県内の情報連絡員報告(7月)

製造業

*食料品製造業(パン製造業)
 売上高は、昨年より涼しかったことにより極度な落ち込みを避けることができた。

*食料品製造業(醤油製造業)
 出荷量は、消費の低迷が大きく影響し前月比、前年同月比ともにかなりの減少となった。

*食料品製造業(菓子製造業)
 前年の「利家とまつ」の効果は大きく、売上高は前年比約15〜20%減となった。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 長引く不況、消費の低迷、流通業界再編による店舗数・売場面積の減少、在庫調整、利益率の高い輸入織物商品のウエイトが益々高まるなど様々な要因により、創業度の低下、採算性の悪化は深刻で、大変に厳しい状況で推移している。インテリアカーテン、天然繊維複合織物などトレンド商品分野で好調なものも一部でみられる。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 絹撚糸業は、西陣、丹後の縮小傾向により小松を中心に廃業者が見受けられる。合繊撚糸業は、小ロット生産により採算なき稼動状況となっている。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 売上高は、前年同月比大幅な落ち込みとなっている。受注、生産、販売とも下降しているが、この状況が継続するものと考えられる。今後もこの傾向が続けばかなり厳しい状況に追い込まれる組合員がでてくることが予想される。

*木材木製品製造業(金沢地区)
 売上は、長期金利の上昇と住宅取得減税の引き締め等による駆け込み需要により増加したと思われる。この需要は全国的にみてもプレカット工場稼働率110%と近年にない状況であり、当組合でも過去最高の月間5,200坪を達成することができ、8月も期待できる。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 出荷量は、対前年同月比生コン向け、アスコン向けともに減少し、全体で12.4%の落ち込みとなった。減少、低迷が続いている中、これを下支えしていた特需による出荷も秋までに終了し、大幅な需要減少が見込まれる。

*窯業・土石製品製造業(陶磁器製造)
 収益状況が悪化しており、その対応策として3カ年計画で業務用食器等の商品開発に取り組むこととなった。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 出荷状況は、前年同月比若干の減少、4月からの累計でも前年同期を下回った。金沢地区ではほぼ横ばいとなっているものの、他の地区は全体的に低調で前年同月水準を下回っている。特に能登地区では主体となる公共工事の減少がひびき厳しい状況が続いている。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 梅雨明けが例年より遅かったため、屋根工事の作業効率及び作業日数に悪影響を及ぼした。

*鉄鋼金属製造業(鉄工団地)
 各社ともに多忙であり、適材の人材がいれば中途でも採用したいほどであるが、販売価格は厳しい状況となっている。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 景況に大きな変化はなく、厳しい状況は続いている。生産量は前年比10〜15%増となったが、コークス・合金鉄等の副資材が値上がりしており、経営に一層の厳しさが増してきている。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
 建設機械の輸出好調により、設備操業や雇用状況が好転している。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 中国に端を発したSARS感染もほぼ終息し、世界のモノづくり工場として中国経済が躍動しだした。 組合員企業においても現地工場に技術者・営業マンが相次いで訪中し、経済活動の遅れをとりもどしている状況を垣間見ることができ、企業間の格差は依然としてあるものの、好況を維持している。 株価も一応底を打った感があり今後の動向が期待できる。

*機械器具製造業(繊維・一般機械製造業)
 主要取引先である繊維機械メーカーの生産は引き続き好調であり、年内は好調に推移する見通しである。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 鍛圧機械の受注は前月と同様に堅調に推移、月により多少の変動はあるが年内の操業度は確保できる。

*その他製造業(漆器製造業)
 業況は、ギフト市場の低下により悪化の一途をたどっている。多少好調であった輸入漆器も悪化している。伝統的漆器は底入れの感があるが急激な好転が望めない。

非製造業

*卸売業(電設資材卸)
 冷夏のため季節商品であるエアコンの動きが全くなく大苦戦の夏場となった。価格も量販店等の安売り攻勢で毎年下がり気味で手のうちようがない。業界としては現在自然冷媒給湯器、IHクッキング調理器等200V機器やオール電化住宅等の拡販に積極的に取り組んでおり早期普及を図っている。しかしながら、建設、住宅産業等関連業界の落ち込みは回復する様子もなく、まだまだ苦戦が続きそうに思われる。

