県内の情報連絡員報告(12月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 
醤油出荷量は前月比やや減少、前年同月比ではかなりの減少となった。長引く消費不振が大きく影響しており、依然として苦境に立たされている。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 
長引く不況、消費の低迷、流通業界再編による売場面積・店舗数の減少、在庫調整、利益率の高い輸入織物・商品のウエイトを益々高めるなど様々な要因により、操業度の低下、採算性の悪化は深刻で、大変厳しい状況で推移している。インテリアカーテン、天然繊維複合織物などトレンド商品分野で好調なものも一部みられる。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 
企業間格差が目立ち始めた。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 12月は、日本経済全体の回復が叫ばれる中、当業界を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いている。従来は、年末年始にかけての駆け込み需要的なものが発生し、12月はどのような年でも仕事量の回復が見られたが、今年は、そうしたこともなく、底這い状態のまま新しい年を迎えることになってしまった。国内消費が増大しない限り、当業界は極めて厳しい状況が続くことが予想される。

*木材・木製品製造業(木材製造業・金沢地区)
 12月は、新築住宅の年内着工及び居住の条件が終了したにもかかわらず、需要は減ることなく推移し目標をクリアした。このままいけば、気象条件次第で、年明けも期待出来るが、隣県では当月すでに需要の減退が見え始めているとの情報もあり、安閑とは出来ない。
  
*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 12月の組合取扱い出荷量は、対前年同月比アスコン向けで僅かに4%増となったものの、生コン向けでは7.2%減少し、全体量でも4%の減少となった。設備操業度でも、4〜12月期において対前年同期比3.7%減少し、これから冬期に入り、ますます厳しい状況が見込まれる。
       
*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 
県内生コンクリートの出荷状況は、12月末現在で前年同月比約5%減となった。前月より数量的には微増となったが、年々減少傾向が一段と強くなってきた。また、4月からの累計値でも前年同期比約1%の減少となった。地区別では南加賀、金沢の両地区では5〜8%の増となっているが、他の地区(主に能登方面)は、約25〜35%減となっており、低調に推移している。
       
*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 
廃業等により大変厳しい状況が続いている。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造業)
 
全く好況であると言わざるを得ない。組合員全体が好況で、日・祭日を一部返上しての行動である。
  
*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 
業界の景況も9月以降比較的安定した状況で推移し、比較的好況といわれた平成12年の水準に近づいてきた。受注引き合いも活発で、年末にかけての件数、特に大口の引き合いが発生してきている。しかし、生産量は増加の傾向にきているが、鋳物用原材料、副資材及び産廃処理費まで高騰し、企業経営を大きく圧迫してきている。このような状況から、業界をあげて、値戻し、値上げにユーザーの理解を求める運動を展開している。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 
各指標に著しい変化は生じていない。当工業団地内の組合員企業においては、前年同月比で売上の増加及び操業度が上昇している。但し、ここ数ヶ月間の傾向として、資材(特に鋼材及び鉄等)の仕入価格が上昇する傾向にあるが、販売価格に反映されず、収益面を圧迫する可能性が生じてきている。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
 
仕入材料の高騰が続くと予想される。業界に必要な免許保持者の確保が困難である。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
県内業界では、建設機械、繊維機械、工作機械など県内主要企業が多忙を極めている。下請企業も多忙であり、人材不足もあり残業で対処しているところもある。人材不足であっても、景気の変動があり新規に人材を採用するまでの余裕は無い状況である。設備投資についても同様である。いづれにしても長期的に景気回復が見込めるかは不明であり、人員・設備とも現時点では流動的である。
 
*機械器具製造業(工場団地)
 
忙しいとは言うものの、利益につながらない忙しさが続いている。雇用面で、多少増加がみられる。

*機械器具製造業(繊維・一般機械製造業)
 
当組合の主要得意先である繊維機械メーカー向けの部品加工は少しダウンしているが、建設機械、工作機械など、他の業界向けが増えてきているため、各企業ともそこそこの仕事量を確保している。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 
決算月を控えた第4四半期を迎えるに、3月まで鍛圧機械関連業種の仕事量はピークを迎える。また海外向けを中心に、引き続き発注は堅調で、平成16年度第1四半期までの操業度は確保できる見込みである。しかし、発注から納入までのリードタイムが短くなり、一方で材料の入手が困難になりつつある側面があり、これらの対応が課題となっている。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 
受注単価が下がってきているため、仕事量の割には売上高・利益ともに上がらない。建設機械や工作機械関連は、前年同月比で大きく伸びているが、繊維機械関連が落ち込んでいるので、総合的には、同レベルで推移していると思われる。


*その他製造業(漆器製造業)
 
近代漆器は、正月用商品の需要期であり期待をしていたが、特に明るい材料が無かった。一部の業者では、12月末までの商品の出荷に追われていたところがあったが、正月用商品のオーダーも、大量に出荷していた重箱等が少なくなり、少数多目的と収益の上がらない商品へと変化している。伝統的漆器は、正月用商品は12月は前月を多少上回っている。しかし、近代漆器と同様に、少数多目的商品の注文が多くなり、収益も上がらない。前年同月に比べ、近代漆器よりダウン率は低いが、廉価な輸入品の影響による産地での生産の減少は依然として続いている。

非製造業

*卸売業(原糸織物卸)
 
組合で、資金の転貸を行っても殆ど需要がない。総合的にみて、「好転」「悪化」という話は聞かない。

*卸売業(水産物卸)
 
売上高がやや増加しているものの、売上量の会計がまだ不明確なので、販売価格単価との関係は、今のところ断定できない。
     
*卸売業(電設資材卸)
 
