県内の情報連絡員報告(11月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 
出荷量は、前月比微増であったが、前年同月比ではかなりの減少となった。1月からの累計でも前年を下回っている。

*食料品製造業(菓子製造業)
 
冷夏の影響により餅米が不足となり、価格が高騰したため餅関連業界は痛手をうけたと思われる。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
  
業況は、持ち直し傾向が一部ではみられるが、全体的には悪化又は不変状態である。各企業においては改善できる点は既に改善しており、差別化商品とコスト競争力が課題となっている。過去のような特需を生み出す製品もなく、模索の状態が続いている。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 
売上は、全体では減少しているが、ナイロン織物に限っては増加している。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
  
長引く不況、消費の低迷、流通業界再編による売場面積、店舗数の減少、在庫調整、利益率の高い輸入織物商品のウエイトが益々高まるなど様々な要因により、操業度の低下、採算性の悪化が深刻化し、大変厳しい状況で推移している。インテリアカーテン、天然繊維複合織物などトレンド商品分野で好調なものも一部でみられ、中国市場の開拓を推進している。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 
全般的に設備減少が進むなかで、若干加工スペースが確保されつつあるが、企業間の二極化が加速し格差が生じている。また、小ロット化が定着するなか、人手が必要な加工状況も増えており管理体制面の対応に苦慮している。採算面は、依然として低迷しており厳しい状況となっている。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
  
依然として生産の落ち込みが続いている。我々の業界では一般消費の拡大が生じない限り需要拡大は望めない。

*木材・木製品製造業(能登地区)
 
杉材は、依然として低価格での取引となっている。档材は動きが鈍く、特に造作材として使用されなくなっている。

*木材・木製品製造業(金沢地区)
  
売上は、前月に引き続き非常に好調であった。優遇税制の期限が迫っており、また金利の先高感による需要と思われるが、依然として需要に陰りがみえず予想外の展開となっている。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 
出荷量は、対前年同月比生コン向け5.2%減少となったが、アスコン向け23.6%増加となり全体では1.4%増加となった。特需による出荷が終盤に入り半減するなか、アスコン用骨材の出荷が支えとなっている。

*窯業・土石製品製造業(陶磁器製造)
  
業況の回復に向け、商品開発等に取り組んでいる。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 
出荷状況は、前年同月比やや微増となった。これは前年の出荷量が一時的に減少していたためであり、数量的には前月より減少している。4月からの累計では前年同期に比べ約0.6%の減少にとどまっているが、下期の需要動向から今後下降傾向が続くものと思われる。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
  
地元公共建築に他産地の製品が進出しており、業界の景況を圧迫している。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 
業界の景況は、比較的安定した状況で推移している。しかし、発注単価が厳しく、しかも鋳物用原材料及び副資材の値上げが相次ぎ、厳しい経営が強いられている。日本鋳物工業会では、このような深刻な状況下、マスコミ等を通じ製品価格の見直しを強く要求しており、組合としても個別に交渉を進めている。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
  
前期より収益面は改善するものと思われる。但し、各企業間格差がより一層顕著になってきている。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
 
売上は増加したが、仕入材料高騰のため利益に結びつかない。労働時間は増加傾向にあるが、従業員の採用については過去のリストラ等の経緯もあり躊躇している。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
  
工作機械、繊維機械、建設機械、ベアリング業界は繁忙期を迎えている。今後EU、中国等海外での販促が期待される。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 
鍛圧機械関連は、自動車関連設備の需要により、引き続き受注は堅調である。特に中国向の設備需要が多い。したがって、組合員企業など操業度は高く、一部納期調整しながら対応している。

*機械器具製造業(鉄工団地)
  
繊維機械関連は、安定した受注量となっているが、仕様の変化が大きい。納期等の対策もされており大きくバランスを崩すことはないように思われる。建機関連は非常に多忙であり、生産能力の向上に躍起になっている。増産対応として、要員を派遣会社から調達しているため、正規社員の採用がなかなか増えない状況となっている。

*その他製造業(漆器製造業)
 
近代漆器については、百貨店・ギフト市場への出荷の減少が続いているが、今期は正月用商品の需要増に期待していたが、特注等の明るい材料が無かった。依然として廉価な輸入品の増加により価格の低下と産地での落ち込みが続いている。伝統的な漆器は、一応正月用商品の需要期であるが、前年同月比で多少の減少であるが、近代漆器に比べダウン率は低い。但し、廉価な輸入品の影響による産地での生産は依然として減少が続いている。

非製造業

*卸売業(電設資材卸売業)
  
住宅税制対策により駆け込み需要が続いており、12月までは住宅関連商品の売上を確保できそうである。しかし、工場関連の需要は伸びていない。単一業種では不況対策を行い難いため、電気工事業、電材卸業、メーカーの三位一体の需要開発が望まれる。

