県内の情報連絡員報告(12月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 出荷量は、前月比、前年同月比ともにかなり減少となっており、累計でも前年の水準を下回っている。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 
高年齢の零細企業者の大半は、仕事がない状況であり、在庫品の処分や次の職がない等の問題で廃業したくてもできない状況となっている。
 供給過多解消のための政策が望まれる。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 
絹分野では、集産地の大型倒産による信用不安が尾を引き、相変わらず売れ行き不振であり、非常に厳しいものがある。
 インテリア織物、差別化衣料分野においては、荷動きが活発化しており、受注の確保が進み好転の兆しが見られる。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 
繊維製品の輸入浸透率は、綿90.7%、繊維製品全体で70.5%、北陸を主とする化合繊では55.1%となっている。特に衣料品の輸入は、67.8%を占めており、そのうち中国からの輸入は52.7%となっている。
 製造業は、生産コストが安い中国にシフトしており、当業界においても商社とタイアップして生産拠点を中国に移している企業もあるが、一方廃業に追い込まれた組合員も目立ってきた。

*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
 
主力の婦人衣料向けは、11月より一段と業況が悪化しており、その後も回復の兆しはなく越年した。
 スポーツ衣料、資材向けも安定せず企業間で格差が生じている。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 
原糸及び整経加工等の売上高は、前月比、前年同月比ともに大幅に減少した。
 繊維業界全体では、長引く不況のため安い製品に需要が集中し、高級品の売れ行きが振るわない状況であり、主に高級品用として作られる織ネームは受注、生産とも減少となり経営は厳しく、稼働率も著しく低下した。

*木材木製品製造業(金沢地区)
 
平成12年は、プレカット比率の大幅な上昇と在来工法の安定により初期の予想を上回る需要があったため、前年並みの売上を維持することができた。
 しかし、瑕疵保証制度並びに品確法の動向が読みづらいため、今後の方針を立てにくい状態にある。

*木材木製品製造業(能登地区)
 
市開催数は、前年同月比及び前月比ともに減少となった。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 
出荷量は、対前月比全体量で2.2%減、対前年同月比でも生コン向け9.8%、アスコン向け7.3%、全体量9.4%といずれも減少となった。
 4〜9月の累計では、対前年比生コン向け6.5%増、アスコン向け4.7%減、全体量では6.1%とわずかに増加となったが、第4四半期は厳しい状況となりそうである。

*窯業・土石製品製造業(陶磁器製造販売)
 
需要の掘り起こしとして、1月には大阪、2月には東京において展示会を開催を予定である。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 
生コンの出荷状況は、能登方面では前月に続き減少し、低迷状態であり、金沢方面では前月に比べやや減少となっている。

*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
 
景況は、過去1年を見ると決して良いとはいえないが、今年も前年並みの景気が予想されるため、業界一丸となって自助努力をする必要がある。

*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
 
依然として厳しい状況が続いており、特に変化はみられない。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 
景況は、相変わらず不安定であり、21世紀を踏まえ業界のあり方をもう一度考えなければならない状況である。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 
景況は、横ばいの状況にあり、先行きに不安感をもっている経営者も多い。
 設備操業度は、年末休みの影響で前月比低下となっている。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
年末を迎え、従前であれば駆け込み需要などで景況感が好転する時期であるが、今年は1月以降の景況悪化が懸念される。
 工作機械、電機電子業界はIT需要で引続き好況感があるものの、業界によって好不況のバラツキが厳しくなっているように見受けられる。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 
受注に関しては、短納期、低価格の状況に変化はないが、明るい兆しが出始めており、6月までの仕事は確保できる見込みとなっている。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 
業界の景況は、半導体関連は一服状態、工作機械関連は良好であるが量的に大きなものは期待できず、更なる受注開拓が必要となっている。

非製造業

*卸売業(水産物卸売業)
 
