県内の情報連絡員報告(5月)

製造業

*食料品製造業(菓子製造業)
 NHK大河ドラマの影響が良い方に向いて観光客も例年より多い。
 観光土産品が少々動いている。今年の一年間は少々伸びるかもしれない。

*食料品製造業(醤油製造業)
 4月度の醤油出荷量は前月比、前年同月比ともにやや増加した。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 連休明け後も低迷状態が続く。企業の受注が減少し産地が沈滞している。
 今後も高齢で零細企業の脱退が続くと思われる。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 長引く不況等により操業度の低下、採算性の悪化は深刻で大変厳しい状況で推移している。分繊糸織物や天然繊維複合織物などトレンド商品分野で好調なものも一部で見られる。

*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
 総じて見ると回復まではいかないが、優良工場は堅調な推移を続けるようになってきている。従って販売価格は下がっているが久しぶりに仕事は増えている。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 当組合員全体の受注、生産とも前年同月より大幅減少し、稼働率も大幅に低下して厳しい経営状態が続いている。

*窯業・土石製品製造業(九谷焼製造販売)
 事業協同組合(新九谷・特撰会)で新カタログ発行へ向け準備を進めている。
 6月初旬に行われる名古屋での見本市で今年度後半の景況が判断できるのでは。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)

 生コンクリートの5月末出荷状況は、前年同月に比べ減少に留まり低迷を続けている。新規発注物件も見受けられるが生コン工事等には契約も少ない状況にあり、今後の公共工事発注物件に期待したい。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 新築住宅着工数が減少している為、葺替工事の比率がなくなる。
 天候の良し悪しで出荷数が変わる為、先の動向がわかりづらい。

*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
 主要取引先である仏壇・仏具業界及び京都西陣織物業界等の長期にわたる不振、更に、美術工芸品等の需要の低迷により依然として厳しい状況が続いている。


*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 景気の下げ止まり・底入れの発表はあったものの、我々にはその兆しすら感じられない。
 県内、津田駒工業の繊維機械増産が一抹の朗報で、これが景気回復のインパクトになればと願うところである。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 景気は依然として低迷したまま回復の基調は見えない。
当工業団地内企業においては、平成13年度決算を終えた状況は12年度に比して悪化した企業が多いものと推定される。
 平成14年度においても取引条件・販売価格等において厳しい現状は続くと思われる。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 金沢地区繊維機械メーカーT社の好況により、今年一杯は下請け企業を含め繁忙である。ここにきて、急激な円高も景気回復の腰折れ懸念材料となりつつある。
 この時期にあって一段と業種による好不況、企業間による格差が明確になってきた。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 不透明感のあった受注環境に若干回復の傾向が出始めている。
本年6月末を持って組合員1社が廃業(後継者問題)の為脱会する。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 短納期、小ロットの受注傾向は変わらない。繊維機械関連のみが上昇している。
 しかし、操業度の上昇がそのまま収益の改善に結びつく状況には到っていない。
 これは、受注単価が下がっていることの影響であろう。新たな設備投資や雇用人員の増加は未だ現れていない。

*その他製造業(漆器製造業・山中地区)
 夏に向かい一層厳しい状況となっている。
 木製を中心とした伝統的な商品は前月、前年と変化はないがプラスチック製品が極端に悪い。6月の名古屋の展示会も前年を下回った。

非製造業

*卸売業(卸団地・小松地区)
 
依然として厳しい状況が続いている。組合員からは、特に金融機関の締付けが厳しくなっているという声が多い。

*小売業(石油販売業)
 
仕入価格は上昇したが価格転嫁にいたらず。掛売り分の価格転嫁が遅まきながら収益や資金繰りに影響。一部店舗において仕入の低下がないのに看板価格に値下げが見受けられる。

*小売業(衣料販売業)
 
春物の前倒しで初夏物に期待したが、天候の変化に対応しきれず、全体として売上前年比減となった。母の日セールも盛り上がらなかった。

*小売業(電器小売業)
 
市況は依然として不透明であるが多少の活気が出始めている。W杯日・韓同時開催等の話題でBSハイビジョンテレビの販売が順調に推移している。
 一方では量販企業の合従連衡が進む中で5社連合(ベスト電器、デオデオ、エイデン、ジョーシン、ミドリ電化)企業では組合員店にFC加盟の勧誘案内が全店に送付されて困惑している。

*小売業(鮮魚販売業)
 
