県内の情報連絡員報告(9月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 
出荷量は、前月比、前年同月比ともにやや減少した。今年度の累計出荷量もかなりのマイナスで推移している。

*食料品製造業(菓子製造業)
 
例年と比べ、今年の夏の低温、9月前半の高温は菓子業界の流れが変わった感がある。個人消費は相変わらず低く苦しいように思われる。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 
先行き予測困難ではあるが、引き続き小ロット生産依頼がやや増加傾向にあり、切り替え等の作業が多く、経営者の作業ウェイトが高い。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 
長引く不況、消費の低迷、流通業界再編による売場面積・店舗数の減少、在庫調整、利益率の高い輸入織物商品のウエイトの拡大等様々な要因により、操業度の低下、採算性の悪化が進み、厳しい状況となっている。インテリアカーテン、天然繊維複合織物などトレンド商品分野で好調なものも一部でみられる。

*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
 
ファッション衣料向けは引き続き厳しい状況に変わりないものの、スポーツ衣料向けが上向きに転じている。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 
9月には生産回復が待たれたが、8月以降の大幅な落ち込みが継続している。

木材・木製品製造業(金沢地区)
 
9月度売上は、前月に続き好調に推移した。只、今迄程の勢いは無く徐々に需要が減りつつある。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 
出荷量は、対前年同月比生コン向け13.8%増、アスコン向け27%減、全体では6.7%の増加となった。4月〜9月の上半期では、生コン向け2.5%、アスコン向け16.4%、全体では4.4%といずれも増加となった。

*窯業・土石製品製造業(陶磁器製造)
 
前年同月に比べ、贈答品等においても低調であった。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 
出荷状況は、前年同月に比べ横ばいで、低水準となっている。数量では、前月よりも増となっているが、金沢地区の下支えによるもので、羽咋地区では相変わらず出荷は低迷し、目新しい物件の発注もない状況が続いている。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 
9月に入って天候が良くなり、葺替工事が順調に出来たため、出荷量が多くなった。

*鉄鋼金属製造業(鉄工団地)
 
国内市場も海外市場も好転しており、益々人手不足が強く感じられるようになっている。
     
*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 
業種の格差はあるものの、活況の兆しが見え始めてきたようである。当業界も昨年下期より右肩上がりの生産が続いており、前年対比10%強の生産増を示している。しかし、主材、副資材等々の値上げ攻勢に会い、厳しい経営を強いられてきている。一方、この実状を踏まえ、鋳物単価の見直しをユーザに要求したもののその反応は低く、下げ止まりに歯止めがかかった程度で推移している。今後、より一層の攻勢を掛けて行きたい。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 
前月同様各指標に変化は見られない。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
 
操業の上昇に伴う雇用人員の不足に苦慮している。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
工作機械・繊維機械・建設機械メーカー・下請け企業とも多忙である。しかし、材料費の高騰や親会社からの原価低減要請、人員増加できない為に残業での(受注増加対応)人件費増加など、加えて仕事増による運転資金の不足など、明るい面だけではない状況であった。

*機械器具製造業(工場団地)
 
利益には現れていないが、多忙状態にある。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 
鍛圧機械関連の操業度は、前月に引き続き高く、この状況は、'04年2月頃まで継続する見込み。全般的に景気高揚の傾向にあり、短納期に対応するためには、素材関係の入手困難の情報も聞かれる。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 
設備投資がらみの工作機械、設備プラン及びその周辺装置など幅広く出てきている。生産水準は間違いなく上昇しており、操業度もアップしているが、受注単価は低迷したままであり、また、先行きに対する見通しがまだはっきりしたとは云えず、生産増強への対応(設備増強や人員増など)は慎重にならざるを得ない。

*その他製造業(漆器製造業)
 
売上は、ギフト市場の低迷で極端な現象状況が続いている。加えてプラスチックより廉価な輸入品の増加により木製製品市場で錯誤し、産地での生産が極端に落ち込み、低迷状態から抜け出すことが出来ない。伝統的な漆器は少し持ち直したというが、廉価な輸入品も含めての増加で、産地での生産が依然として大幅に減少している。特に現在社会での漆器離れと廉価な輸入品との構造的な問題が錯誤しており、抜本的施策が必要である。

非製造業

*卸売業(原糸織物卸売業)
 
ここ一ヶ月余り、生糸が30%余上昇する。価格に原糸の高騰が転嫁できず、採算は悪化しているが、時期、在庫の消化状況から、解決も時間の問題と思われる。

*卸売業(水産物卸売業)
 
水産物の需要減退と思われる。昨年は、大河ドラマの効果があったように思われ、やや改善したが、売上額は、毎年減少を続けている。

*卸売業(電設資材卸売業)
 
大型の箱物(ビル関連)が全くなく前月に引き続き大苦戦の状況である。しかしながら設計事務所の動き、見積もり等の件数など少しだけ明るさも感じられるが、特に良くなったとは思われない。住宅着工も横ばい状態である。これから年末にかけて住宅着工件数の伸びが無ければ大変な年に成りうる。

