県内の情報連絡員報告(6月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 5月の醤油出荷量は、前月比で増加したものの、前年同月比ではかなりの減少となった。

*食料品製造業(菓子製造業)
 昨年5月は特に大河ドラマ効果が大きかったとつくづく考えられる。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 やや持ち直し傾向が見られた。但し、業界全体を見ると二極化がかなり進行しており、このままの状態が続いた場合は深刻な事態になる。抜本的な改革等が必要ではなかろうか。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 長引く不況、消費の低迷、流通業界再編による売場面積・店舗数の減少、在庫調整、利益率の高い輸入織物・商品のウェイトを益々高めるなど様々な要因により、操業度の低下、採算性の悪化は深刻で大変厳しい状況で推移している。インテリアカーテン、天然繊維複合織物などトレンド商品分野で好調なものも一部で見られる。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 絹撚糸業においては、休廃業者が目立つ。事由として、第三国(主にベトナム)からの完成撚糸輸入の急増により受注の大幅な減少となっている。

*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
 一部回復基調の企業もある。全体的にみれば、引き合いの強いアイテムもあるもの、値下げ要請が強く引き続き厳しい環境に変わりはない。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 当組合全体の前年同月と比較して、大幅な落ち込みとなっている。過去、受注・生産・販売とも下降線を辿っているが、一部には、仕事量確保にかなり厳しい状況の組合員もおり、当面はこの厳しい状況が継続すると考えられる。

*木材木製品製造業(木材製造業)
 6月度売上は、前年比横這い、需要が多少回復の兆しが見えてきたように思われる。一部商品に値上がりも見え、このまま行けば来月は期待できるかもしれない。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 6月の組合取扱い出荷量は対前年同月比アスコン向けで14,0%増加となったものの、生コン向けで3,1%減少となり、全体量では1,1%の減少となった。4〜6月の第1四半期では対前年同期との比較では、全体量で7,3%とわずかに増加となった。

*窯業・土石製品製造業(陶磁器製造)
 売上の伸び悩みが深刻さを増している。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 県内生コンクリートの出荷状況は、6月末現在で前年同月の水準(横這い)まで持ち直したが、能登地区では前年実績を下回る等、相変わらず低調に推移している状況である。全体的には公共工事を中心とする建設工事の端境期が影響している。今後の建設工事発注の状況を見守りたい。又、今後も厳しく減少(出荷)傾向であり、各会社では生コン工場の集約化を進めており、金沢地区では、6月末で2社2工場を1工場廃止し、2社1工場の集約をし、生産の合理化を実行した。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 産廃処理費が多くなり、収益状況が悪化している。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
 全体的に多忙感が出て来た。作業人員も不足との事で、派遣業者に依頼するところも出て来た。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 景況に変化はなく、厳しい状況は続いている。しかも、SARA不況も響いて風評は下がるばかりである。ただ、生産量は前年対比で20〜30%増で推移してきているが、今後の見通しは楽観できない。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 当月に入り、当工業団地の従業員数の調査をしたところ、前年に比して40名程度減少している結果が分かった。自主廃業した2社が半数を占めているが、数社においては4〜5名の人員減を行っており、現在の景況の厳しさを実感している。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
 輸出は、米国向けは上昇中。中国向けは低下の一途。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 設備投資面では、県鉄工機電協会が募集している「延払による機械設備貸与制度」の前年度に比較して大幅な伸びを示している。本年度第1次決定額:10社13台246,820千円、昨年度第1次決定額:2社2台16,852千円で仕事が上向いてきた証拠であると見られる。県鉄工機電協会の平成15年4〜6月期DI調査結果によると、前期と比較して若干の売上高DIが好転しており、来期においても採算が好転傾向にあることがわかる。企業経営上の悩みは、受注不安定・採算悪化・競争激化・人材不足・資金繰りが苦しい順番となっており、DIが中間集計であっても、この傾向は変わらないと思われる。新聞紙上でWHOがSARSの制圧宣言があったとのことであるが、世界の工場である中国の動向が今後懸念される。いずれにしても、今一番の関心事は「先行き成治・経済とも五里霧中状態」で日本丸は迷走状態と言えるのではないか。下請企業の動向が定まらないのが心配である。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 鍛圧機械の受注は堅調に推移し、下期(10月以降の第3四半期)の仕事量も見通しがついてきた。但し、価格レベルは依然として厳しい。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 繊維機械の高水準生産が続いており、設備操業度は安定している。生産効率向上のため、工程管理や日程管理などが重視されるようになってきた。これも厳しいコストへの要求に応えるものであろう。

非製造業

*卸売業(電設資材卸)
 住宅着工、非住宅着工ともに前年比が二桁ダウンの中では、予定の売上も収益も確保できない状況です。非住宅分野の箱物と言われるビル・工場等がほとんど無く苦戦が続くようです。いずれも先行き良い話が見通しは暗闇です。そんな中では、在庫の圧縮や配送などの見直し等、経営バランスをどう取るか経営者の手腕にかかっています。

*小売業(石油販売業)
 セルフSSオープンに伴う低価格販売がオープンセール後も改まらず、周辺ばかりでなく国道8号線沿線を中心に価格追随しているSSが多い。全国的にみても超安値地域となり、採算はかなり悪化していると思われる。

