県内の情報連絡員報告(9月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 
出荷量は、前月比やや減少、前年同月比ではかなりの減少、累計では前年実績をやや下回っているのが現状である。

*食料品製造業(菓子製造業)
 
零細企業は、創意工夫が必要であり、対応に苦慮している。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 
景況は、前月より更に悪化しており、仕事がなくなって困り果てる組合員が多くなってきた。
 近い将来、廃業者が相当でてくるという不安がある。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 
インテリアカーテン織物、ドビー・ジャカード織物のトレンド商品の受注が活発化しており、今後とも持続・発展するよう新商品の開発に積極的に取り組む企業が見られる。
 しかしながら、為替格差の増大による輸入攻勢、消費者最優先、国境のない世界経済大競は、いよいよ本格化し、特に韓国製品との競合は激化し、厳しい採算を強いられている。特に、絹和織物の売上減が著しい。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 
中国製衣料の輸入急増により、産地は正に餓死状況にあり、個別で対応する手段はない状態であり、輸入規制、関税化、産業用電力の値下げ等の対策が望まれる。
 現状のまま輸入品が増えれば、企業の存続は厳しい。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 
原糸及び整経加工の売上高は、前月比5%、前年同月比20%減少となった。
 業界全体では、中国、東南アジア等からの繊維製品輸入増加により国内生産が減少、特に織ネームの受注生産は大幅に減少し、そのため稼働率は著しく低下した。

*木材・木製品製造業(小松地区)
 
商品に動きもでてきており、やや取引状況がよくなってきている。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 
出荷量は、対前月比全体量で6%増となったものの、対前年同月比生コン向け15.4%減、アスコン向け2.8%減、全体量でも17.7%と大きく減少した。
 また、上半期ではアスコン向けは横ばいであったが、生コン向けは前半の好調な出荷により10.04%増加となった。

*窯業・土石製品製造業(陶磁器製造販売)
 
9月後半に開催した産地見本市により、荷動き増が多少ではあるが期待できる。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 
9月より、金沢地区において合理化の一環として生コン工場の集約化が行われた。
 出荷量は、やや増加となったが、主として加賀地区が下支えとなっている。

*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
 
依然として厳しい状況が続いており、好転の気配はまったく感じられない。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 
機電協発表の売上高DIが、プラスに転じてきたとの発表があり、景気の回復はスローながら進んできているのは事実である。
 しかし、未だ一進一退の繰り返しの状況下で、製品単価の値下げが経営を圧迫している。
 質、納期は、努力で解決できるが、ここへきての受注単価切り下げは努力では解決しきれない。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 
売上高の増加は、企業間において格差があり、総じて微増である。
 販売価格においては、得意先並びに品目において値下げの傾向が見られるが、売上高に占める額は軽微であり影響はない。

*鉄鋼金属製造業(プレス製品製造業)
 IT関連及び繊維機械部品関連は好調である。
 しかし、自動車関係については、受注はあるもののコストダウンの要請が厳しい。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
業界では、総じて改善傾向にあり、今後の受注においても好転が予想されている。
 採算面では、厳しさがみられるものの、見本市等での商談による期待感が強まっている。

*機械器具製造業(繊維・一般機械製造業)
 
得意先である繊維機械メーカーの生産は、年内高水準が続く見通しで、売上は順調に伸びている。
 しかし、販売価格は対ユーロ円高下でのヨーロッパメーカーとの競合並びに台湾、中国メーカーの低価格機との競合に伴う部品単価の値下がりにより、収益の改善は遅れている。

*機械器具製造業(金属製品・機械器具製造業)
 
一部業界では、若干の好転も見られるが、全体としては不変である。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 
短納期、突発的なオーダーなどの要請が多く、生産効率の維持に苦慮している。
 機械製品の売値が低迷しており、ユーロ安の影響で欧州勢との価格競争維持のためのコストダウン要請が強く、収益面でマイナスの要因となっている。
 一部には、納期さえ間に合えば仕事はあるとの声も聞こえる。

*その他製造業(漆器製造業)
 
9月は、秋物で漆器業界が上昇するのが普通であるが、本年は木製を中心とした物は少しは出回るようになったが、近代漆器は依然として動きがなく、低迷が続いている。
 産地における倒産と名古屋の問屋の倒産は、当産地に悪影響を及ぼしている。

非製造業

*卸売業(原糸織物卸売業)
 
集散地における倒産が、依然として発生しており、市況は疑心暗鬼に陥り、商談の停滞が続いている。
 景況の回復には、まだ時間がかかりそうだ。

*卸売業(衣料卸売業)
 
気温が高めで、秋物販売が不振であった。

*卸売業(水産物卸売業)
 
売上は、対前月減少は季節的なものであるが、対前年も減少し、上期では約4%減少となった。

*卸売業(卸団地)
 
