県内の情報連絡員報告(9月)

製造業

*食料品製造業(パン製造業)
 
現在、食品業界の信用については消費者をかなり神経質にしている。学校給食の「O157」以来、牛乳・BSE等問題が起きている。
パンにおいても充分な安全衛生管理が必要とされている。
 設備投資がなかなか出来ない折、勉強会で問題点の改善に努めている。

*食料品製造業(菓子製造業)
 
地域の実情について、これまでは業界では日曜日は注文・店頭での販売は大変多忙を極めたものだが、昨今は日曜日に休みとするお店があるので、店売りは「売れない」と言っている。
 客の流動性が大きく変わった状況の一つ。「利家とまつ」効果が多少継続中。

*食料品製造業(醤油製造業)
 
8月度の醤油出荷量は前月比、前年同月比ともに減少した。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 
8月に引き続き予測困難ではあるが少ロットの生産依頼が増加し切り替え等の手間が増え時間的余裕が減少。
 継続的生産が減り、上記にシフトされているので経営者の作業ウェイトが高くなっている。本来、持つべき開発・営業的な時間が不足している。

*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
 
企業間格差はあるものの前年より生産量は増えたが、工賃はダウン、売上、又、操業は前年並みである。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 
当組合全体の前年同月と比べた場合の状況は特に稼動率の大幅低下である。
 受注生産が少なく稼動停止の状態が続く組合員もあり、廃業脱退も時間の問題。
 高齢者で後継者もなく受注も少なく廃業を考えている組合員もいる。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 
生コンクリートの9月末現在の出荷量は、前年同月比で若干下回っている。前月よりも増加となっているが、4月からの累計で見ても前年実績を数パーセント下回り、総じて減少傾向が続いている。第3四半期で持ち直しを期待している。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 
建築業界の倒産が多く各瓦工事店が厳しい状況である。

*窯業・土石製品製造業(九谷製造業)
 
相も変わらぬ消費低迷の中、9月の産地見本市は前回と比べ来場者数は若干ではあるが上回った様に思われる。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 
大きな動きは見られないが生産量はここ2〜3ケ月伸びてきている。明確な要因は掴めないがよいインパクトになればよいと思っている。
 早期、景気の軌道化が望まれる。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 
前回同様特に変化はない。
 この長期にわたる不況は年々企業間格差を拡大し、いわゆる勝ち組、負け組みの差を顕著にしている。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
景気の停滞と言うより後退とも言うべき波が月を追うごとに加速しつつある昨今の状況に対し製造業はどう生き残るか。問題が山積状況である。
 円高・株安で金融機関(銀行・保険会社)での株安の影響は計りしれない。産業界への影響はもっと強烈である。
 当地の基幹産業である繊維機械・工作機械・建設機械の動きも若干の好転傾向が見受けられるものの、内外の設備投資意欲が減退(と言うより先が見えないので設備投資が出来ないのが本音)しており、一気に景気が回復しない限り設備投資の回復は望めない。
 この時期、政府を初め石川県では「今こそ、外形標準課税の導入を」とのバンフレットを配布。PRにやっきである。
 すべての業界で導入反対との声が高い。今、導入すると景気が一層の後退局面を迎えるのは確実である。
 また、県では政府が提案した経済特区(特区構想は、国全体では一気に転換が難しい法規制を特定地域で実験的に大幅緩和し、経済の活性化を目指す政府としてはユニークな政策)に産業クライスター構想を加味するなど、いろんな産業活性化対策があろうと思われ、10月頃から県と業界で明年度県予算の策定を始める際、是非、業界あげて幅広い提案をお互い討論していきたいとのこと。中央会も業界の現状を一つでも打開するため、この構想にのっとり提案をお願い致したい。
 なお、繊維機械の今後の動向を見る一助として10月15日〜19日に北京で国際繊維機械展が開催される。津田駒などが出展。今後の中国での販路の行方が試される。結果が楽しみである。

*機械器具製造業(繊維・一般機械製造業)
 
当組合員企業の主要得意先である繊維機械メーカーの生産は引き続き好調であるコストダゥン要求は依然として厳しい。
 各企業とも仕事量を消化するために設備導入を必要としているが性能の良い新しい工作機械を買ってリース料を何年間も払い続けることができるか、あるいはローンの返済をきちんとできるか自信が持てないのと、新品の機械では安い工賃に対応できないため、中古機械を入れている。
 高精度加工を工数低減のためには最新鋭の工作機械が必要であることは解っていても購入に踏み切れないでいる。
 わが国の物づくりを支えている中小企業の設備機械の高齢化も急速に進行している。

*機械器具製造業(金属製品・機械器具製造業)
 
中小企業間の格差はあるが概ね受注状況は不安定で厳しい状況である。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 
繊維機械メーカーからの受注が堅調。他の業種からの受注は相変わらず低迷のまま。
 納期遅れ(前工程の遅れが主な原因)解消のための時間外作業が発生しており忙しいわりに儲けが少ない状況が続いている。

*その他製造業(漆器製造業・山中地区)
 
依然として売り上げが減少しており業界の景況は悪化を続けている。但し、輸入漆器を扱っている業界は良好なところもある。

非製造業

*卸売業(繊維卸団地・小松地区)
 
業況は一段と悪化しており最悪の状態である。生糸は最高値(昭和63年)より下落し約10分の1になった。

*卸売業(卸団地・小松地区)
 
一段厳しさが増した感じが致します。

*小売業(土産・菓子物販売業・金沢地区)
 
和菓子等食品が大幅に売上高を増加させている団体の観光客は購買力があるが個人観光客は不振である。

*小売業(衣料販売業)
 
