
 低迷する賃加工型産地で組合員の奥さんたちが自主的に発足させた「女性の会」活動が、女性らしい美意識で多彩な活動を展開、男性中心の組合活動に新風を吹き込んだ。

結成の背景
 当産地はこれまで白生地、下請け賃加工主体であり、提案型の産地への脱却を図ろうとさまざまな試みがなされ努力してきた。一方これまで「内助の功」で夫をサポートしてきた女性たちの間に、「ファッション業界の一翼を担っている織布業がなぜ男性中心なのか」という思いが高まってきた。そこで有志数人が世話人となり、産地のモノ創りに女性の感性を活かすことを目的とした「女性の会」を発足させた。

事業活動の概要
 女性の活動は男性に強い影響を与えることが出来るとの信念から、女性たち自身の知識を深め仕事に役立てること、女性らしい感性を活かしたイベントを通して産地振興を図っていくこと、この二つを事業活動の中核としている。前者においては繊維に関する各種の勉強会、川下との交流・情報収集活動などがある。後者においてはキモノ用服地、男性用服地などの製品の多用途化を目論んだ全国向け産地情報発信のための「メンズファッションデザインコンテスト」を仕掛け、「つ・つ・美・布デザイン画コンクール」による繊維産地としての地元市民へのPRなどが上げられる。中でも平成10年2月に企画提案して女性の会が実行主体となった「’98メンズファッションコンテスト」は、広く全国からデザイン画を募集、小松産地の服地を使用して実際に制作したものをファッションショー形式で審査するもので、地元をはじめ全国各地から多数応募があり、内容についても高い評価を受けた。

成果
 これまで女性の意見や考え方が産地の活性化に取り入れられる機会はほとんどなかった。しかし実際に女性の会が立ち上がり、次々行われる多彩な事業が多数を集客し、高い評価を得るようになると、組合運営に女性の意見が採り入れられるようになった。また、会員個々の仕事に関する知識や考え方の向上が図られ、そのことが家業の活性化にもつながっている。このように女性の会の活動は、男性中心のこれまでの産地のあり方に一石を投じ、産地活性化の一助となっている。本会の多彩な活動は、世話人を中心とした会員の好奇心と行動力、そして産地活性化に女性の感性を活かしてもらいたいという、理事長をはじめとした組合執行部の理解に負うところが大きい。

小松織物工業協同組合
女性部等の名称:ラ・クロス・アミカ(La Cloth Amica) 構成員:45人
住所:〒923-0801 小松市園町ハ36-1 電話番号:0761-22-0690 FAX番号:22-0694
設立:昭和24年3月 出資金:2,655万円 組合形態:産地組合 地区:小松市他1市4町
主な業種:織布業 組合員:145人 組合従業員:4人