県内の情報連絡員報告(10月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 
出荷量は、前月比増加したが、前年同月比ではやや減少となった。
 これまでの累計出荷量については、前年水準をやや下回っているのが現状である。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 
7月以降より暗雲低迷が続いている。
 今後、廃業者が相当出てくることが予想され、特に高年齢の零細企業経営者は行き詰まりの状態となっている。
 海外生産増産シフトの中止等の対策が必要である。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 
インテリアカーテン織物、ドビー・ジャカード織物のトレンド商品の受注が活発化しており、今後とも持続・発展するよう新商品の開発に積極的に取り組む企業が見られる。
 しかしながら、為替格差の増大による輸入攻勢、消費者最優先、国境のない世界経済大競は、いよいよ本格化し、特に韓国製品との競合は激化し、厳しい採算を強いられている。特に、絹和織物の売上減が著しい。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 
前月同様厳しい状況が続いている。
 大手メーカー、商社の海外シフトが目立ち、安価な製品輸入により、発注量の激変が続いている。

*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
 
期近(冬物)・期中(秋物)生産が増えたため、採算は向上したが、少量短納期物が多く、未だ水面下に置かれている。
 基調としては、スポーツ衣料については布帛志向が強く、ファッション衣料はリード商品不在、実用衣料は輸入品に抑えられ、不況脱出の糸口がつかめない状況に変わりない。
 繊維製品の輸入秩序化策として、輸入制限、輸入製品の関税引上げ、加工輸入減税制度の拡大、原産地表示の義務付け等の実施が望まれる。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 
原糸及び整経加工等売上高は、前月比では増加したが、前年同月比では減少となった。
 業界では、縫製工場の海外進出に伴う受注の減少、中国、東南アジア等からの繊維製品の輸入増加等により国内生産が減少しており、その結果織ネームの受注は大幅に減少、稼働率も著しく低下した。
 受注は、各社間で一層バラツキがみられ、一進一退の状況である。

*木材・木製品製造業(金沢地区)
 
受注は、8月、9月、10月と非常に良い状況であり、年内は需要も多く、高水準で推移すると思われる。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 
出荷量は、対前月比26.5%増、対前年比では生コン向け5.8%増、アスコン向け19.3%減、全体量で1.2%の微増であった。
 アスコン向け出荷の落ち込み分を金沢地区生コン向け出荷が下支えする形となっている。

*窯業・土石製品製造業(陶磁器製造販売)
 
景況は、9月開催の見本市集計、前年及び前々年と比較してもかなりの落ち込みとなっている。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 
出荷量は、前月同様金沢地区が良好である。

*鉄鋼金属製造業(鉄工団地)
 
小型工作機械の受注残は3〜4ヶ月分あり、関連企業は好調となっている。

*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
 
最大の取引先である仏壇、仏具業界及び京都西陣織業界等の長期にわたる不振により、需要が低迷しており、箔業界においても減産を余儀なくされ、依然として厳しい状況が続いている。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 
景況に目立った変化はなく、月々の受注量も不安定である。
 鋳造業界の全国調査結果では、稼働率70〜90%との回答企業が60%以上、収益赤字〜トントンは70%以上を占めており、受注単価は全企業が横ばい又は下落となっている。今後の景況感も8割の企業が横ばい又は悪化との予測をしている。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 
景況は、緩やかに回復基調にあると思われるが、企業ごとに格差が生じている。
 長引く不況は、依然として中小企業の経営を圧迫し、回復にはまだ時間がかかるように思われる。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
繊維機械業界は、需要が回復しており、特に輸出の回復により生産が大幅に伸びている。
 日本繊維機械協会調べによる1〜8月の生産額は108,424百万円となり、前年同期比15.6%と大幅増であるが、昨年があまりにも悪かったことから増産というより元に戻した感が強い。
 県内でも輸出が好調であり、中国向けの輸出は今後1年くらい続くと見ている。

*機械器具製造業(工場団地)
 
雇用人員が、多少増加している。

*機械器具製造業(金属製品・機械器具製造業)
 
売上は、昨年より良好であり、今後IT関連の仕事の比率が多くなりそうである。
 新製品開発関連の補助金存続が望まれる。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 
親企業の経営努力により、量産機種については若干回復の兆しがあるものの、全般的に低価格、短納期の傾向が続いている。
 価格ダウンの傾向は、当面変化がないものと思われ、今後企業の再編がより進むと考えられる。従って、自助努力による経営基盤の確立、受注確保が課題とならざるを得ない。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 
先行き不透明感は、相変わらずであり、板金プレス加工品は少ロット生産が目立っている。
 機械加工については、仕事量は確保しており、加工単価の圧縮に努めている。
 業界としては、環境問題、IT革命への対応等のため、今後負担が増加していくことが予想される。

*その他製造業(漆器製造業)
 