残暑の影響で前半は苦戦したが後半、前年実績並みに回復した。
 勢いのない秋物の立ち上げであった。専門店化の営業店は売上高を確保。価格だけで消費者に驚きを与え続けるのは難しくなったのは事実である。

*小売業(電器小売業)
 
9月度、家電流通協議会出荷伸びは全体で99%に留まるものの、地域家電店への出荷ベースが113%と伸びた。(量販店伸び102%)
 地域家電店への伸びが前年を上回ったのは4月〜9月までの14年上半期で初めてである。
 これは地域家電店が現状では得意とする大画面デジタルハイビジョンテレビを始めとし、ITクッキングヒーター、食器洗い機、生ごみ処理機等の設置に際して工事や手間の掛かり、単価の高い商品が動き出した事が久しぶりに前年を上回る売り上げに結びついたと思われる。ただ、売れている商品が限定されている為、これらの商品の取り組み方によっては店間格差の拡大が懸念されるものの、この勢いで年末商戦を迎えたい。

*小売業(鮮魚販売業)
 
近海の底びき漁も解禁になり魚種も増えた。青魚やカレイ類も順調に入荷し量販店等の鮮魚売場も品揃えが豊富。
 是に、一般消費者の購買意欲が高まれば良いが・・・。

*小売業(共同店舗・加賀地区)
 
9月は、前半は8月に引き続いて残暑が厳しく、後半は反対に涼しい秋の気配の1ケ月であったが売り上げはやや苦戦した。
全体としては予算比93.6%、前年比100.9%、買い上げ客数伸び率では103.7%であった。
 又、業種別は次のとおり。
 前年比―ファッション102.1%、食品109.2%、服飾106.2%、飲食・サービス106.0%、生活雑貨90.0%

*商店街(近江町)
 
鮮魚→底引き解禁になったものの気温も高く売り上げには結びつかない。
 塩干→大河ドラマの効果でお土産の塩干物等は売り上げがのびている。

*商店街(尾張町)
 
9月は連休に伴い各所でイベント行事が盛んに催されそれに伴った人出が街に出ることで活気が少しついた気がする。
 唯し、売れる物は小額の金額であり、偶に燃え立つ賑わいがあってもすぐに元の無感動に出るようだ。

*サービス業(温泉旅館業・金沢地区)
 
大河ドラマ等による観光客の入り込みは順調な推移であるが、来年度以降については現在の経済状況に鑑み組合として先行き不透明感を持っている。

*サービス業(温泉旅館業・山代地区)
 
9〜11月の宿泊(予約ベース)は良い模様である。
 商店街の活性化・個店の観光客を意識した店内リニューアルの効果がなかなか出難く町全体の通りの賑わい創出が目に見えて展開できない。

*サービス業(自動車整備業)
継続検査対象車車輌数は26,053輌で対前月比でプラス43.1%であった。
 又、対前年同月比ではマイナス4.3%であった。
 新規登録車では4,796輌で対前月比でプラス58.1%であった。又、対前年同月比ではプラス0.1%であった。

*サービス業(クリーニング業・小松地区)
 
売上高は前年比5%増加。
 一般クリーニングはマイナス10%であった。ホテル、病院は12%の増加。
 9月一世帯当り平均ソクリーニング支出が約900円、前年860円で約5%増なのに当組合員は努力不足。

*建設業(総合建設業)
 
建設工事受注高は前年同月比の4%増となった。内訳としては民間土木は40.3%の減、民間建築は29.7%の減となり、民間としては31.5%減となった。
 又、官公庁の土木は14.6%の増、建築は57.5%の増となり官公庁としては25.7%の増となった。建築の増加の分は野々市町新庁舎建築の分。

*建設業(鉄筋工事業)
 
企業によって多少バラツキはあるが稼働率80%〜90%単価的にも減ってはいない。資金繰りは大変厳しい。

*建設業(板金工事業)
 
仕事量として増加しているが受注単価が低価格で推移しているので経営を圧迫している状態である。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
販売価格はまた下がってきた。経費節減や効率化ではカバーできなくなっている。
 単価が下がった分前年並みの売り上げを確保するには仕事量を増やす必要があり、それがまた運賃単価の安値に悪循環しているようだ。
 更新時期を迎えた車両も資金面を考えるとなかなか更新できない。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
上半期を終え、半期決算による物流量の増加に淡い期待をしていたものの鉄工・繊維・建設関連を含め物流量は今一つであった中、10月からは減少するとの情報であり、下半期を迎え物流量の増加、景気の浮揚は期待薄感が強まっている中、金融機関の貸し出し姿勢は一層厳しく資金繰りに苦慮する業者がさらに増え始めたようである。
 いずれにしても、積載、運行効率の低下、収受運賃の安値固定化による収入源の悪化からくる悲壮感は拭えない。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 
実績面では、9月は全部の項目で下回った。実車率は対前年98.7%%の37.6%と相変わらずの低調。運送収入は一日一車平均で見ると対前年96.6%の24,205円。
 雇用面では、98.7%の1,758名で各社4〜5名の不足。
 タクシーの監査加速、運輸局では従来ベースの50%UPを目標に取り組むことになった。「安全面に対する査察とともに利用客などからの苦情面を重視する重点監査」を実施していく。
 タクシー需要が長期にわたり継続的に減退する中で「もはやタクシー事業の飛躍的な発展はないのではないか」とやや悲観的な意見もある。さらに「運転者の年齢は高齢化の一途」。金沢市内でも60歳以上が3割だが10年後これがどうなるか。
 タクシー経営が厳しくなる一方の中で、何をすべきか、いかに生き残るかを考えるべきである。


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