県内の情報連絡員報告(5月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 4月の醤油出荷量は、前月比微増だったものの、前年同月比では大幅な減少となり、依然として低水準のままに推移している。

*食料品製造業(菓子製造業)
 昨年5月は特に大河ドラマ効果が大きかったとつくづく考えられる。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 連休明け後も低迷状態が続いている。但し、一部持ち直しの傾向が見られるが、業界全体では悪化・減少が止まらない。産地としての継続が正念場にきている状況。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 長引く不況、消費の低迷、流通業界再編による売場面積・店舗数の減少、在庫調整、利益率の高い輸入織物・商品のウェイトを益々高めるなど様々な要因により、操業度の低下、採算性の悪化は深刻で大変厳しい状況で推移している。インテリアカーテン、天然繊維複合織物などトレンド商品分野で好調なものも一部で見られる。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 組合員の業況は受注生産・販売とも大幅に減少し厳しい経営状態である。その原因として考えられることは、イラク戦争・SARS等があり、人・物の移動が減少したためではないか。

*木材木製品製造業(木材製造業)
 5月度売上は、価格も上昇原因が多いにもかかわらず依然と低水準で推移している。今後の需要に期待するのみである。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 5月の組合取扱い出荷量は対前年同月比アスコン向けで15,0%減少となったが、生コン向け出荷が10,3%増となり、全体量では8,0%の増加となった。4・5月と好調なスタートとなったものの、年度見通しは厳しい状況にある。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 県内の生コンクリートの出荷状況は、5月末現在で前年同月比でやや減少となり、前月に続き、低調に推移している。特に公共工事向けは端境期で好天が続いているものの本格的な工事に入っていない状況である。金沢地域では民間工事向けがマンション等の箱者が発注されているが、県下全域から見ると厳しい需要動向と言えよう。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 石川県産瓦は、北陸の気候風土に適した抜群の耐寒性と両面施釉(表裏に色づけ)による塩害、劣化防止など様々な特徴を有する瓦を公共建築物への地元産瓦の採用を要望。

*鉄鋼金属製造業(鉄鋼金属製品製造)
 白山機工は中国に合弁会社設立後、引き合いが多く来ている。7月より中国に2名派遣する。朝日電機製作所では仕事量が満杯の様子である。相対的に多忙感がある。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 生産の伸びは、前年対比10〜20%増で推移してきたが、まだまだ企業キャパシティーを満たしておらず、これからの景気回復が望まれるところである。一方、受注形態・造型方式等の相違による企業格差が大きく、受注対策の検討も考えなければならないと思う。また、生産の伸びに対して、採算の方は厳しく、経営は苦しい状況である。当業界としてはこの打開策として、いま、ユーザーに対して値戻し運動を展開中である。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 前月同様指標に変化はない。当団地内で生じた自主廃業(操業停止2社)の組合員企業において残債処理のため該当物件の処理を進めているが、成約にいたらず苦慮している。当組合においては、過去数件倒産企業に替わる新規組合員企業の加入を進めてきたが、現在の景況の厳しさを別の面からも実感している。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 県内の下請企業を回って見ると、かなり採算は不明な部分が多いが、仕事は多忙である状況がみられる。県鉄工機電協会が実施している貸与制度の申込も昨年同期に比べ大幅な増加を見ているもとにも上記の多忙状況の一端が見られる。ただ問題なのが、新型肺炎SARSの中国ビジネスの影響である。石川県機械工業は特に、織機・建機とも中国ビジネスが活発化している最中でもあり、今後の親会社の対応次第で活況を呈している下請企業の影響が心配である。6月上海で開催予定であった世界的規模での繊維機械展の12月開催延期の決定などビジネスの中国での縮小は確実に進展している様にも見受けられる。しかし、県内織機部品メーカーがSARSの影響終了との見解で合弁会社の開所式をさる16日に実施し、中国でのシェアーを80%を目指すとの明るい材料もある。ボーダレス化した経済・物流機構がアジアで復活するのは、もう少し時間がかかるのではないか。又、政府に望むことは食糧を海外に頼っている国日本、加工貿易国日本の国を守るセーフティガードをしっかり守ってもらいたいことである。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 SARSの影響を受けて、東アジア向けのプロジェクトの停滞が懸念される。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 月初めの連休で操業日数が減り、売上に影響が出るかと懸念していたが、結果は心配していたほどのことはなかった。自動車業界向けの設備(専用機など)への需要が堅調で、工作機械メーカーからの注文が相当量入ってきている模様。設備機械への投資もぼつぼつ出て来ている。

非製造業

*小売業(石油販売業)
 先物取引、業転価格の先安を見込んだ一部セルフSS量販店での更なる値下げを受け、価格追随しているSSが散見される。

*小売業(衣料販売業)
 追加発注まで行かないものの、母の日セールまで順調に推移。中間は中弛みで低調。下旬は好天に恵まれてトータル的には昨年並みの実績を確保した。婦人全般の動向で低価格志向が一部で1〜2ランク価格帯アップが見受けられた。

