県内の情報連絡員報告(5月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 
出荷量は、前月比でやや増加したものの、前年同月比ではかなりの減少となった。
 まだ、消費の低迷が大きく影響しているように思われる。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 
4月、5月と売上の減少が続いており、輸入品の価格歯止め策が課題となっている。
 零細企業では、廃業か又はそれに近い状況のものも多くなってきた。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 
インテリアカーテン織物、ドビー・ジャカード織物のトレンド商品の受注が、活発化しており、今後とも持続・発展するよう新商品の開発に積極的に取り組む企業が見られる。
 しかしながら、為替格差の増大による輸入攻勢、消費者最優先、国境のない世界経済大競は、いよいよ本格化し、特に韓国製品との競合は激化し、厳しい採算を強いられている。特に、絹和織物の売上減が著しい。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 
絹撚糸は、ベトナム等からの製品輸入(完成撚糸)などにより、稼働率も30〜45%と厳しい落ち込み状態である。

*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
 
例年であれば、連休明けより秋冬物の受注が入る時期であるが、最近は期近・期中の発注傾向が強まるとともに、2次製品の海外生産シフトが更に進んだため、国内生産は脇役的存在となりつつあり、オンシーズンであるにもかかわらずこれまでにない苦戦を余儀なくされている。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 
原糸及び整経加工の売上高は、前月比ではやや増加したものの、前年同月比では大幅な減少となった。
 業界全体では、各社の受注生産量にバラツキがみられ、一進一退である。

*木材・木製品製造業(小松地区)
 
プレカット加工の普及により、製材の需要が減ってきている。また、住宅メーカーの進出により、木材業者への受注量も減少している。

*木材・木製品製造業(金沢地区)
 
受注量は、前年同月比不変であるが、最近の状況に関しては非常に良好である。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 
出荷量は、対前年同月比では生コン向け25.1%増、アスコン向け45.6%減、全体量では12.5%増であり、対前月比では全体で6.9%減となった。
 アスコン向け出荷量が大きく減少しているものの、公共事業等大型物件に伴う生コン向け出荷量が下支えしている状況である。

*窯業・土石製品製造業(生コンクリート製造業)
 
業界の景況は、金沢地区及び南加賀(小松地区)では順調な出荷が続いているが、能登方面では相変わらず低調に推移しており、全体としては不変となっている。

*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
 
依然として厳しい状況が続いており、好転の気配が感じられない。

*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
 
年度末からの公共事業が一段落した結果、受注は間欠状態となり、前月を下回る生産となった。
 今後の見通しは、相変わらず不透明であるため、生産計画が立て難い状況である。

*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
 
各指標については、企業ごとに微増又はマイナスの格差はみられるが、前年に比べれば好転しているように思われる。
 しかし、中小企業においては、今後とも採算は厳しい状況が続くものと思われる。

*鉄鋼金属製造業(プレス製品製造業)
 
繊維関係及び電子関係等の部品は、増加傾向にある。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
建設機械、繊維機械及び工作機械等産業部門は、景気回復の兆しが見られる。
 下請企業は、厳しい単価での受注傾向が見られるものの、業界の景況は上向きである。
 IT関係企業は、依然として好調さが見られる。

*機械器具製造業(金属製品・機械器具製造業)
 
全体的に仕事量は増加傾向にあるが、収益面は依然として厳しい状況であることには変わりない。ただ、超耐熱合金、精密鋳造分野でやや活況を呈しつつある企業も見られる。

*機械器具製造業(工作機械製造業)
 
受注競争の厳しさが、一段と増してきている。
 生き残るためには、品質・納期は当然ながら、価格が最大の決め手となっており、従前以上の価格管理が必要となっている。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 
繊維機械の生産増により、操業度が上昇している。ただし、コスト削減要請が強く、単価の低下が心配である。
 短納期による緊急手配等の依頼もあり、多忙感も出てきた。また、設備機械の効率向上を目的とする設備投資が課題となりつつある。

*その他製造業(漆器製造業)
 
