県内の情報連絡員報告(1月)

製造業

*食料品製造業(パン製造業)
  
大雪の影響で、コンビニエンス・ストアからパンが消えたとの声を聞いたが、高速道路等の事情で、入荷できなかった。地元業者でまかなえる体質が必要である。

*食料品製造業(醤油製造業)
  
今月度の醤油出荷量は、例年と同様に前月比で大幅に増加したが、前年同月比では微増だった。この結果平成15年(1月〜12月)の総出荷量は、長引く消費の低迷もあり、かなりの減少になった。

*食料品製造業(菓子製造業)
  
前年と比べたとき、小豆、餅米の高価もあり、消費者の買い控えへもあり、商売としてはおもわしくない。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
  
前月に引き続き、一部好転持ち直しの傾向が見られる。但し、短期的なものが多く、業界内各社の受注生産もバラツキが大きく、全体的には減少し、更に厳しい状況である。好転の兆しはないが、各社前向きに取り組んでおり、付加価値製品等の開発にも余念がない。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
  
絹分野では景気の停滞と信用不安により売れ行きが悪い状況が続く中、日本文化の見直し、きものへの関心が高まりを見せ、需要拡大が期待されているが、多品種、少ロットの発注に終始し、また中国の天候不順による繭の原産が原料(生糸)高を招き、厳しい採算性で推移している。合繊分野では、デザイン性のあるインテリア、極細分繊織物など差別化衣料で好調なものも点在し、提案企画品の注文があり、生産量増加傾向はいくらか見られるものの、採算性の改善には至っていない。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
  
産地内企業間格差が広がり、稼働率も一部において上向き傾向となっている。但し、操業面においては、低迷横ばいで大変厳しい。

*繊維同製品製造業(染色整理業)
   2〜3月に向けての展示会用の見本作りが始まり、その結果に期待している。

*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
  
主力の丸編は、昨年の盆明けより今年の1月までは、ほぼ堅調に推移してきたが、春物衣料の生産が一段落する2月の受注は、厳しいことが見通される。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
   1月に入っても依然として厳しい状況が続いている。

*木材・木製品製造業(家具製造業)
  
組合員の倒産企業が発生した。
 
*木材・木製品製造業(木材製造業・金沢地区)
   1月度は、予想通り予約も少なく、大雪の影響もあり、続いてきた好調を止めてしまった。只、資材の価格は季節性もあるが、低迷しつつある2月は、予想以上に下落する可能性が高いように思われる。
 
*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
   1月の組合取扱い出荷量は、生コン向け、アスコン向けともに大きく落ち込み、対前年同月比全体量で35%と大幅に減少した。大雪の影響もその要因の一つであるが、この落ち込みを回復するには、非常に厳しい状況にある。
     
*窯業・土石製品製造業(陶磁器商工業)
  
名古屋の見本市、東京での工芸フェア、テーブルウェアフェスティバル等で、新作商品等のPRを図った。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
  
県内生コンクリートの出荷状況は、16年1月末現在で、前年同月比約16%の減少となった。例年1月は、降雪による工事の遅れ等で、出荷が振るわず低調に推移している。昨年4月からの累計値では、2.6%減に留まっているが、今後の天候回復と民需の受注に期待(前年度並み)したい。一方、南加賀地区では、今後の需要減退を見通し、生コン工場の集約化が、本年1月より進み、1工場を閉鎖し、1工場減とした。
     
*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
   1月22日からの大雪の影響で、出荷が4日間「0」となる。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造業)
  
今年度の新学卒者の採用は、組合全体で約40名と、昨年の24名からすると倍増になる数字であり、組合員各社の多忙が読み取れる。
 
*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
  
前年比で横ばいから若干の減少で推移している。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
  
本県鋳造業界は、14年の後半から景気の持ち直し傾向が現れ、15年は、前年(14年)対比14%増の29,000トンの生産があった。景気は徐々に回復しつつあり、16年に期待をかけるところである。このことを裏付けるかのように、昨年後半から受注引き合いが増加してきており、当組合、個別企業共に受注獲得に向けて努力をしているところである。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
  
前月同様指標に著しい変化は生じていない。勝ち組・負け組の企業間格差がより一層進んでいるように思われる。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
  