今回の売上増は、季節的要因であり、全体的に消費低調につき、企業の業績回復には程遠い状態である。

*小売業(石油販売業)
 OPECが原油の一部増産を表明しているが、原油価格は高騰、高止まりしており、11年2月と比較して約3倍になっている。
 従って、元売の仕切価格は再び上昇し、10月は3円前後の小売価格アップが予想される。

*小売業(衣料販売業)
 
残暑が厳しく、秋物衣料の出足が悪かった。
 景気回復の兆しについては、各大型店の時間延長、相変わらずの出店、各同業者間の低価格志向による販促攻勢等地元小型衣料業界には明るい材料がまったくない状態で、大局的には雇用不安の解消、所得環境改善等がなければ消費マインドが伸びない。

*小売業(電器小売業)
 
例年になく残暑が続き、季節商品のエアコン等が好調であるが、AV商品等は、BSデジタル放送の試験放送開始と同時にオリンピック開始で、需要拡大の好機に恵まれた。
 しかし、家電リサイクル法への対応が課題となっており、早急に取り組まなければならない。

*小売業(鮮魚販売業)
 
底引漁が解禁となり、品揃えも賑やかになり活気がでてきた。
 消費低迷の影響か、魚価安が続いている。

*小売業(共同店舗)
 
売上は、前年比105.5%と前年実績を上回った。
 要因としては、大型店の閉店による客数の増加があげられる。

*商店街(近江町)
 
相変わらず厳しい環境に変わりないが、婚礼、底引網解禁、行楽等シーズンを迎え、今までの挽回を図りたい。

*商店街(横安江町)
 
今月は、特段のイベントもなく、また天候不順のため集客が減少している。

*商店街(尾張町)
 
信用と固定客により、売上を維持している状況である。

*サービス業(温泉旅館業)
 
事業所税は、都市環境整備及び改善を必要とする都市の財政需要を賄うことを目的として創設されたものであり、現在ではその達成が見込まれる状況となっているため、廃止するよう要望したい。

*サービス業(温泉旅館業)
 
夏休み前半は、非常に客足が鈍かったが、後半は多少活発になり、利用人数ベースでは対前年105%となった。
 ただし、消費単価は依然下降している。
 予約発注が国際化しており、底打ち感もみられる。

*サービス業(自動車整備業)
 
継続検査対象車両数は、依然前年同月比マイナス傾向が続いている。
 軽自動車については、前年同月比104.4%、8948台の受検台数であったが、新車登録車については、前年同月比2.5%減と伸び悩み状態である。

*サービス業(クリーニング業)
 
売上は、前月比15%減、前年比3%減となった。
 ホームクリーニング向けの不振が続いている。

*建設業(総合建設業)
 
建設工事の受注高は、前年同月比12.3%減となった。
 民間工事では、土木8.4%減、建築70.0%増、全体では47.1%増となった。
 官公庁工事では、土木53.7%増、建築84.3%減、全体では25.5%減となった。

*建設業(鉄骨工事業)
 
景気が上昇したことはあまり感じないが、最近鉄骨の受注が極端とは言えないながらも増加しており、需要が回復してきたものと思われる。
 稼働率もかなりアップしており、残業時間の増加もみられる。
 今後は、価格の正常値アップに全力を注ぐよい機会と思われる。

*建設業(板金工事業)
 
元請からのしわよせで、低価格受注が強いられ、自転車操業のような状況となっている事業者もあり、このような状況が続けば倒産、廃業の可能性もありうる。
 また、能登地区は、新規物件も少なく、大手企業支配下業者が受注しており、地元業者には引き合いすらない状況である。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
売上高は、前年同月比増加となり、3ヶ月連続で前年同月を上回った。
 ただし、燃料の値上がりは止まる様子が伺えず、コスト増となり、反面運賃は依然として低迷しており、採算は一段と厳しくなっている。
 10月は、軽油価格1リットルあたり2円程度上昇が予想されており、その運賃増加分の転化が期待できない現状では、収益が更に悪化となるように思われる。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
売上は、中間決算月のため、繊維関係を除く輸送需要が増加となった。
 しかし、前月同様運賃が下落していることと、軽油価格が上昇していることにより収益状況を好転させるまでに至っていない。
 特に、軽油価格の上昇で、燃料費が対前年比15%アップしており、今後のコストアップの要因となることが懸念されている。
 秋期から年末に向けて、輸送需要が前年より増える傾向にあり、やや明るさが感じられる。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 
今月は、総じて前年実績を下回った。
 実車率は、対前年97.9%と相変わらず低調、1日1車平均の運送収入は、対前年94.0%の25,286円、雇用面では97.6%で各社3〜4名の不足となっている。

 


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