ギフトを中心とする近代漆器は、依然として低迷しており、好転の兆しがみられない。
 木製の伝統漆器は、多少好転しているが、輪島漆器等他産地の売行きも好調であり、厳しい状況となっている。

非製造業

*卸売業(水産物卸売業)
 
売上は、対前月比93.8%、対前年比96.8%であり、価格低下と販売不振はとどまるところがなく、今後に不安が残る。

*小売業(石油販売業)
 
一部販売店で安値看板を掲示すると、近隣業者も追随する傾向にあり、収益面に悪影響を及ぼしている。

*小売業(衣料販売業)
 
昨年の商品券発行の影響により、売上は前年比87%と落ち込んだ。
 低価格が浸透するなか、来店客数は横ばい、客単価が低くなっている。
 衣料品業界の前途は、相変わらず厳しいのが現状である。

*小売業(電器小売業)
 
エアコン、冷蔵庫等夏物商品の売上台数は伸びているが、合同展示会への来場者の減少と単価ダウンの影響で売上金額は減少となった。

*小売業(鮮魚販売業)
 
連休以降、極端に消費が落ち込んでいる。加えて好天続きのため漁獲が多く、市場価格が低く推移している。
 業界関係者は、この原因究明に懸命になっているのが現状である。

*小売業(共同店舗)
 
売上は、前年比96.6%と前年実績を下回った。
 今年は、営業日が前年より1日増であったが、近隣大型店の閉店セールと、月末特招会の不振(前年比81.6%)が大きく影響した。

*商店街(近江町)
 
ショッピングセンター開店の影響もあり、売上減少に歯止めがかからない状況となっている。

*商店街(横安江町)
 
近隣商店街との合同イベントは好評であり、商店街への来街者は増加となった。
 また、北側の入り口にある空き店舗への入居者が決まり、商店街の明るさを取り戻すことができ、今後の動向に期待したい。

*商店街(尾張町)
 
まれにみる低迷不況ではあるが、固定客に支えられ、来街者は減っていない。

*サービス業(自動車整備業)
 
継続検査登録車対象車両数は、前年同月比横這い状況で推移しており、消費税導入に伴う影響が続いている。
 新規登録車については、先月より車両8トン未満の貨物車及びレンタカーの車検期間が延長されており、これからの動向に期待したい。

*サービス業(クリーニング業)
 
繁忙期もそろそろ終盤となってきたが、売上は前年並みであった。

*建設業(総合建設業)
 
受注高は、前年同月比0.6%増となり、ほぼ横這いの結果となった。
 民間工事では、土木62.2%減、建築84.5%増であり、全体では4.7%増となった。
 官公庁工事では、土木26.5%増、建築72.8%減であり、全体では2.3%減となっているが、今年度の公共事業予算はカットされているので、これからは厳しい状況となることが予想される。

*建設業(鉄骨工事業)
 
鉄骨需要量は、98年度777万トンに対し、おおかたの予想では99年度は700万トンを下回ると見込まれていたが、推定実績は768万トンであり、僅かながら回復の兆しが見えてきたように思われる。

*建設業(板金工事業)
 
受注価格は低下しているが、見積依頼件数は多くなってきており、好転に向かっている。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
景況は、前月比、前年同月比ともに不変であるが、売上高増加、設備操業度上昇とする企業もあり、低迷の状況から多少変化の兆しが見られる。
 しかし、販売価格は依然低迷しており、燃料価格も引続き上昇しているなど収益の回復までには至っていない。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
売上は、前年レベルを維持することで精一杯であった。
繊維関係は、依然として低迷しており、コマツの建機も間仕切関係もほとんど伸びがなかった。
 地域全体の出荷量が少なく、荷物を確保するのに苦労している。
 積載、運行効率が低下しており、今後の資金繰りが心配される。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 
実績面では、実車キロは前年同月比98.9%、実車率は98.8%、旅客運送収入は98.9%の823,180,110円であり、事業者の心理としては、マイナス幅の減少傾向から下げ止まりの期待が膨らみつつある。


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