近代漆器は、10月、11月は正月用商品が少し増加すると見られているが、依然として低迷しており、先の見通しが立たない。
 木製漆器は、やや増加しており今後に期待している。

非製造業

*卸売業(原糸織物卸売業)
 
化合繊織物は品薄で多少荷動きがでてきたが、工費の上昇までには至っていない。
 絹織物は、東京、名古屋の大型倒産で市場が混乱しており、回復に時間がかかりそうであり、生糸相場も低迷している。

*卸売業(水産物卸売業)
 
売上は、4月〜10月の各月で対前年を下回っており、その累計は94%と減少、対前月では増加となっているが、これは季節的なものであり、業界の不安はまだ続いている。

*卸売業(卸団地)
 
販売価格の低下が通常化し、利益率も低下している。

*小売業(石油販売業)
 
ホームセンター等の暖房用灯油廉売により、本来なら仕入価格上昇分の値上げが予想されるが、十分な価格転嫁ができないため、価格の混乱が懸念される。

*小売業(衣料販売業)
 
旧態依然の価格設定では消費者は振り向かず、単なる値下げ、低価格志向では収益悪化を招くばかりとなっている。
 100円均一の店、低価格店舗等いずれもセルフサービスにより消費者の商品に対する扱いが乱暴になりつつある。

*小売業(電器小売業)
 
市況は、今一歩好転の兆しはなく、年末に向けての合同展示会も参加店が年々減少する中で、来場者は昨年より増加傾向にあり、BSデジタル機器販売は好調、BSチューナーの生産が間に合わない状況となっている。
 一方、家電リサイクル法の施行を来年に控え、県内各地で説明会による周知徹底を図っているが、リサイクル料金、収集運搬料金等の明確化が課題となっている。

*小売業(鮮魚販売業)
 
例年は、祭りやイベント等の影響で食品業界にも好影響があったが、今月は相変わらず魚価安が続いている。

*小売業(共同店舗)
 
売上高は、前年比110.5%と前年実績を大きく上回った。
 要因としては、大型店閉店による客数の増加と営業日数が1日多いことがあげられる。

*商店街(横安江町)
 
10月は、ようやく集客が増加したが、これは季節的要因と思われ、相変わらず厳しい状況となっている。

*サービス業(温泉旅館業)
 
設備投資面では、県の支援制度により旅館施設の開放化事業を実施、完成後には散策する観光客の増加が見込まれる。
 旅館の利用人数は、プラス傾向で推移しているが、売上ベースでは単価的には対前年割れが続いており、下げ止まり感は感じられない。

*サービス業(自動車整備業)
 
継続検査対象車両数は、前年対比マイナスであり、11月もマイナスが予想される。
 新規登録車については、貨物車は伸び悩み傾向であるが、乗用車は若干伸びがある。

*サービス業(クリーニング業)
 
夏物が出てくるようになり、売上は前月比20%増、前年比は不変であった。
 ホテル、旅館等の加工料も前月比13%増加となった。

*建設業(総合建設業)
 
受注高は、前年同月比7.8%の減少となった。
 民間工事では、土木41.8%増、建築18.2%増、全体では21.9%増となった。
 官公庁工事では、土木10.3%減、建築45%減、全体では18.8%減となった。
 最近、組合員2社(建築関係)が倒産しており、非常に厳しい状況となっている。

*建設業(鉄骨工事業)
 
鉄骨造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の着工面積が5月から4ヶ月連続で前年比2ケタ増となっており、受注は、小型物件を含め上向きとなっている。
 業況については、建築鉄骨製作、H形鋼鉄骨向け鋼材等は先行きが明るく市況押し上げの追い風となりそうである。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
売上高は、前月比やや低調であり、前年同月比増加も3ヶ月でストップした。
 燃料の値上がりは、止まる様子が見られずコスト高となり、反面運賃は依然として低迷しているため、収益状況は更に悪化している。
 このような状況が続くようであれば、軽油取引税等の一部引き下げ等を考慮してほしい。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
輸送需要は、9月以降前年比上向きとなっており、運行効率も少しづつよくなっている。
 しかし、収受運賃が下がったままの状態で、燃料費が値上がりしており、なかなか収益に結びつかない。
 冬期を迎えるにあたり、タイヤ、チェーン、不凍液等出費が多くなり、経営環境は依然として厳しい。
 軽油代に占める軽油取引税はlあたり32.1円で価格の半分以上となっており、減税が望まれる。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 
実車率は、対前年94.5%の39.5%と相変わらず低調、運送収入は1日1車平均で対前年93.3%の25,049円、雇用面では対前年95.2%の1,819名で3〜4名の不足である。
 改正道路運送法の施行を1年後に控え、業界は一致して利用客の要望に応じるメニューの作成に着手する時期にきている。

 


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