*小売業(電器小売業)
 家電流通協議会7社の市場への出荷額は順調な伸びを示してはいるものの、その伸びは量販店ルートでのもの。地域店での出荷額は相変わらず前年割れの状況が続いている。5月連休による営業日短縮を始め、景気全般の不況感が増す中で需要回復の兆しは見えない。商品別ではDVD、MDを始めとするAV関連機器の動きは活発だが、その需要は量販店が得意とする分野であり地域店への恩恵は少ない。6月に集中する各社の合転による需要の掘り起こしに期待したい。

*小売業(鮮魚販売業)
 全国の中央卸売市場の卸・仲卸・小売の昨期の業況(決算)をみるにつけ、軒並み減収減益。皆、確かに2〜3食は食べているはずなのに、飽食の時代、消費者の嗜好が変化したのだろうか、魚を食べる機会が減ったとしか考えられない。簡単に消費低迷云々で済まされない様なきがする。

*小売業(共同店舗)
 5月は、予算比100,0%、前年比100,5%と数値的には達成した。しかし、5月の立ち上がりのゴールデンウィークも売上高は前年割れで推移し月末までその傾向が続いていたが、5月28日のキーテナントの招待会でそれまでのマイナス分を取り返した結果となった。業種別の前年比はファッション104,0%、食品97,7%、服飾102,9%、飲食103,3%、生活雑貨97,2%、サービス102,3%。
 4月は極めて売上が不振であった。統一地方選挙の為と思われる。

*商店街(横安江町)
 ゴールデンウィークの期間は例年来街者は減少傾向にあるが、後半の5月は暖かくなり来街者が増加した。

*商店街(尾張町)
 何故か街がザワついている。観光客や学生で、確かに百万石博は終わったのだけれども、世界的なテロ、戦争、SARSなどの不安要因があるためか安心できて落ち着いた魅力のある地(例えば金沢)などが評価されるのだろうか。賑わいは街の活気にもなっている。

*サービス業(温泉旅館業)
 季節的に弱い4月に加え、統一選挙も加わり非常に利用客の少ない月になりました(大河ドラマの反動も有り)。商店街では、観光客を意識した店作りが約20店舗余り店内リニューアルされ、中核施設とあわせて、まだまだ「点」ではあるが、「線」整備の機運も出だしてきた。旅館では、個人客ニーズに応えるリニューアルも数軒で実施された。

*サービス業(旅館・ホテル業)
 本年、5月は大型学会があり、又、スポーツ大会(大学・高校)の開催があったため、全体に宿泊客の増があった。6月・7月は予約が例年になく少ないため、多くは望めない状況である。

*サービス業(自動車整備業)
 継続検査対象車輌数は21,932輌で対前月比で−14.9%又対前年同月比で−0.5%であった。新規登録車は3,934輌で対前月比で+5.5%又対前年同月比で+1.7%であった。

*サービス業(クリーニング業)
 ホームクリーニングは今、繁忙期真っ只中ですが、以前と比べて期間が短い。

*建設業(総合建設業)
 建設工事の受注高は前年同月比の0,2%の増となり、ほぼ去年並となった。内訳としては、民間土木は10,8%の減、民間建築は20,5%の増となり、民間としては、14,2%の増となった。公共土木は18%の減、公共建築は9,6%の減となり、官公庁としては15,5%の減となった。低迷状況が続いている。

*建設業(鉄筋業)
 地域により格差はあるものの全体的には70%位の稼働で大変に厳しい。

*建設業(板金業)
 厳しい状況が続いており、好転の気配は感じられないが、今後、夏に受注を期待したい。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 5月は、前半は休日が多く、その後も輸送需要は低迷したままであったので殆どの組合員は単月決算では赤字であった模様である。運賃の低迷は当分の間は解消されそうになく、スピードリミッタや排ガス装置の取り付けのための設備投資が必要であり頭が痛い。業界内では廃業する業者の噂も出始めている模様。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
  5月は、稼働日数が少ないため当然売上は減少している。全ての業種において物流量は減少しているようであり、このような状況が続けばおのずと荷物の取り合いとなり運賃ダンピングへと繋がるような気配であり先行きは非常に暗いものがあり、地域全体の物流量が減少している状況下、資金繰りに苦慮している業者が心配である。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 金沢地区タクシーの5月輸送実績(速報値)は、実働率86,5%と前年同月並で、走行キロは延びたが101,4%で、日車営収を引き上げられず、24,450円と前年同月を5,9%下回り8ヶ月連続ダウンした。市内フラットバスの運行:此の花ルートは一日620人乗車、菊川ルートは市場商店街振興810人乗車、材木ルートは一日620人乗車430人乗車、この3系統で合計一日1,860人が利用し、タクシーに影響している。GPS配車システム(衛星利用観測システム)を稼働し小型多忙79台に端末を設置。オペレーターが顧客の位置情報を入力すると、最も早く到着するタクシーが自動的に選び出される。到着時間の短縮や配車もれ解消の効果が期待されている。規制緩和の流れの中から生まれてきた、乗合タクシー・福祉タクシー・介護タクシー・緊急支援タクシー・便利屋タクシーなど創意工夫し、各種事業活性化の取組を促進して実績向上を目指している。


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