5月上旬の連休明けからガクンと暇になった。
原因は不明。入荷は順調であるが。

*小売業(共同店舗・加賀地区)
 
5月は天候にも恵まれて売上高は順調であった。全体としては予算比96.0%、
前年比113.9%、客数も前年比103.4%と伸びた。
前年比―ファッション118.3%、食品97.3%、服飾143.0%、飲食94.8%、サービス106.5%、生活雑貨105.5%

*商店街(近江町)
 
得意先の飲食店で経営基盤の弱い店の倒産が懸念される。

*商店街(横安江町)
 
名鉄丸越がエムザに変更になって開店している。
 来街者の年齢層の変化がみられる。高年齢主体から若年層への変化。

*商店街(尾張町)
 
連休の人出では確かに多かったものの、出来るだけお金を使わないようにと思う観光客ばかりと感じられ、固定客主体の尾張町にはあまり大きな売上にはならなかった。

*サービス業(温泉旅館業・山代地区)
 
道元禅師750周年需要が大型旅館を中心に起きてきた。宿泊料金は約1万円と高くはないが大型バスが動いていると安心感が出てくる。それに加えNHK大河ドラマ需要も堅調に増えており、個人客はもとより道元需要も当初予定より増えているのではないか。
 只、付帯施設の売上の伸びは無く、宿泊単価もマイナス基調であるが、稼働率において若干伸びている状況である。
今から、ポスト大河ドラマ対策が必要と思われる。

*サービス業(自動車整備業)
 
平成12年5月に施行された貨物車輛総重量8トン未満の車検有効期間が1年から2年になって、この5月以降その時売った貨物車の入庫がスタートするが、貨物車自体の売れ行きが鈍く、思ったよりも伸び悩み状況であるが前年同月比では一応102.3%伸びている。

*サービス業(クリーニング業・小松地区)
 
お天気商売のクリーニング業です。
 5月は連休明けてからは雨が続き肌寒が残り、需要確保のタイミングを逸している。
 今後はこれで終わってしまうことがないようそれなりの努力が必要である。


*建設業(総合建設業)
 
建設工事受注高は前年同月比の21.4%減となった。内訳としては民間土木は13.9%の減、民間建築は32.8%の減となり、民間としては29.6%の減となった。
 又、官公庁の土木は27.4%の減、建築は106.4%の増となり官公庁としては9.7%の減となった。
 最近、財政制度審議会で2003年度の予算編成に当って、公共投資5〜10%削減の案が浮上している。したがって、来年もますます厳しくなりそうである。

*建設業(鉄筋工事業)
 
5月天候も良好で作業効率も上がった。受注量も地域によって、又、企業によって格差はあるが80%〜100%であった。
 受注単価、指し値、低単価で企業が努力しても経営を圧迫しており大変厳しい状況である。資金繰りも大変厳しい。 

*建設業(板金工事業)
 
工事も少々増加したものと思われる。しかし、法人事業所では工事引き合いの見積もりがあるが、価格が折り合わず受注出来る価格でなく見送るような状況にある。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
対前年売上高は増加している組合員・減少している組合員各々半々に分かれている。
 雇用人員においても増加、減少割れとなるので不採算の仕事は取引終了を覚悟の上で断っており車輛減、従業員減で対応している。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
当地域の基幹産業である鉄工・繊維共に対前年比生産高は減少し物流需要は低下した。政府は景気の下げ止まり宣言をしたが全然実感がない。
 地域差もあるが鉄工・繊維に加えて箱物投資が減少しているため、間仕切り等にも先行き悲観論が出ており、当地域の産業構造では当分現状推移と思われる。
 一方、金融機関の貸出し姿勢は一段と厳しい状況が続いている。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 
5月の金沢地区タクシーの4月輸送実績は、実働率は前年同月並だが、運送収入は依然として回復の兆しがない。
2 月1日以降の増車分でさらに1台当たりの運収がマイナス要因となったことも考えられ25,989円と前年同月比3.9%減少した。実働率は89.1%でほぼ前年同月並。
 県内七尾地区は過当競争を受けて、今年2月から特別監視地域に指定したものの、同業4社が2月から運賃を引き下げ2社が増車を図っていた。この為、海陸タクシーは2度目の不渡りを出した。特別監視地域は中部運輸局長が指定。
 金沢交通圏でも7月から2社が許可(31両)になると値下げ競争が激化し競争に歯止めがかかる兆しはないとの声も出ている。


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