県内の情報連絡員報告(10月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 出荷量は、前月比前年同月比ともにやや減少した。これで今年に入り9ヶ月連続で前年同月の水準を下回っており、業容は厳しい状況にある。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 売上は、前年比70%を下回った。依然として厳しい状況が続いており、先行き不安感がさらに増し、深刻となっている。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 長引く不況、消費の低迷、流通業界再編による売場面積、店舗数の減少、在庫調整、利益率の高い輸入織物商品のウエイトが益々高まるなど様々な要因により、操業度の低下、採算性の悪化が深刻化し、大変厳しい状況で推移している。インテリアカーテン、天然繊維複合織物などトレンド商品分野で好調なものも一部でみられ、中国市場の開拓を推進している。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 国内市場では、安物と高級商品がはっきりと区分され、安物商品の生産はすべて中国へシフトされた。ストレッチ織物分野では一部に受注の安定感が見受けられていたが、円高の影響により輸出関連の大幅な見直しが余儀なくされ、先行きは厳しい。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 依然として生産の落ち込みが続いている。10月には市況回復が期待されていたが、現実は底這い状態が続いている。株式市況や円相場からみると日本経済全体が回復基調にあるといわれているが、当業界には反映されていない状態で、各企業の経営環境はかなり厳しい。

*木材・木製品製造業(家具製造業)
 業況は悪く、廃業となる組合員がでてきている。

*木材・木製品製造業(能登地区)
 出材量は増加したが価格の低迷により収益の増加につながらず、先行き不透明な状況となっている。

*木材・木製品製造業(金沢地区)
 売上は、前月に引き続き非常に好調であった。この状況は全国的なものであり約半年にわたり好調が続いている。しかし、年末以降の需要がみえない。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 出荷量は、対前年同月比アスコン向け13.5%増となったものの全体では4%減少となった。業界が一丸となり厳しい市況に対応すべく努めている。

*窯業・土石製品製造業(陶磁器製造)
 陶磁器業界内での産地表示や改正消費税等の諸問題への検討を進めている。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 出荷状況は、前月比では増加であるが、前年同月比約4%の減少となった。要因としては、前年同月はスポット的に出荷が多かったためと思われる。相変わらず金沢地区以外は減少傾向が強い。

*鉄鋼金属製造業(鉄工団地)
 業界の景況は、工作機械関連が特に好転している。

*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
 主要取引先の仏壇・仏具業界は、依然として業績の不振が続いており、前月同様特に変化はみられない。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 景気は上昇機運に転じてきたようで、鋳物生産も比較的順調に伸びてきており、前年対比20%近い伸びを示している。しかし、依然として発注単価は低く、また銑鉄・コークス等主材料の値上げにより厳しい経営が強いられている。日本鋳物工業会では、このような深刻な状況下、マスコミ等を通じ製品価格の見直しを強く要求している。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 業界の景況は厳しく、昨年から今年にかけて廃業した組合員に変わる新規加入者がなかなか見つからない。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
 操業度は上昇し、売上は伸びているが、材料仕入単価の高騰もあり収益率が悪くなっている。景気動向がつかめず設備投資ができない。雇用人員が不足している。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 業界全体では売上が4〜6月期と比べ12.2%増となり大幅な回復となった。来期予想でも大幅な受注増が見込まれており、回復期待感が伺える。海外では工作機械、繊維機械の販促が期待でき、景気は底を打った感があるが設備投資に拍車がかかるかどうかが今後の景気の判断材料となる。

*機械器具製造業(繊維・一般機械製造業)
 主要取引先である繊維機械メーカー向けの部品加工が2年前に復調してから現在まで高水準で推移していたが、今後は少しダウンする見込みである。繊維機械以外の業界からの受注は、夏以降堅調であるが納期、品質、価格ともに厳しさは一層強くなっている。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 鍛圧機械関連の業況は前月同様操業度は高く、来年3月まで続く見通しとなっている。当面は、仕事量の消化が課題となっている。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 小ロット、短納期、高品質のものを中心に仕事量は増加しているが、単純な加工は安いコストを求め中国等へ発注されている。建機関連では人手不足となっている。

*その他製造業(漆器製造業)
 近代漆器は、百貨店・ギフト市場への出荷減少が続いている。一時的に特注品の受注はあるが、廉価な輸入品の増加により価格の低下と生産の落ち込みに歯止めがかからず低迷状態から抜け出せない。
 伝統的漆器は、近代漆器よりは減少率が低い。
 消費地問屋の漆器取扱量が減少しており、今後販売ルートの再考が課題となっている。これから正月商品の需要を迎えるが先行きは不透明である。