*小売業(石油販売業)
 
ガソリン小売価格は、セルフ店を中心に軟化し全国でも最安値地区といわれており、厳しい経営状況が続いている。灯油についても寒波の到来はなく商戦の盛り上がりにつながらない。

*小売業(衣料販売業)
  
一部の景気回復兆しとは裏腹に、11月度の平均気温が23℃と高く、防寒商品は不振であった。(前年比94.5%)

*小売業(電器小売業)
 
各社地域店の合展が開催された。実績は昨年比増のメーカーと減のメーカーがあり、明暗を分けた。したがって地域店売上高は前年並みに終わった。商品別では、好調なPDP、液晶等の大型CTV、DVD等のデジタル関連商品の好調な動きは続いているものの、暖房器具、白物家電品が極端に悪く、全体の伸びに至っていない。

*小売業(鮮魚販売業)
  
数量的には前年同月並みであるが、魚価安のため金額的には低下傾向であった。カニ漁が解禁になったが、地元産香箱ガニ等は最初の一週間を過ぎると型が極端に小さくなり、資源の減少を感じさせる。輪島では地元のイベントにカニが多く使われており、流通に微妙に影響している。

*小売業(土産販売業)
 
和菓子や加賀麩等の食品は順調に売上を伸ばしている。しかし、九谷焼、陶磁器等工芸品は売上不振となっている。

*小売業(共同店舗)
  
売上高は、予算比94 .9%、前年比102.3%と、まずまずの結果であった。例年と比較して温暖な日々が続いたことがプラスの要因として考えられる。カード会員特招会では前年比105.3%と好調であった。業種別では、ファッション103.9%、服飾109.5%、生活雑貨98.8%、食品105.4%、飲食102%、サービス96.3%であった。

*商店街(近江町)
 
アーケード改修、カニの解禁等により来街者が増加し、回遊性も見受けられた。

*商店街(横安江町)
  
連休は、来街者が多かった。衣料関係業種では、商品が冬物に変わり高齢の顧客の増加で忙しい店もあった。

*商店街(尾張町)
  10月までの秋の賑わいは11月を迎え少し落ち着いた感があり、観光客は来ているものの売上には結びつかず、固定客が売上を支えている状況となっている。現時点では昨年に比べ横ばいより若干上向きとなっている。

*サービス業(旅館・ホテル業)
  
11月末に老舗旅館が自己破産するなど、本年度5件の旅館・ホテルが破産若しくは廃業している。宿泊業界にとっては、厳しい環境である。

*サービス業(温泉旅館業)
 
秋等シーズンだからといって、お客様が来てくれるという状況はなくなってきている。地域、施設の個性を磨き、地域の個性・魅力を演出することが求められている。

*サービス業(自動車整備業)
  
継続検査対象車両数は、前年同月比1%増、前月比では7.2%減、新規登録車は前年同月比3%減、前月比では2.6%減で推移している。

*サービス業(クリーニング業)
 
売上は、昨年比3%の増加となった。ホテル、旅館からの仕事量が多く収益状況も若干好転したが、一般のクリーニングは減少となった。

*建設業(総合建設業)
  
受注高は、前年同月比0.4%減となった。民間工事では、土木5.4%減、建築53.8%増、全体では34%の増となった。官公庁工事では、土木5.2%減、建築17.7%減となり、全体では9.4%の減となった。業界の景況は厳しく、役員企業が1社倒産となった。

*建設業(鉄筋業)
 
組合員間で格差はあるものの、稼働率は80%で推移している。業者からの見積依頼が減少している。

*建設業(板金業)
  
やや仕事量は増加しているが、今後冬季に向かって大幅な受注減少が予想される。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
前月に引き続き売上が前年同月比を上回っている組合員が多かった。運賃は、依然として低下したままの横ばいであるが、関東方面の運賃に関してはやや回復傾向がみられる。これまで人員及び車両をギリギリまで減らしており、車両のやりくりが大変であるが、売上の増加は一過性のものと思われるため設備、人員の増加に踏み切れない。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
  
輸送需要は前月同様好調なようである。燃料の値上げも何とか収まっているが、収受運賃は伸びずに、非常に効率の悪い運行状態が引き続いているが、今後も出荷荷物が減らないことを期待したい。

*運輸業(タクシー業・金沢市)
 
タクシー利用客の減少傾向に歯止めがかからず、総走行キロ、実車キロともに落ち込みが厳しく、前年比では実車率98.1%、売上は86.8%であった。原因は駅、公園等の利用客の著しい落ち込みによるものと思われる。規制緩和による過当競争、安価な運送が日常的に行われており、今後利用客とのトラブル、高齢化による事故の増加等問題の発生が危惧される。


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