仕入れ材料の高騰が続いている。人材確保が困難である。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
  
県内業界企業を対象に世界市場に関するアンケート結果(中間)によると、影響を受ける国のトップが「中国」であり、販売量の増加やコスト削減などのプラス面と単価下落や受注減少などのマイナス面の両面で影響があり、今後の影響については、マイナスの影響の割合が高かった。また、国内景気は実際に回復しており、特に建設機械や工作機械、織機などの各メーカーは米国や東南アジア、中国向け輸出が好調であるが、輸出頼みの景気なので、不安定要素が大きく、設備投資や人員増に踏み込めないという状況である。
 
*機械器具製造業(工場団地)
  
各企業は、忙しく残業しておりますが、事務所の方はパートが多いようである。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
  
業況は前月報告と変わらないが、材料価格アップ、入手困難傾向が一層強くなってきている感がある。

*機械器具製造業(鉄工団地)
  
繊維機械関係は、前年比マイナスとなっているが、工作機械や建設機械など、他業種が好調なため、全体としては前年同レベルであろう。発注元の生産合理化による在庫圧縮が、短納期、小ロット発注となって、下請けへ負担となってきている。設備機械の稼内が偏ったり、段取り替えの頻発による効率ダウン、物流へのキメ細かな対応などとなっている。雪による影響は特になさそうである。

*その他製造業(漆器製造業)
  
近代漆器は、景気回復の兆しが見えたという中で、当業界は依然として悪化している。今期は、正月用商品の需要期も過ぎて、新作の展示会が各地で開催されているが軒並み前年度を下回っている。又、廉価な輸入品が入ってくるようになり、産地での生産の落ち込みが増大している。伝統的漆器も正月用品の需要期が過ぎて、新商品の案配に取り組んでいるが明るい兆しも見えず、廉価な輸入品の影響による産地での生産の減少は依然として続いている。

非製造業

*卸売業(原糸織物卸)
  
合繊織物に関して、売上増加、在庫減少の話を聞くわけではないが、工場の方は、フル生産の大勢であると言う。しかし、その理由は定かではなく、これで勢い付くとも考えられない。

*卸売業(水産物卸)
  
仕入高がやや増加したものの、売上高は改善していない。もう少し取引の推移を見ていきたい。流通形態の変化が激しい中での業界の景況は厳しい。
     
*卸売業(電設資材卸)
  
市場を見渡した感じとして、大きなものはありませんが、箱物が動いているようである。住宅関連も昨年並みであった。流通業である当組合の関連メーカーも数字的には引き続き確保できているようであるが、前年割れが続いており、10年前の数字と比べるとほとんど伸びていないと思われる。
     
*小売業(石油販売業)
  
ガソリン小売価格は年明け以降安値圏で更に軟化し、厳しい経営状況は変わらない。暖冬予想から一転して、1月下旬以降に寒波の到来があったが、遅きに失し物流が大雪で遅延し、灯油の仮需要に支障をきたすと同時に需要家への配送に困窮した。

*小売業(電器小売業)
   1月度も地域店の苦戦は続いており、前年伸び率は90%前後の模様。暖房器具を初めとする冬物商品、デジタル関連機器のDVD、PC、デジタルカメラ等の需要を量販店に奪われているのが実態である。また、大型PDP・液晶テレビも全体の売り上げを持ち上げる需要にはなっていない。地域店にとって非常に厳しい状況が続いている。
     
*小売業(衣料販売業)
  
大型店、百貨店、一般小売ともに初売りが1月1日及び1月2日が大勢であり、当方各店も1月2日から1月3日に初売り商戦に望んだ。一方暖冬と思われた天候が一転して、1月22日、23日の積雪で一部地域で空白の2日間があったが、トータル的に売上高は前年並みであった。但し、春物導入を控えての冬物処分セールで、収益には連動しなかった。

*小売業(鮮魚販売業)
  
仕入れ、売り上げともに前年同月比で1.5〜2割という非常に大きな落ち込みが見られた。下旬に大雪に見舞われたことが、かなり影響していると思われる。

*小売業(土産販売業)
  
大雪により売上が減少した。

*小売業(共同店舗)
  
