*食料品製造業(醤油製造業)
生産量は、前月比、前年同月比ともにかなり減少した。出荷量は、逆に前月比、前年同月比ともにやや増加した。このため、在庫量は前月比で減少したものの、前年同月比ではかなり増加となっている。
*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
少量・多品種で手間は昨年以上にかかっているが、売上は前月より2割ダウンしており、かなり悪くなっている。
注文は短納期化が進み、品揃えしていないと他社に得意先をとられるケースもあり、例年の予測で在庫するようになってきた。
現在は得意先の仮発注があっても、納期にキャンセルされることが多くなってきた。
*繊維同製品製造業(織物製造業)
絹分野では、集産地の大型倒産による信用不振が尾を引き、相変わらず売れ行きも不振で、非常に厳しい状況である。
インテリア織物、差別化衣料分野においては荷動きの活発化により受注の確保が進み、好転の兆しが見られる。
*繊維同製品製造業(織物製造業)
前月の2機業場廃業に加え、当月は創業100年の老舗であった合繊織物1社と絹織物1社が休業(実質廃業)状態となった。
*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
絹撚糸は、大手商社などによるベトナムへの生産拠点の移転が進展化し、また製品輸入も急増しているため、稼働率の低下を招いている。
合繊撚糸は、衣料分野の悪化に伴い、受注量が大幅ダウンとなっている。
*繊維同製品製造業(ニット製品製造業)
消費者の低価格志向と流通・小売業の海外生産製品の仕入拡大等により極度の受注不安に見舞われており、ここ1〜2年で第2次オイルショック以来の企業の大整理・淘汰が進む可能性が日増しに高まっている。
*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
原糸及び整経加工等の売上高は前月比、前年同月比ともやや増加した。
業界全体では、不況だと言いながらも生産及び売上が伸びている。
各社によって受注生産にバラツキがあり、一進一退である。
*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
出荷量は、対前年同月比生コン向け7.8%減、アスコン向け19%増、全体量では0.5%の減少となった。
対前年度比では、生コン向け7.6%増アスコン向け27%減、全体量では5.7%増加となり、これに伴う設備操業度も2.7%の上昇となった。
アウトサイダーによる顧客の減少や市況低迷が続くなか、金沢地区北部を中心に公共工事による需要上昇に支えられ、わずかに前年を上回った。
新年度は大型公共工事も本格的に施工する状況であり期待したい。
*窯業・土石製品製造業(コンクリート製品製造業)
出荷量は、前月比では増加しているが、前年同月比では落ち込みとなっている。
市況については、需要低迷の中で依然として需要者の低迷志向が強く、対策に苦慮している。
*窯業・土石製品製造業(瓦製造業)
例年の平常操業にもどった。
*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
依然として厳しい状況が続いており、好転の気配が感じられない。
*鉄鋼金属製造業(鋳物製造業)
この四半期(1〜3月)は、比較的に僅かではあるが受注が伸びてきている。その要因は、確かではないが景気に良い兆しが見えてきたのではないか。
しかし、4月以降の受注は依然として見えていないのが現状であり、不安がある。
*鉄鋼金属製造業(鋳鍛工業団地)
前月比において景気は緩やかに上昇しているように思われる。ただし、著しい変化は見られず、前月報告のとおり業種間はもとより、同業種の企業間においてその格差が好転又は横ばいとなっている。
*機械器具製造業(金属機械製造業)
全般的に仕事の量は増えてきているが、採算面の改善は見られず、依然厳しい状況が続いている。そのため、企業間格差がかなりついてきているように思われる。
*機械器具製造業(工作機械製造業)
売上は伸びないが引合件数が増加傾向にある。
受注高は、競争の激しさから一段と厳しい状況にあり、そんな状況下においても利益を出せるような工夫が求められている。
*機械器具製造業(鉄工団地)
仕事の量は安定的ではないが、若干増加傾向にある。
コスト競争力の強化が一段と強く求められており、苦慮している。
*その他製造業(漆器製造業)
ギフトを中心とした近代漆器は、依然として厳しい状況にあり、回復の影すら見えず、益々悪化している。
木製を中心とした伝統漆器は、下げ止まりとなり今後に期待を寄せている。
*卸売業(水産物卸売業)
例年どおりの対前月季節的増加を見込んでいたが、今年の伸びは低く、わずか8%程度にとどまった。
従って、対前年も95.3%と減少し、長い経営悪化が続く。
*小売業(石油販売業)
