官公庁等が、物品の購入やサービスの提供を受けたり、工事の発注などをしたりすることを官公需といいます。官公需の発注に当たっては、中小企業の受注機会の増大を図るために、昭和41年、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」(以下「官公需確保法」という)が制定されています。「官公需確保法」に基づき、
中小企業者向け官公需契約目標と目標達成のための措置を内容とする「中小企業者に関する国等の契約の方針」を毎年閣議で決定し公表しています。平成12年度における「契約の方針」においても、受注機会の増大のための措置として、中小企業官公需特定品目等の発注情報等の提供及び発注の増大、官公需適格組合等の活用、指名競争契約等における受注機会の増大、分離・分割発注の推進、地方支分部局等における地元中小企業者等の活用、適正価格による発注等が決定されています。
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中小企業団体中央会の指導支援を受け、事業協同組合や協業組合等の組合が官公需の受注に対し意欲的で、かつ受注した契約は、品質管理に万全を期し十分責任を持って実施できる経営基盤(組織体制、財政状況等)があることを中小企業庁(石川県では中部経済産業局が所管)が証明する制度です。
現在全国で774組合があり、石川県でも
5組合が認証を受けて活動しています。証明区分は「物品」、「役務」及び「工事」の3区分あり、その証明基準は下記のとおりです。
1.物品・役務関係の証明基準
@共同事業が、組合員の協調裡に円滑に行われていること。
A官公需の発注について熱心な指導者がいること。
B常勤役職員が2名以上いること。
C共同受注委員会が設置され、かつ適正な運営が行われていること。
D役員と共同受注した案件を実施した組合員が連帯責任を負うこと。
E検査員を置くなど検査体制が確立されていること。
F組合運営を円滑に行うに足りる経常的収入があること。
2.工事関係の証明基準
上記の7項目に加え、さらに下記の要件が必要です。
G共同受注事業を1年以上行っており、相当程度の受注実績があること。
H組合専従技術者が工事を監理・監督・指導等をするとともに、総合的な企画及び調整 を行う企画・調整委員会が現場ごと
に設置され、工事全体が契約通り施工される体制があること。
I工事1件の請負代金の額が1,500万円(電気、管工事等は500万円)以上の物件を受注しようとする組合は、常勤役員
が1名以上、常勤職員が2名以上の合計3名以上おり、その役職員のうち2名は受注しようとする工事の技術者であること。
(標記金額未満の場合は、常勤役職員は2名以上で基準を満たします)
J自己資本、資金調達力、欠損状況その他の観点からみて工事を履行するに足りる経理的基礎を有していること。
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官公需法第3条は、「・・・国等が契約を締結するに当たっては、予算の適正な使用に留意しつつ、中小企業者の受注の機会の増大を図るように努めなければならない。この場合、組合を国等の契約の相手方として活用するよう配慮しなければならない。」と定めています。
また、毎年度閣議で決定される「中小企業者に関する国等の契約の方針」においては「国等は、法令の規定に基づく随意契約制度の活用等により、中小企業庁が証明した官公需適格組合を始めとする事業協同組合等の受注機会の増大を図るものとする。特に、官公需適格組合制度については、各省各庁等は、中小企業庁と協力しつつ、発注機関に対し、その一層の周知徹底に努めるものとする。」と定め、官公需の発注に当たって官公需適格組合を積極的に活用するよう明示しています。
官公需の発注案件の中には規模等から中小企業者個々では対応が難しいものもありますが、組合の共同受注事業として受注すれば確実にその契約が履行できるものも多くあります。さらに、組合の共同受注事業は一件の受注に対して中小企業者である複数の組合員が共同してその案件を履行していることから、分離・分割発注と同じ効果をもたらすこととなり、結果として多くの中小企業者の受注機会の増大に役立ちます。
また、事業協同組合をはじめとする各種組合は法定の手続きを経て国や都道府県が認可した法人であり、民主的かつ公平な運営が制度上確保されています。
さらに、一定の場合には、認可行政庁である国や都道府県が指導監督できるなど信頼性の高い法人であることも、組合を積極的に活用すべきであるとする大きな理由となっています。
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中央会では、国、県、市町村等から次のような官公需に関する情報の収集を行い、入手した情報を中小企業関係組合や官公需適格組合等に提供しています。
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官公需に関する発注情報
- 官公需特定品目
- 官公需特定品目以外の物品(一般競争入札)
- 役務(一般競争入札)
- 工事(一般競争入札、公募型指名競争入札)
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官公需特定品目に関する落札情報
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競争入札参加資格申請受付情報
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工事(一般競争並びに公募型指名競争)の発注情報提供分についての落札情報
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