住宅関連は、住宅ローン税制対策の関係で12月に竣工入居があり、まずまずの荷動きであった。一応昨年並みの数字は確保できたように思われる。箱物(ビル、工場等)は、金沢大学、二十一世紀美術館、金澤消防本部等、着工したばかりで数字にはならず、その他はほとんどなかった。今年全体としては、前半の減を後半でカバーできず、前年割れがほとんどで苦戦している。官公庁の仕事がないと、売り上げ増は見込めない。
     
*小売業(石油販売業)
 
ガソリン小売価格は低値で低迷し、厳しい経営状況は変わらない。中旬以降ようやく寒波の到来があり、灯油の需要やタイヤ交換等で年末商戦らしくなった。

*小売業(電器小売業)
 15年11月の出荷金額は当初見込みを大幅に下回り、総ルート伸び81%、地域店伸び87%、量販店ルート伸び77%と最悪の状況であった。12月に入っても伸び悩みの傾向は続いており、暖冬による冬物商品は全滅、RA・冷蔵庫・白物家電品も伸び悩みが継続している。唯一好調なデジタル関連機器も全体を大幅に持ち上げる力にはなっていない。残念ながら年末商戦の最重点月である12月も地域店伸びは95%と前年を下回った。
     
*小売業(青果食品小売業)
 
年末需要で青果物全体的に前月より高値で推移したが、前年と比較すると全体的に安値であった。正月飾り用品販売も年々減少気味であり、金沢の伝統が失われつつあるように思われる。
     
*小売業(衣料販売業)
 
冬将軍(積雪)を期待できず、暖冬及び大型店の年末商戦も激しさが増し、大変厳しい状況下で資金繰りの影響は大であった。(前年同月比91.5%)

*小売業(鮮魚販売業)
 
お歳暮贈答用の商品の動きがあまり良くない。正月は2日から営業する量販店、スーパーが多くなり、年末商戦の盛り上がりに欠ける。買い控え傾向が強い。降雪もなく、足場が良いため、人出が大型店に集中したようで、小売店(個店)としてはあまり良くなかった。

*小売業(土産販売業)
 
売上高は、前年の大河ドラマの影響と比べ、落ち着いた感がある。

*小売業(共同店舗)
 
売上高は、予算比95.8%、前年比96.8%であった。全体的には、やはり客単価の低下の要因が傾向的に続いている。業種別では、ファッション92.8%、服飾95.2%、生活雑貨99.9%、食品102.9%、飲食99%、サービス91.1%であった。

*商店街(近江町)
 
売上高は前年同月比で微増となった。又商店街再整備事業も一歩前進し、「安心」「安全」に徹している。
 
*商店街(横安江町)
 
年末にきて、来街者の増加があった。各店舗における年末装飾は好評であった。
 
*商店街(尾張町)
 
景気低迷の底を打った感じはするようだ。これ以上悪くはならないし、これからは上向きになるだろうという手ごたえを感じる。当商店街は、固定客が多いので、景気の影響を受けにくいが、それでも今までの低迷は好ましくなかったが、少し賑わい、活気を感じられ、明るくなりそうではあるが、組合員間にバラつきがある。
 
*サービス業(温泉旅館業)
 
忘年会需要については、昨年並みに推移した。他業種の景況感がもう少し出てくると、国内観光需要が伸びてくると思われる。
 
*サービス業(自動車整備業)
 
継続検査対象車両数は、前年同月比3%増、前月比では13.0%減、新規登録車は前年同月比5.2%減、前月比では16.3%減で推移している。

*サービス業(クリーニング業)
 
前年同月比10%増であった。一般クリーニングは20%減少であったが、ホテル、旅館関係が20%以上の増加が見られた。一般クリーニングの女物スーツ等が年々少なくなっている。家庭で洗える品物(トレーナー、ポリエステル製品)が増えている。
 
*建設業(総合建設業)
 
建設工事の受注高は、前年同月比で6.5%の減となり、最近3ヶ月は昨年並となっている。民間土木は76.2%の増、民間建築は12.9%の減となり、民間としては5.6%の増となった。しかし、公共土木は0.1%の減だが、公共建築は52.5%の大幅な減となった。最近大型の公共建築が少なくなっており、官公庁としては11.1%の減となった。

*建設業(鉄筋業)
 
地域及び組合員間でバラつきがあるものの、稼働率は70%〜80%で推移している。建設業者からの見積も少なく、先行き不透明である。

*建設業(板金業)
 
冬期に向って厳しい状況中ではあるが、やや仕事量が増加していると思われる。
     
*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
地元建機メーカーが好調に出荷量を確保しているようで、関連会社も好調に推移しているようで、輸送需要も堅調に増加したようである。組合の売上も今期最高値となり、軽油、高速別納、冬季用品等の販売量が増加したが、組合員にとっては経費が増加発生した分、収受運賃は増加していないのが現状で、まだまだ潤ってきたとは言いがたいようである。

*運輸業(タクシー業・金沢市)
 
売上高は悪化の歯止めがきかず、特に大河ドラマの後での観光客離れが著しく思われる。又、流し運転の事業者に対しても、お客の低価格提示による選別乗車が横行しつつあり、運賃料金の認可方式の形骸化が危惧されています。前年同月比で、乗車率0.54%の低迷で収入面で95%、輸送回数で90.5%、収入面で5%の落ち込みであった。
     
*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 10月・11月の2ヶ月は比較的好調であったので、年末の盛り上がりを期待していたが、当月は前年同月並であり、期待をやや裏切られた感じである。荷受先は年末であっても、通常月同様在庫とならない最低の量しか仕入しない状況である。先行きの景況も一進一退が続くと思われる。


【HOME】 【前目次】