*小売業(衣料販売業)
 医療費の自己負担引き上げ、社会保険料の徴収方法の変更アップを含め、引き続き個人消費は鈍いものの、傾向として気に入ったものなら少々高いプロパー価格でも満足商品を希望する一方、消費者はバーゲンには冷静であり、当月は前月同様に売上前年比確保店舗が目立った。

*小売業(電器小売業)
 6月度家電流通協議会出荷は、総ルート伸び98%、地域ルート伸び93%、量販店伸び95%、その他ルート伸び136%であった。地域店にとって年間の売上を伸ばす重要な月(6月・11月〜12月)に於いて、6月に地域店は各メーカーの系列毎に合展を開催したにもかかわらず仕入高が前年を下回るのは深刻な問題である。商品別では、台数で、デジタルハイビジョンテレビ113%、DVD158%、全自洗102%、冷蔵庫106%、ルームエアコン110%とのびているにもかかわらず、金額伸びが落ち込んでいるのは、大幅な単価ダウン及び安価な商品の動きが主流か?4月〜6月累計では全体伸び104%、ちらし97%、量販店ルート103%組織振興課27%となった。その他ルートの出荷構成比は累計で13%とまだ少ないが、住節関連需要が上向いて来ているか。一刻も早い梅雨明けと猛暑による夏物商品の売上増による地域店の回復に期待したい。

*小売業(鮮魚販売業)
 兎に角売れない。地場の量販店も同様。どうして、何が原因で売れないのか 、はっきりつかめない不安、苛立ちがある。

*小売業(共同店舗)
 6月は、予算比95.8%、前年比98.5%と数値的にはちょっと一服した感がある。買い上げ客数伸び率前年比99.6%、買い上げ客単価も前年比98.8%といずれもわずかであるが前年実績割れとなった。業種別の売上比は、ファッション103.0%、服飾93.6%、生活雑貨99.5%、食品94.8%、飲食97.2%、サービス103.0%であった。

*商店街(横安江町)
 6月、梅雨の時期であるが、靴小売業店における長靴が好調である。

*商店街(尾張町)
 企業間格差から始まり商店街格差があるみたい。こんな時代だからこそ、商いポリシーが大事なのか。

*サービス業(温泉旅館業)
 GWの休日の配置が悪く、SARS等の影響も有り、本年に入り最悪の入り状況になった。6月に入り、多少の戻り感は出て来るだろうが、まだ厳しい状況が続く。各旅館は資金繰りに苦慮する状況となる。

*サービス業(旅館・ホテル業)
 イラク、SARSの問題で国内への旅行への期待はあったものの、依然予約についても低調であり、今後への不安感が増す状況である。

*サービス業(自動車整備業)
 継続検査対象車輌数は26,079輌で対前月比で+18.9%又対前年同月比で+1.5%であった。新規登録車は4,508輌で対前月比で+14.6%又対前年同月比で+6.3%であった。

*サービス業(クリーニング業)
 前年比4%減でした(旅館、組合員とも)。収益状況も旅館関連が悪化している。天気のいい日には動くけど、梅雨入り後は雨の日が多く気温も低い。天候の影響が大きいのが、クリーニング業である。

*建設業(総合建設業)
 建設工事の受注高は前年同月比の9,6%の減となった。内訳としては、民間土木は3,6%の減、民間建築は9%の減となり、民間としては、7,9%の減となった。公共土木は27,6%の増、公共建築は67,8%の減となり、官公庁としては11%の減となった。公共建築の落ち込み大であった。大型物件の減少によるものと思われる。

*建設業(鉄筋業)
 全体的には70%位の稼働率で、地域差及び組合員格差が出てきた。日々により仕事のない日がある。大変に厳しい。

*建設業(板金業)
 厳しい状況が続いておりますが、外壁工事等(ファインスチール)の受注引き合いが増加しているように感じられる。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 報道機関による業種別景況感では、運送・流通業は比較的に好調な業種とされているが、我々中小零細運送業者は全くその様な感覚ではない。例年、6月後半よりお中元商戦で多少荷動きが出てくるが、本年はあまり盛り上がりは感じられない。このままでは今年のお中元商戦も不発ではなかろうか。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 6月に入った途端、物流量が極端に落ち込んだようで、長距離を主とする事業者は出発荷物の確保や返路荷物の確保に翻弄していたようである。地場を主体にする事業者も、物流量は減少しているようであり、業界全体の先行きは非常に厳しいようである。小泉内閣の景気回復対策は庶民や中小零細企業の財布の紐を更に固くしたようであり、景気回復には程遠いようである。いずれにしてもお粗末な国政であると思えて仕方がない。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 金沢地区タクシーの6月実績は、速報値ながら日車営収が22,979円で9ヶ月連続前年同月比減となった。実在車両数は、3.9%増の1,077輌となるなか、稼働率は86%で2,1%落ち込んでおり、稼働率向上が課題となりつつあります。運転者確保が課題で依然として引き抜きが見られ、報奨金支給が見られる。秩序ある行動を望みたい。


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