売上高予算96.5%、前年比102.2%とまずまずであった。1月の動向として、前半は昨年並み、中盤は突如の大雪の影響で前年比77%ぐらいの落ち込みであった。しかし平日であったため、売上高的に大きな落ち込みではなかった。後半は、核店舗がイベントを開催し、店舗全体の集客力がアップし、月間通して前年比ベースをクリアした。部門別では、ファッション94.7%、服飾112.6%、生活雑貨100.2%、食品106%、飲食103%、サービス90.9%であった。

*商店街(近江町)
  
大雪の影響が大きく、来街者が減少した。景気の冷え込みを相変わらず感じる。
 
*商店街(横安江町)
   1月前半は、穏やかな天候に恵まれて、来街者の出足は良好であった。後半は、天候不順で来街者の減少が目立つ。この影響か靴小売店は長靴の売れ行きが好調であった。
 
*商店街(尾張町)
   1月の景況を決めるのは、後半の雪を除いては考えられない。金沢市全体を巻き込んだ物流のストップは、単期的には商業の停滞をもたらしたが、この反動からくる需要、あるいはここで損失したものへの補修・補てんが2月へ向けての需要増となっていることも事実である。
 
*サービス業(温泉旅館業)
  
旅館の施設・サービス及び地域(温泉観光地)として、個性的な魅力作りが叫ばれているものの、日常的な対応に追われ、資金的、人的にもその推進力の確保がなかなか困難な状況が見られる。NHK大河ドラマの反動を昨年は受けたが、本年は勝負の年になると思われる。
 
*サービス業(自動車整備業)
  
継続検査対象車両数は、前年同月比4.5%増、前月比では26.8%減、新規登録車は前年同月比4.0%減、前月比では14.4%減で推移している。

*サービス業(クリーニング業)
  
売上高は、前年同月比8%減であった。一般クリーニングは10%減少。ホテル、旅館関係は不変。病院、向上関係も不変であった。今年の冬は暖かく始まったが、公判からの雪で、防寒等冬物が出ると期待している。
 
*建設業(総合建設業)
  
建設工事の受注高は、前年同月比の27.1%の減少となった。内訳としては、民間土木は19.7%の減、民間建築は31.7%となり、民間としては14.1%の増となった。しかし、公共土木は16.7%の減だが、公共建築は82.9%の大幅な減となり、2ヶ月続けて厳しい数字となった。これにより公共は44.4%の減となった。

*建設業(鉄筋業)
   1月は稼動実数が少なかったが、70%〜80%での推移であるが、組合員間でバラつきがある。建設業者よりの見積積算も少なく、先行き不透明である。

*建設業(板金業)
  
例年の傾向ではあるが、特に今年の1月については仕事が減少している。
     
*運輸業(トラック運送業・小松市)
  
稼働日数が少ない月ではあるが、輸送需要は堅調に推移したようであるが、月後半の積雪による稼働率の落ち込みが、低値で固定した収受運賃に更に追い討ちをかけるような雪害による交通事情の混乱で運行に支障をきたし、動きが取れずに車中泊した乗務員の管理費を圧迫し、今後の資金繰りに頭を痛めなくてはならないようである。

*運輸業(タクシー業・金沢市)
  
お正月を迎え、好天が影響し、列車利用者減の影響(利用客の待ち対制)があり、利用者は減少。減益となった。代行業者の違法運送の日常化と法規制違反の取締り等もあり、タクシー事業への参入が見込まれ、ますます増車され歯止めがきかない状況で、長時間労働による安全運転免での事故等が心配である。
     
*運輸業(トラック運送業・金沢市)
  
当月は上旬・中旬までは比較的に好調に推移していたが、22日からの降雪による道路事情の悪化で、下旬の売上は2割方減少したため、一月を通しては前年同月なみであった。イラク戦争以来高値が続いていた軽油価格は、1月に多少値下がりして安堵していたが、2月に入ってまた元の価格に値上げされ、ぬか喜びであった。先行きも業況も一進一退が続くと思われているが、これまで続いてきた荷主からの運賃値下げ要求があまりなくなってきた点で、やや変化が感じられる。
 


【HOME】 【前目次】