*小売業(石油販売業)
 
大部分では仕切り上昇分を吸収したが、過去の取り残し分まで及ばず依然として厳しい経営状況である。

*小売業(衣料販売業)
 
天候不順で秋物衣料の動きは中旬まで鈍く、不振であったが、下旬よりようやく動き始めた。

*小売業(電器小売業)
 
総ルート出荷伸びは110%。ルート別では量販117%、地域店83%と地域店ルートでの大幅ダウンが目立つ。総ルートに於ける商品別出荷では、RA140%(+150台)冷蔵庫116%(+430台)DVD200%(+1,080台)と大幅に前年を上回る商品もあるがRAのように前年の台数もベースが小さく、暑さが後半にずれ込んだ需要増と見ても台数としての増はわずか。デジタル関連機器に得意な量販店が前年を上回り、これらに不得意な地域店が需要に十分対応出来なかった模様。夏場商戦に於ける冷夏が大きく影響し、総ルートでの伸びは98%見込みで、地域店ルートでの伸びは88〜89%見込みであった。

*小売業(鮮魚販売業)
 
改正消費税法により、今迄税を免除されていた3,000万円以下の売り上げの小売業者が、今度上限1,000万円までとなり、かなりの組合員が新法に該当することになる。それにより、今迄の売り方(売価の設定方法)を変えねばならず、消費税分をしっかりよけておくことができるか不安視する向きが多い。

*小売業(土産販売業)
 
八尾風の盆の時期に、当地も観光客が増えるが、今年は例年より少なかった。

*小売業(共同店舗)
 
売上高は、予算比94.7%、前年比99.8%と、もう一歩という結果であった。気候的な要因は中旬までマイナスの部分が大きかった。併設大型店(キーテナント)が開催したセールも、専門店側としては期待はずれの感が大きかった。業種別では、ファッション95.6%、服飾114.8%、生活雑貨95.7%、食品95.8%、飲食97.0%、サービス92.5%%であった。

*商店街(近江町)
 
来街者の減少が目立ち、売上額も軒並み減少傾向にあり、10月は賑わい創出事業を実施し、活性化を図りたい。

*商店街(横安江町)
 
一部、秋物衣料品が出回り、商店街に来街者の増加がみられる。引き続き10月初旬より、「むさし山海まつり」が実施されるが、来街者の増加を期待したい。

*商店街(尾張町)
 
大きな売上増はないものの、確実・着実なベースはこの景況にあっても保たれている。

*サービス業(温泉旅館業)
 
SARSによる海外旅行の出控えなのか、夏休み利用は、対前年比102%(利用人員ベース)の増であった。資金繰りから早く脱却し、本来の営業活動に精を出したいところである。

*サービス業(自動車整備業)
 
継続検査対象車両数は、前年同月比5.2%増、前月比では42.7%増、新規登録車は前年同月比2.5%増、前月比では66.7%増で推移している。

*サービス業(クリーニング業)
 
売上は、前年比4%増である。冷夏に続く残暑で9月はパッとせず、需要状況はあまり良くなかった。お祭り用のハッピや浴衣、カビが付いた衣類が多かった。

*建設業(総合建設業)
 
受注高は、前年同月比5.2%の微増となった。民間工事では、土木19.2%増、建築37.9%増、全体では35.1%の増となった。官公庁工事では、土木16.1%増、建築48.1%減となり、全体では4.7%の減となった。

*建設業(鉄筋業)
 
稼働率80%、受注量も減少し、資金繰りも厳しい状況である。

*建設業(板金業)
 
ファインスチール(外壁工事等)工事物件が少々増加している。又、イベント開催で今後の受注拡大に期待している。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
売上及び収益が前年同月比多少増加したと回答する組合員が散見される反面、減少したとする組合員もあり総じて前年並みであった。首都圏において10月1日より排ガス規制が実施されるが、同地区へ乗り入れする車両について対策未済の車両を抱える組合員もあり、その対応に苦慮している。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
地元建設機械、車体メーカーの好調な稼動により、関連運送業者の輸送量も含め、半期決算の絡み、米の出荷等によりトラックの足りない日々が続いていたが、荷主の出荷要請にあわせて返路荷物も取らずに片道運行しかできない様な状態が続き、ただでさえ収受運賃が低いなか運行効率の悪さが拍車をかけ、業者を圧迫し、ただ忙しく動かされた気配があった。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 
金沢地区タクシー輸送実績は、速報値で実車率前年同月比8.8%減となり、7ヶ月連続前年実績を割り込んだ。収入は今年3月をピークに下げ幅が徐々に広がりつつある。その一方で走行キロ、実車キロは昨年末から伸びの傾向にある。割引運賃や値下げ運賃を導入した事業者は実績が良好であり、導入していない事業者の落ち込みが大きく、平均実績を下げているという声もある。来年6月から運転代行自動車の運転に2種免許取得が法的に義務付けられることを受け、2種免許所持者を使用するタクシー会社は、本格参入の好機とみて、多様なサービスを始めており、過当競争が懸念される。


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