年間トータルの売上高は、対前年比平成10年95%、11年96%、12年95%と3年連続で減少しており、長引く経営悪化は今後にひびきそうである。

*小売業(石油販売業)
 
原油の高止まり状況は一段落し、平成11年秋の価格水準に急落している。
 しかし、精製・元売や小売段階では、今までの値上がり分を各油種ともに価格転嫁できておらず、原油価格が下がったとはいえ小売価格を下げる状況にはなっていない。
 値上げするタイミングを失い苦慮している現状である。

*小売業(衣料販売業)
 
地元衣料品小売業は、大型店各社の早々の販促攻勢により売上高、客数ともに前年比8〜10%前後落ち込み、苦戦を虐げられた状況であった。

*小売業(電器小売業)
 
相変わらず市況不安定な中、不況打破と活性化策として北陸3県共同売り出し年末企画を実施、年末ムードを盛り上げた。

*小売業(鮮魚販売業)
 
お歳暮の時期にもかかわらず、例年に比べ盛り上がらなかった。
 年末の売上は、スーパーなどが正月早々から営業するため生活者がまとめ買いをしなくなり、思ったほど伸びがなかった。

*小売業(共同店舗)
 
売上は、営業日が昨年より1日多かったこともあり、前年比102.2%と前年実績を上回った。

*商店街(近江町)
 
鮮魚部門では、元旦から営業する大手スーパー等の影響で、必要以上の商品は買わない、家族数の減少などによる消費者の購買パターンの変化が感じられ、年々年末の賑わいが少なくなってきた。
 売上は、生鮮、青果、精肉等総じて昨年並みとなっている。

*商店街(横安江町)
 
景況は相変わらず不変であるが、12月下旬は年末商戦により幾分集客の増加があった。

*商店街(尾張町)
 1年を通してみると、景況は一昨年と比べると横並びではあるが、昨年より良かったようである。

*サービス業(温泉旅館業)
 
国内宿泊需要の喚起的営業色が強く、需要主導型で推移しているが、消費単価は下降し、旅行業者との取引条件は悪化している。

*サービス業(自動車整備業)
 
継続検査対象車両数は、前年同月比0.9%増、新規登録車は前年同月比6.5%の増加で推移している。

*サービス業(クリーニング業)
 
売上は、特にホテル関係が良好であったため、前月比12%増、前年比18%増となった。

*建設業(総合建設業)
 
受注高は、前年同月比13.8%増となった。
 民間工事では、土木23.7%減、建築110%増(大型工事3件により前年同月比約2倍となった)、全体では65.4%の増となった。
 官公庁工事では、土木18%減、建築45.3%増となり、全体では10.5%の減となった。

*建設業(鉄筋業)
 
県庁舎、新幹線等公共事業に伴う受注工事により、仕事量は100%以上である。
 販売価格は、不採算受注が多く、決済は手形であるため資金繰りに苦慮している。

*建設業(板金工事業)
 12月は、期待していたほどの成果があがらず不況であった。
 金沢城復元工事完成をむかえる3〜4月頃は、更に厳しくなると思われる。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
売上高は、前月及び前年同月を上回り、特に月後半には車両不足の状態となる日もあり、月を通じて活況を呈した。ただし、販売価格は前年同月より低下した。
 新年を迎え、景気の緩やかな回復と顧客企業の物流に対する考えの変化に伴い、量の増加は期待できるものの、運賃は現状維持がいいところで、引き下げの要求にも対応できるように合理化・効率化をしなければ生き残れない状況である。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
年末の輸送需要のため、車両の稼働率は伸び、売上も増加した。
 一時的な現象と思われるが、全体的にやや明るさがでてきた。
 燃料価格の上昇分を運賃に転嫁できるかが今後の課題となっている。
 ディーゼル車排除の気運もあり、厳しい1年になりそうである。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 
収益面は、対前年比98.49%であり、下げ止まりの基調は維持しているものの未だ底には当らない。


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