県内の情報連絡員報告(12月)

製造業

*食料品製造業(パン製造業)
 
11月の醤油出荷量は、前月比やや増加、前年同月比では二桁の増加となった。
 これで今年度の累計出荷量は4ケ月連続で微増となっている。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 
相変わらず低調。年度末迄に組合脱退者がかなり出てくる模様である。
 西田株式会社、石川銀行の破綻等の心理的不安要因が大きい。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 
絹分野では、集散地の大型倒産による信用不安が尾を引き、相変わらず売れ行不振である。
 インテリア織物にも陰りが見え、又、好転の兆しが見られた差別化衣料分野においても受注が減少している。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 
合繊分野で一部大手商社等の傘下で海外進出(中国)の向きが見られる。自主廃業者も目立つ。(特に絹撚糸業)
 業界の問題点としては、グローバル化の中の国内の高コスト構造。(物流、人件費、電力費)

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 
当組合の原糸及び整経加工等の売上状況は前月比では原糸売上がやや減少したが、整経加工売上は横バイだったが、全体としてはやや減少した。前年同月比では原糸、整経加工ともやや減少した。
 又、業界全体では各社受注生産にバラツキがあるが、全体としては減少し更に厳しくなっている。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 
12月の組合取り扱い出荷量は対前月比全体量で12.2%減と大きく下回ったが、対前年同月比では全体量でほぼ横ばいであった。
 4〜12月9ケ月間の対前年比では生コン向け5%増、アスコン向けでは20%の減、全体量でわずかに0.14%増となった。しかし、この内、全体量の22%は特需による出荷が占め残す第4四半期も厳しい状況が続くと見られる。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 
生コンクリートの出荷状況は4月以降12月までの9ケ月連続前年実績を下回った。
 今月も、正月の休日や積雪による天候不順で出荷を見合わせる見通しから依然として低迷を続くものと思慮する。

*窯業・土石製品製造業(九谷製造業)
 
干支商品について多少の増は見られたが、一般品については依然として低迷が続いている。
 今月中旬に名古屋で開催の新作発表会での動向が気にかかる。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 
新築住宅の着工数が減少のため販売価格、取引条件等悪くなる。        
 14年度の見通しがつかない。

*木材・木製品製造業(金沢地区)
 
12月度は前月同様決して良好とは言い難い状況であり悪い状態のままの越年となった。

*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
 
依然として厳しい状況が続いており、特に変化はない。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 
景況に変化なし。唯耐えるのみ。年末に期待し、これからへの対応に情報を集め対策を講ずる時期であろう。(受注拡大のための技術力の向上、コスト低減化への原価管理の確立他)

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地・河北地区)
 
前年・前月同様景況は悪化したまま回復基調は見えない。
 前年に比して年末・休日を早めた団地内企業が多く受注の減少が目立つ。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
鉄工機電協会調べによる景況調査によると、売上高は61.8ポイント減と平成5年の調査に次ぐ悪い数字となった。いづれにしても、今は製造業は我慢の時代。暫くはこの状態が続くと思われる。
 ITの様な業界を大きく索引する業種を期待しているのが現状である。
 国内での原価低減は現状の時短・高賃金体制では無理と言うのが一般的である。
 この改善も必要となっているのは必須であるが、手がつけられないのも現状かと思われる。

*機械器具製造業(繊維・一般機械製造業)
 
当組合の主要得意先である繊維機械メーカーの生産は、秋口から極度の低迷が続いており、外注加工への引き上げも重なって組合員企業は皆苦しい経営を続けている。
 雇用調整助成金の支給を受けながらどうにか凌いでいる状態である。
 来年1月もこの状態は続くが2月に少し回復し、織機の生産も3月からは現在の2百数十台のべースから4〜5百台になるとの見通しが伝えられている。

*機械器具製造業(工作機械製造業・小松地区)
 
景況感に一層の不透明を感じる。販売価格の下落傾向は依然として続いており、事業継続が困難となってくる企業も出てくるものと思われる。
 幣組合としては、石川県以外の新規受注開拓を一層進める必要がある。

*機械器具製造業(鉄工団地・松任地区)
 
親企業の厳しい姿勢が反映し、量・価格共に低いレベルで推移している。低コストを求めて中国等からの調達に切り替えられたり、操業度アップのための内製化により、外注引き上げが起こるなどが随所に見られる。
 よりフレキシブルな納期対応、低コスト生産をこなす工夫、加工技術力の高度化などが受注確保、採算向上に結びつくことを強く認識しなければならない。

*機械器具製造業(鉄工団地・松任地区)
 
大幅な受注減、30%のコストダウン強制。お手上げ状態である。
 マネの出来ない物、中国の価格より安く、もっと知恵をだせ、元気を出せ、と人は言うけれど、言うは易く、行うは難しである。

* 伝統産業(漆器製造業・山中地区)
 