ドバイ原油が、昨年2月の1バレル10ドル割れから11月には25ドル目前に迫るという波乱の展開となった。
昨年4月より続けられているOPECの大幅減産が、原油市況の上昇につながり、半年間で2倍以上に急騰する事態はかつての石油危機にも匹敵し、「ミニオイルショック」ともいえる状況となった。
これが、元売各社の仕切価格の値上げにつながり、各企業は値上がり分の転嫁に努力するも、低価格に陥った市況の底上げを完全に達成できないまま新年度を迎えることとなった。
経営の圧迫から、廃業する企業や給油所の閉鎖が加速する恐れがある。
*小売業(衣料販売業)
例年の春めいた天候が少なく、気温も寒く初旬、中旬と苦戦であった。また、前年同月は地域商品券発行による売上もあったが、本年は軒並みに前年比ダウンの傾向にあった。
*小売業(電器小売業)
天候不順による売上不振と、単価ダウンによって益々経営内容が悪化の一途を辿っている。
*小売業(鮮魚販売業)
地元量販店中心にやや景況も落ちついた感があるが、期末を控え在庫調整を進めるため、本当のところが掴み難い面もある。
この時期、人事異動や入学、入社などが景気に反映することを期待したい。
*小売業(共同店舗)
売上予算達成率105.2%、前年比102.8%ともに超過達成した。
業種別では、服飾・生活雑貨・飲食・サービスの部門が好調であった。
企画では、誕生祭(開店周年祭)が好調に推移した。
*商店街(近江町)
結婚式のシーズンを迎えたが、得意先のホテル・会館の間でも忙しくなるところとそうでないところが二極分化してきている。
従って、今後景況が回復に向かった場合でも、まだら模様の回復局面になると思われる。
今後は、得意先選別の眼力をとわれるようになると思われる。
*商店街(横安江町)
いちょう館5周年記念イベントの実施が成功裡に終了し、来店客の増加をもたらした。
業況は、不変だがやや好転の兆しも感じられる。
4月には花祭りイベントを企画し、集客に努める予定である。
*商店街(尾張町)
年度末には、弛まず営業する老舗の強みのせいか日頃の固定客、官公庁からの引合があり、売上が例年並となった。
*サービス業(温泉旅館業)
回数当たりのレジャー費が減少しており、今後利用料金の減額は否めない。
短期戦略の有効な結果がでず、ジリ貧状況の感が強い。
北陸挙げてのキャンペーンが必要と思われる。
*サービス業(自動車整備業)
継続検査については、平成11年度は順調に前年対比平均で103.9%増加で推移し、継続率でも年間平均83%の高い率でユーザーが車検を受検している。
一方、新規登録車については平成11年度実績(登録車は前年対比94.9%、軽自動車は前年対比113.3%、平均100.4%)であり、未だ回復基調がみられない状況である。
*サービス業(クリーニング業)
売上は、前月比20%増、前年比4%減となった。
3月はいつまでも寒く、冬物の出が遅れている。
クリーニング業界は、これからが繁忙期となる。
*建設業(総合建設業)
建設工事の受注高は、前年同月比16%の減少となった。
民間工事では、土木62.8%減、建築36.1%増となっており、全体としては26.6%の減少であった。
官公庁では、土木21.7%減、建築106.7%増となっており、官公庁工事全体としては11.7%減少となった。(官公庁工事では、土木工事の割合が大きい。)
*建設業(鉄骨工事業)
昨年の都道府県別鉄骨需要からみると、石川県は100,800トンと一昨年に比べて35%増となっており、全国の上位に位置付けられているが、受注金額が安く、売上の上昇に結びつかないところが難点で、厳しい単価からなかなか抜けきれない。
*運輸業(トラック運送業・金沢市)
景況は、前年同月より更に悪化している。
公共投資の下支えにより建設資材運搬のみがやや活況であるが、燃料の高騰が痛い。
*運輸業(トラック運送業・小松市)
対前年、前月比ともに売上は増加し、収益、資金繰りもやや好転の傾向にある。
決算月の影響もあったが、総体的に荷動きが上向きに転じたと思われる。
長い間控えていた車両の入替、代替投資も少しずつ上向いてきた。
従来、返路貨物の確保に苦労していたが今月はほとんど確保されたようである。
*運輸業(ハイタク業・金沢市)
運賃収入の前年実績割れが続いているが、減少幅が小さくなり横ばいに近い実績となった。輸送人員は少し増えたが長距離が減っている。
タクシーの規制緩和は、「需要調整規制とリンクした免許制」から「安全輸送などの資格要件をチェックする営業区域ごとの許可制」に緩和される。また、運賃規制は、事業者が多いため個別運賃を設定すると利用客に混乱が生じることになり、許可制を継続することになる。これらは、5月中に成立、平成13年後半には実施される見通しで、これからは様変わりするタクシーの誕生に厳しく対応していくことが求められている。
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