非製造業

*卸売業(原糸織物卸売業)
 前年同月比特に変化は見られないが、絹織物は季節的にやや上昇傾向になることが予想される。

*卸売業(電設資材卸売業)
 建築基準法改正による新築戸建住宅の24時間常時換気設備設置義務に伴い、換気扇の需要が出てきており、従来の倍の需要が見込まれる。今後住宅用火災報知器の設置も義務付けられれば、これも大きな需要となる。しかし、市況は極めて悪く、年末の需要が心配される。

*小売業(石油販売業)
 ガソリンの小売価格は低迷、寒波の到来もなく灯油商戦も盛り上がりに欠ける等厳しい経営状況は変わらない。北海道での石油タンク火災により供給面での不安があったが、在庫は例年以上に確保されており特に影響はなかった。

*小売業(衣料販売業)
 穏やかな天気に恵まれ秋物商品が順調に推移し、前年並みの売上を確保することができた。依然として低価格志向が主流となっている。

*小売業(電器小売業)
 上期総ルート出荷伸びは98%。ルート別では地域店90%、量販店97%の減少となった。商品別では、デジタルハイビジョンテレビ109%、DVD188%、オーディオ115%、AV商品106%、全自動洗濯機106%、掃除機112%、電子レンジ114%、冷蔵庫102%、ルームエアコン98%であった。主力商品台数は伸びているものの、単価ダウン傾向が続いているため、金額面では前年割れとなった。今月の出荷は、総ルート90%、地域店80%、量販店95%であり特に地域店の落ち込みが大きい。地域店の不振が長期化しており経営悪化が深刻化するなかで、運転資金の貸し渋り等が心配される。

*小売業(土産販売業)
 売上は、土日祝日は例年並みであるが、平日が大きく減少している。

*小売業(共同店舗)
 売上高は、予算比94 %、前年比102%と、まずまずの結果であった。販促企画は、前年実績の効果があったものに加え、今年の新規企画を入れて対応しているが、必ずしも期待した結果とならないのが現状である。業種別では、ファッション105.5%、服飾110.1%、生活雑貨99.8%、食品101.2%、飲食99.7%、サービス74.2%であった。

*商店街(近江町)
 秋の行楽シーズンの影響もあり市場内は賑わいがあり、売上は増加した。

*商店街(横安江町)
 秋祭りの実施により来街者が増加した。歩行者調査では、昨年比平日15%、休日10%の増加であった。

*商店街(尾張町)
 10月はイベントが多く、観光客もそれに合わせ来街し、月末の金沢ナイトウォークは毎晩数百人規模であった。

*サービス業(温泉旅館業)
 前月の好況は続かなかった。早く地域の魅力が感じられるよう努めるとともにDMにより忘新年会シーズンの利用拡大を図っている。中小企業者が安心して活動するためには金融機関との連携が重要であり、そのための効果的施策が望まれる。

*サービス業(自動車整備業)
 継続検査対象車両数は、前年同月比4.2%増、前月比では5.8%減、新規登録車は前年同月比10.7%減、前月比では21.2%減で推移している。

*サービス業(クリーニング業)
 春の繁忙期に比べると衣料点数は少ないが、夏物衣料が出てくる時期であり、前年並みの売上となった。

*建設業(総合建設業)
 受注高は、前年同月比3%の減となった。民間工事では、土木3.1%増、建築75.3%増、全体では61.1%の増となった。官公庁工事では、土木16.1%減、建築39.7%減となり、全体では22%の減となった。

*建設業(鉄筋業)
 組合員間で格差はあるが、受注量は少なく、稼働率は80%となっている。

*建設業(板金業)
 仕事量は増加しているが、新築工事物件が少なく、補修工事がほとんどである。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 売上は多少増加したとする組合員が多かった。これまで人員及び車両をギリギリまで減らしており、車両のやりくりが大変であるが、売上の増加は一過性のものと思われるため設備、人員の増加に踏み切れない。運賃は、依然として低価格での横ばいであり、価格回復が望まれる。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 前月同様好調な荷動きであり、好況感のある月であった。地元建機メーカーは11月も相当の出荷台数が見込まれており、建設関連運送業者は引き続き稼働率が好調と予想されるが、大半は除雪関連建機であり12月以降は出荷台数が減少するようである。

*運輸業(タクシー業・金沢市)
 昨年は、大河ドラマ「利家とまつ」の影響で一昨年実績を維持できたが、本年は特にこの期の落ち込みが著しい。


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