県内の情報連絡員報告(7月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 
1〜6月度の6ヶ月間の累計で見てみると、対前年同期に比べ、生産量は微減し、出荷量はやや減少となった。この結果、在庫量は前年同期に比べ増加している。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 7月後半から需要が止まり、更に悪い状況になりつつある。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 集散地である京都の信用不安が現実のものとなり、大型倒産の発生のため極端な売行き不振が続き、減産にもかかわらず在庫は減少していない。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 
絹ねん糸業は西陣、室町地区を中心に依然として信用不安が続き、受注減により相変わらず操業度は低い。
 合繊ねん糸業は企業間格差があるが、全般的に稼働率は大変悪く、今後一層厳しくなると考えられる。
 仮より業はナイロン織物の需要面で一部旺盛が見られるが、大手原糸メーカーが減産(30%前後減産)し、生産調整に乗り出しており、産地としては大変厳しい状況を強いられている。

*繊維同製品製造業(ニット製造業)
 製品関係の発注・生産は前月に比べ増えたが、生地関係の発注・生産は前月同様であった。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 売上高について、前年のピークは6月であり、その後8月〜9月は急激に減少した。本年は、5月がピークで、6〜7月と徐々に減少している感がある。

*出版印刷物製造業
 安値受注の競争の傾向が続いている。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 
7月の組合員取扱い出荷量は対前月比全体量で28.5%の増となった。対前年同月比でも生コン向18.4%の増、アスコン向け28.1%の増で全体量では20.1%の増となった。

*窯業・土石製品製造業(コンクリート製品)
 
当月の出荷量は前月比では伸びを示したが、前年同月比では大幅な落ち込みとなっている。
 価格は需要低迷の中で依然として低く、経営状態を圧迫している。

*鉄鋼金属製造業(箔製品製造業)
 依然として厳しい状況が続いており、好転の気配は全く感じられない。

*鉄鋼金属製造業(銑鉄鋳物製造業)
 散発的に受注はあるものの、小規模企業は厳しさを増している。
企業格差が目立ってきている。

*鉄鋼金属製造業(銑鉄鋳物製造業)
 平成11年1月期より7月期の組合の現況は、次のように企業間において差異が生じており、低迷した景気の回復は見られない状況である。
1.売上高は増加しているが収益面の増加が現れない企業。
2.売上高が減少しているが、リストラ等の効果により増益と成っている企業。
3.一段と減収減益となっている企業。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
受注の減少や受注単価の引き下げなどもあり、採算的には厳しい状況である。
また、下げ止まり感はあるものの好転材料が見あたらず、先行き不透明である。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 引合案件に対する価格競争はますます激しさを増し、場合によっては材料費を差し引くとパート並のチャージしか算出されない状況である。この厳しい状況がこれから先も続くものと覚悟しなければならない。

*機械器具製造業(鉄工団地)
 新規受注先の開拓に意を注いでいるが、成果はなかなかあがらない。
 コスト競争力や納期対応力のある一部企業や業界でシェアーの高い企業は操業度が上がっている。
 全体としては、景況に変化の兆しは見えない。

非製造業

*卸売業(原糸織物卸売業)
 7月7日、8日に地場産業センターで開催された「いしかわ繊維金沢展」に組合および傘下企業10社が出展し、来期に向けての商談を積極的に行った。今後に向けての手応えは十分にあったと思われる。
 新しい事業の方向を研究するために、人間国宝の徳田八十吉氏の「燿彩」を染額に仕上げ、発表会を行うとともに全国に発信し販売を開始した。製品は限定販売方式で行っている。

*卸売業(水産物卸売業)
 対前年同月比においては、数量、買受高ともに減少し、底打ちはまだ見込まれず、先行きの不安は続く。

*小売業(石油小売業)
 原油価格の上昇に伴い元売仕切価格が大幅に上昇しているが、依然として販売価格に転嫁できず、収益は上がっていない。
 廃業又は規模縮小の企業が増えつつある。

*小売業(電器小売業)
 近年にない猛暑が6月下旬より続いており、季節商品のエアコンと冷蔵庫が順調に売上を伸ばしているが、全体の売上高をカバーできる程ではない。やはり、単価ダウンとテレビ・ビデオ等のAV商品の不振が大きい。
 修理依頼は相変わらず多く発生しており、不況の不安感のためだと思われる。

*小売業(衣料小売業)
 30℃以上の真夏の天候に支えられて、夏物衣料は全般的に活気があり、好調な月であった。
 競合店との価格競争等により低価格傾向であった。

*小売業(水産物小売業)
 底引網漁が7、8月と禁漁になり、魚種は近海の小魚が少なくなり、夏季の暑さも手伝って、売上高は今ひとつの感がある。
 今年の暑さは特に厳しく、冷蔵設備の十分でない個店の営業に影響がでると思われる。

*小売業(共同店舗)
 
7月の売上高は前年同月比で97.8%とわずかに前年実績を割り込んだ。衣料ゾーンが苦戦(前年同月比87.8%)したのが響いた。他部門は前年実績をクリアした。

*商店街(横安江町)
 
景気動向に目立った変化は見られず、依然として低調ムードが続いている。

*商店街(尾張町)
 
当組合において、プラスの要因はない。
 売上の低迷が続いているが、ある一定のレベル以下には下がらないことも事実である。老舗の顧客層の深さとでもいうのだろうか。

*サービス業(自動車整備業)
 
継続検査対象車両数については順調に推移し、対前月比で+11%、対前年同月比では+4.8%であった。
 しかしながら、新規登録車状況については、7月に入り、対前月比で−7.2%、対前年同月比では−10%となり、厳しい状況が続いている。

*サービス業(クリーニング業)
 
売上高は前月比、前年同月比ともにマイナス10%となった。
夏期はクリーニング業界において暇な時期です。

*建設業(総合建設業)
 建設工事の受注高は前年同月比で41%の増となった。内訳としては、民間工事23.9%の増、官公庁の工事は53%の増であった。
 民間、官公庁の工事とも前年同月比は増となったが、回復までにはほど遠いと思われる。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
7月は天候が良かったためか、夏物需要が若干活発であった。
しかし、お中元用品等は思ったより動きが鈍かった。
 全般に底バイ状態が続いているが、先行きに明るさが見えてきたと回答した組合員が出てきている。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
売上は前月並で推移したが、原油価格の上昇で燃料費(軽油)がやや高くなった。
 夏期ボーナスは全組合員ともに前年を下回ったようだ。
 売上の確保に苦心しているが、7月はようやく前年並みになった状況で資金繰りは悪化するばかりである。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 7
月の実績は、一日の運賃収入がこれまでの底値であった29,000円台を一気に割り込んで26,580円に下落したため、経営上困難な状況に陥った。
 実車率は38.9%で、多くの車両が乗り場からはみ出して客待ちを行っているため、周辺とのトラブルが発生している。


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