県内の情報連絡員報告(8月)

製造業

*食料品製造業(パン製造業)
 猛暑でなかったことにより、売上の落ち込みはなかった。

*食料品製造業(醤油製造業)
 出荷量は、前月比増加したが、前年同月比では依然としてやや減少となっている。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 業界の景況は、例年とは比較にならないほど悪化しており、厳しい状況が続いている。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 長引く不況、消費の低迷、流通業界再編による売場面積・店舗数の減少、在庫調整、利益率の高い輸入織物商品のウエイトの拡大等様々な要因により、操業度の低下、採算性の悪化が進み、厳しい状況となっている。インテリアカーテン、天然繊維複合織物などトレンド商品分野で好調なものも一部でみられる。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 過剰債務体質と受注減少により廃業する組合員もでてきており、厳しい状況となっている。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 取引先、仕掛品種ごとに組合員企業の格差が拡大している。

*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
 小売、流通に購買意欲がなく、量的な動きが乏しいため、生産の方は年々閑散期間が伸びる傾向にある。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 8月は、前年同月と比較して大きな落ち込みとなっている。受注、生産、販売とも下降傾向にあったが今月は特に厳しく、今後の需要予測は極めて難しい。

木材・木製品製造業(家具製造業)
 景気低迷の影響により、廃業となる組合員もでてきている。

木材・木製品製造業(金沢地区)
 売上は、長期金利の上昇と住宅取得減税の引き締め等での駆け込み需要が発生し、7,8月の2ヶ月間で昨年の3ヶ月分の加工数を記録した。この需要は前倒しによるものであり、このままでは秋口後半から年末にかけての影響を警戒せざるを得ない。また、この状況は全国的なものであるため、木材の大半が通常以上の需要となり、メーカーは一斉値上げを唱えている。今後の動向に注意が必要となっている。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 出荷量は、対前年同月比生コン向け12.95%増、アスコン向け98.43%増、全体では23.84%の増加となった。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 出荷状況は、前年同月比微増となったが、4月からの累計では前年同期並みにとどまった。地区別では、金沢地区は横ばいであるが、能登地区は前月に続き低調に推移し、相変わらず厳しい状況にある。今後の見通しとして、昨年実績を下回ることが予想される。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 加賀地区の瓦製造関連組合が解散し、非常に厳しい状況となっている。

*鉄鋼金属製造業(鉄工団地)
 下請小企業でも選別受注をせざるを得ないほど多忙であり、人手不足が深刻となっている。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 本県鋳造業界の平成14年の年間生産量は、下期の好調に支えられ前年対比107%強の25,311tとなった。また、生産高は前年対比104%弱の4,167百万円であった。しかし、鋳造価格の値下げと副資材の値上げが相まって、経営を圧迫してきている。平成15年上半期は前年対比25%増となっているが、好調の要因がはっきりせず、先が見えない状況である。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 売上高は増加しており、収益状況においても改善の傾向にあると思われる。組合員企業の中には設備の更新・増設を計画しているところもでてきた。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
 材料の仕入価格上昇分を売上価格に上乗せすることが困難となっている。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 繊維機械、工作機械、建設機械どれも多忙であり、景気は好転傾向にあるようだ。しかし、残業によりコストは高く、また受注単価は安い。

*機械器具製造業(工場団地)
 組合員の中には、残業をしているところもあるが、雇用減少によるものと思われる。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 鍛圧機械の受注は、前月同様堅調に推移しており、年内は高操業度が続く見通しである。一部に生産設備能力の不足がみられ、供給先を拡大する動きもある。また組合員企業も部品単位からコンポーネント又はアセンブリ単位での受注が増大する傾向にある。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 8月は、稼動が少なく前月より低調。建機、工作機械は増加傾向、繊維機械は安定して推移している。仕事量はそこそこあるが、単価が切り下げられているため、売上高は上がりにくい状況となっている。

*その他製造業(漆器製造業)
 売上は、依然としてギフト市場は悪く、プラスチックを中心とした近代漆器が特に悪い。伝統的漆器は多少底入れした感がある。生活様式の変化により漆器ばなれが進んでいる状況であり需要の拡大は見込めず、別の用途の市場開拓を求めていくことが必要である。また、輸入品が依然として増加しており産地での生産が大幅に減少している。

非製造業

*卸売業(原糸織物卸売業)
 業界の景況は、正絹洋装関係はやや上向きであるが全体としては変化は見られない。

*卸売業(水産物卸売業)
 業況の悪化は、今に始まったことではないが、市場外流通の増大等流通形態の変化、市場間競争の激化、デフレ傾向の影響等によるものと思われます。

*卸売業(電設資材卸売業)
 季節商品であるエアコンの今シーズンの販売実績は、対前年50%以下、県全体で2,000台以下の販売と極めて悪い状況であった。アパート、マンション向けは悪くはないが、戸建市場は壊滅状態で残りの在庫が来年の価格低下に響きそうに思われる。組合員企業の販売状況も対前年90%を切っているところがほとんどで、景気の回復はまったく感じられない。