*小売業(石油販売業)
 超安値価格から脱却したものの、仕入価格上昇分を吸収できていない業者が多いと思われる。全国的にみても超安値地域となり採算はかなり悪化している。 油漏れ事故の発生に伴い、今後設備の点検・処理費用が増大する懸念がある。

*小売業(衣料販売業)
 消費ムードが相変わらず悪いが異常気象の影響は比較的軽く、在庫を抱え込むことはなかった。

*小売業(電器小売業)
 夏物商品の出荷状況は、冷夏の影響で前年比エアコン59%、冷蔵庫77%と大幅に減少した。一般家電品も全自洗94%、掃除機96%と低調であった。一方、デジタルハイビジョン174%、DVD159%、MD113%等AV関連機器は相変わらず好調だが、市場全体を持ち上げる力にはならず、売上83%であった。地域店にとっては、一番売上を稼がなければならない月での売上ダウンは非常に厳しい。今後の猛暑到来による夏物商品の売上増に期待したい。

*小売業(鮮魚販売業)
 底引網禁漁のため地物は少なく、また梅雨の期間が長かったため「うなぎの蒲焼」等をはじめ総体的に売上が伸びなかった。

*小売業(土産販売業)
 売上高は、昨年よりは減少したが一昨年ほど悪くはない。

*小売業(共同店舗)
 売上高は、予算比92.5%、前年比98.3%と先月に引き続きわずかではあるが、前年割れとなった。業種別では、ファッション94.8%、服飾106.3%、生活雑貨98.0%、食品98.4%、飲食100.7%、サービス86.9%であった。

*商店街(近江町)
 昨年度の大河ドラマによる恩恵が改めて感じられるほど厳しい景況となっている。夏祭り等イベントを実施することにより、商店街の売上増加に結び付けたい。

*商店街(横安江町)
 冷夏のため夏物衣料が振るわず、8月の夏祭りを賑わいの起爆剤としたい。

*商店街(尾張町)
 梅雨明けが遅れた年であったが、季節商品の買い替えには特に影響はなかった。固定客の多い尾張町では大きな低下はないが、固定客の世代交代が目立つようになってきた。

*サービス業(温泉旅館業)
 観光客の入り込みは、昨年の大河ドラマの反動もあり、一層厳しい状況となっている。旅行客のニーズに応えるべく種々なキャンペーンを考えているものの、手応えを感じるまでには至っていない。

*サービス業(旅館・ホテル業)
 夏休みに入り、入込客の増加を期待していたが、金沢市全体での入込客が減少しており、昨年は利家とまつの効果があり特別としても一昨年ベースより悪い状況となった。また、大型ホテルの宿泊料金の低価格化による影響もある。

*サービス業(自動車整備業)
 継続検査対象車両数は、前年同月比1.7%増、前月比では9.0%増、新規登録車は前年同月比0.7%減、前月比では8.0%増で推移している。

*サービス業(クリーニング業)
 売上高は、ホテル旅館関係はあまりよくなかったが、一般客、老人ホーム及び病院関係が増え、前年比3%増となった。

*建設業(総合建設業)
 受注高は、前年同月比5.1%減となった。 民間工事では、土木22.5%増、建築13.8%増、全体では14.9%の減となった。 官公庁工事では、土木13.3%減、建築22.9%減となり、全体では5.1%の減となった。

*建設業(鉄筋業)
 各企業間に格差はあるが、組合員全体で前年比80%の稼働率であり、資金繰りが大変厳しい状況となっている。

*建設業(板金業)
 工事の受注は増加傾向にあるが、価格が折り合わず見送る状況となっている。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 業況は一進一退であり、売上高は前年同月を下回った。特に建設資材の運搬は季節的な要因もあるが待機している車両が目立った。今後も公共投資が削減されゆく情勢では、設備の縮小もありうる状況となっている。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 出荷量は、地元建設機械メーカーが好調に稼働している影響で徐々に増加しているところもあるが、全体的に見ると稼働率はそんなに増加していない。建設関連輸送は低迷しており、特にダンプ事業者の稼働率は悪く、全体的な状況は相変わらず厳しい。賞与支給の時期であるが、資金繰りが非常に厳しく、支給額も全体的にダウンの傾向にある。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 金沢地区の輸送実績は、10カ月連続で減少している。全般的に景況感が下降しているなかでフラットバスの利用が増大している。


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