今期は前期に続き正月用品の需要があったが前年より減少していた。1月期は新商品の見本市が開催されるので期待感がある。

非製造業

*小売業(石油販売業)
 
一旦是正された市況はセルフ給油所が各地に相次いでオープンしたことや、仕切り価格の値下げ等により軟化傾向にあり採算は一向に改善されない。

*小売業(衣料販売業)
 
冬物婦人重衣料が本来なら主力販売であったが低調で、むしろ軽衣料が客数・販売点数とも前年クリア。(全体トータル前年比98.6%)
 特に能登地区各店の健闘が見受けられた。

*小売業(電器小売業)
 
永い市況不安が慢性化し自助努力の限界を超えた外部要因に大きく圧迫されて苦しんでいる。
 そういう中で、不況打破と活性化の販促策として共同売り出し「年末大謝恩セール」を実施、期間中に2万円以上の電化製品をお買い上げの方に抽選で"憧れのパリ5日間の旅"に5名様、近郊温泉1泊に200名様の招待セールで年末ムードを盛り上げた。

*小売業(鮮魚販売業)
 
月の終盤の5日間で平常の半月分の売上を達成するのが繰れ。しかし、年々客単価が低下している。正月だからと言ってもそんなに大量に消費者は買い求めない。
 必要最小限度額に留める。兎に角、正月1日から営業するところが有るので買い溜めの必要がない。
 労働環境も変わってきている。個人経営の小売店では出来ない相談でこういった面からも大手のやり方が零細小売店を圧迫している。

*小売業(共同店舗・加賀地区)
 
12月は11月に引き続き好調であった。予算比103.6%、前年比109.2%であつた。業種別ではファッションは苦戦したが、他の業種は好調に推移した。
 全体的な要因としては買上客数の大幅な増加が上げられる。(買上客数前年比126.5%、前年差プラス約20,500人)
前年比―ファッション90.7%・食品156.3%・服飾107.8%・飲食108.4%・生活雑貨116.3%。

*商店街(近江町)
 
銀行破綻に伴う得意先である飲食業界の不安等が懸念される。


*商店街(横安江町)
 
晦日近くに雪が降り来街者が減少し、それに伴い各社の売上も少なかった。

*商店街(尾張町)
 
静かな12月であった。確かに忙しく物も売れているのだけれど妙に盛り上がらない華の無い師走であった。

*サービス業(温泉旅館業・山代地区)
 
高稼動期に入り若干の活況が見られるものの、先行き不透明感が強く予断を許さない状況である。

*サービス業(自動車整備業)
 
継続検査対象車輛数(登録車)前月比82.8%、前年同月比98.2%、新規登録車状況は前月比85.3%、前年同月比96.7%であった。
 12月期は12月と言うこともあって、マイナス傾向で推移するが、前年同月比でも今回はマイナスと言う厳しい状況比となった。
 これから、整備業界にとっては2〜3月は年間を通じて一番の繁忙期を迎えていくので一応期待したい。

*サービス業(クリーニング業・小松地区)
 
前月比10%減、前年比20%減であった。
 一般クリーニングも組合員も病院、ホテル等すべて減少であった。

*建設業(総合建設業)
 
建設工事受注高は前年同月比の10%減となった。内訳としては民間土木は8.1%の減、民間建築は43.9%の減て゛民間としては38.4%の減となった。
 又、官公庁の土木は27.3%の増、建築は38.1%の減となり官公庁としては14.7%の増となった。

*建設業(板金工事業)
 
低価格で収益面ではまだまだ好転しない状況である。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
季節的要因で貨物が多く多忙な月であった。特に建設資材運送業者はフル稼働であった。しかし、運賃が安い為、忙しい割りには売上金額が伸びず、対前月比売上は増加したが前年同月にはいたらない。
 収益状況も良くて収支トントンないし赤字状態で資金繰りも楽ではない。先行きにもまったく明るさが見られず、厳しい経営環境が続くと悲観的な見方が多い。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
年末の一時的な減少だろうが売上高はやや増加した。しかし、昨年実績を超えるほとではなかった。
 売上伸びの不足分を賃金カット・賞与カットで凌いでいる状況が続いている。
 依然として、資金繰りに苦慮している業者が多くいて、1月以降の閑散期に入り資金ショートする業者が出る心配がある

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 
金沢市内の12月輸送実績は、日車営収が前年同月対比3.3%減の28,530円となった。
 速報値ペースでの前年対比マイナスは3ケ月連続で、夏場以来、失業率の悪化や諸社会現象が消費心理を冷え込ませタクシー需要の減退を招いているようである。
 日車営収の手応えは、現場では特に厳しい反応で改善の兆しが無い。底を這う状況が続いてきたが、ここに来て再び底を割りこみ最低水準にまで落ち込んだ。
 12月は、年末繁忙期期で輸送回数の増加が期待されたが、週末には増加したもののウィークデーはやはり待機時間が長引いて意気消沈の傾向が支配的である。


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