*小売業(石油販売業)
 販売量は、冷夏、台風等の影響により例年に比べ大幅に落ち込んだ。今月だけで4ヶ所のセルフ給油所がオープン、全部で42ヶ所となり全県の7.3%を占め、より一層の価格競争による厳しい経営を強いられている。

*小売業(衣料販売業)
 夏物衣料販売に期待したが、前月に引き続き冷夏となったため、残品処理に苦慮する結果となり、粗利益は極端に低く、資金繰りに影響が生じた。県内各地に大型店出展計画があり、さらに競争が激化すると思われる。

*小売業(電器小売業)
 冷夏の影響により、夏物商品の売上は伸びなかったが、PDP液晶等大型テレビ、DVDをはじめとするデジタル関連機器の動きは活発であった。7月に比べ売上が減少する8月においてAV関連機器の売上と旅館関係からの需要発生により売上の伸びは100%をキープできた。ルート別では、量販ルート100%、地域店ルート90%、その他ルート150%であった。地域店の低迷は相変わらず続いており、厳しい経営環境は変わらない。9月には各社合同展示、一斉個展等が計画されており、景気回復に伴う需要の回復に期待したい。

*小売業(鮮魚販売業)
 冷夏の影響で農作物の収穫に異変が見られるのと同様に、水産物の漁獲でも秋刀魚が10日以上も早く獲れだすなど中央市場に入荷する他県産の魚種や漁獲高に変化が見られた。

*小売業(土産販売業)
 前年と比べ、佃煮、海産物、珍味関連の売上の減少が大きい。

*小売業(共同店舗)
 売上高は、予算比100.2%、前年比105.4%と好調に推移した。冷夏の影響は、一部にみられるものの、全体的には旧盆の特別企画を中心に好調であった。業種別では、ファッション128.4%、服飾99.1%、生活雑貨101.3%、食品97.5%、飲食96.5%、サービス112.8%%であった。

*商店街(近江町)
 売上は増加となったが、その要因は帰省客によるものと思われる。冷夏のため、野菜、果物の価値が高くなっている。

*商店街(横安江町)
 8月前半は冷夏のため来街者は少なかったが、後半に入り気候が平年並みとなり来街は増加し、売上は前年並みとなった。

*商店街(尾張町)
 冷夏により季節商品は、大きな打撃を受けているようであるが、当商店街ではベーシックなものの販売が主であり打撃は少なかった。

*サービス業(温泉旅館業)
 業界の景況は悪く、大型旅館のほとんどが料金ダウンでしか特徴を出せない状況となっている。新しい企画、演出による誘客策が必要となっている。

*サービス業(旅館・ホテル業)
 夏季における予約状況は悪く、宿泊客の減少は宿泊業界全体に見られた。ホテル業界の宿泊費値下げは組合員に大きな影響を及ぼしており、本年度に入って3件(内8月2件)廃業する組合員もでている。

*サービス業(自動車整備業)
 継続検査対象車両数は、前年同月比5.4%増、前月比では32.4%減、新規登録車は前年同月比2.8%減、前月比では39.4%減で推移している。

*サービス業(クリーニング業)
 売上は、前年比5%減であり、冷夏の影響によるものか一般クリーニング、ホテル、旅館関係が少なかった。家庭で洗える衣類が多くなっており、クリーニング業界の大幅な伸びは期待できない状況にある。

*建設業(総合建設業)
 受注高は、前年同月比23.9%減となった。民間工事では、土木36.1%減、建築33.8%減、全体では34.2%の減となった。官公庁工事では、土木4.5%減、建築19.5%減となり、全体では23.9%の減となった。

*建設業(鉄筋業)
 受注量は全体的に少なく、稼働率70%となっている。指値が一向に改善されない。

*建設業(板金業)
 新築工事の受注は少ないが、リフォームが増加傾向にある。しかし、相変わらず低価格での受注であり厳しい状況となっている。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 売上高は、天候不順の影響もあり前年同月を下回った。景気は回復傾向にあるといわれているが、我々中小零細業者には全く感じられない。都市での排ガス規制やスピードリミッタ取り付け規制が目前に迫り、一段と大手業者の寡占になることが懸念される。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 前月より地元建機、車体メーカーが好調に稼動している。これに伴い、関連地元運送業者も受注は増加しており、夏期休暇返上でフル操業を行っているようであるが、収受運賃は下がり傾向にあり、状況は依然として厳しいようである。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 金沢地区タクシー輸送実績は、速報値で実車率87.4%、収入92.2%と依然として回復の兆しはない。例年2月8月は不況であるが今年はレジャー施設の利用も少なく一層深刻な状況となっている。県内タクシー運転者の平均年齢は55.8歳であり、若年者の就労は極めて少なく今後運転者不足等の問題が懸念される。


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