県内の情報連絡員報告(12月)

製造業

*食料品製造業(醤油製造業)
 生産量について、前月比はかなり減少、前年同月比ではやや減少した。
  また、出荷量については前月比やや増加したものの、前年同月比では横ばいだった。
  そのため、在庫量は前月比かなり減少したものの、前年同月比では横ばいとなった。

*繊維同製品製造業(ゴム入り織物製造業)
 業況は依然として悪い。
 12月末で自主廃業1企業あり。

*繊維同製品製造業(織物製造業)
 消費の低迷、需要の減少により引き合いは少なく、在庫量は減らない。採算については好転の兆しはなく、相変わらず厳しい状態が続いている。

*繊維同製品製造業(撚糸製造業)
 絹・合繊・仮よりと全般的に厳しさは一層増してきている。
 絹ねん糸は受注量の大幅な減小により、先行き全く期待できない環境である。
 合繊では取引条件が見直され、企業格差が生じている。
 一部でコストの見直しを各取引先から指摘される向きがあるが、人件費等出来る限りのリストラを終えており、これ以上のコスト低減は出来ない状況である。

*繊維同製品製造業(織マーク製造業)
 織機の稼働率がやや上昇したが、受注量は少なく前月並であった。
 当分の間、景気回復の兆しが見込めない。

*窯業・土石製品製造業(骨材採取販売)
 
12月の組合取扱い出荷量は対前月比全体量で18%の増となったものの、対前年同月比では5.5%の減であった。
 4〜12月期の対前年で比較すると、稼働率では13.2%の減、全体出荷量でも14%減と大きく下回っている。
 厳しい状況は依然続いており、業界としてこの状況を乗り切るための企業努力に一層の重点を置きたい。

*窯業・土石製品製造業(コンクリート製品)
 
当月は好調な出荷となり、対前月比及び対前年同月比ともにかなりの伸びを示した。
 しかし、価格面においては需要家の値引き要求が根強いことから適正価格への建て直しに努力しているところである。

*鉄鋼金属製造業(鉄工団地)
 地元大手のある企業は1月より週休4日制を採用するらしい。このシワよせは下請け企業にくるにもかかわらず、経営者や労働組合は現状を把握していない様子である。

*鉄鋼金属製造業(箔製造業)
 依然厳しい状況が続き、好転の気配は感じられない。

*鉄鋼金属製造業(銑鉄鋳物製造業)
 全国的に倒産・転廃業が増えている中、本県では銑鉄鋳物業で1社、鋳鋼製造業で1社の廃業にとどまった。
 12月度は年末であるため受注が増え、不況のなか一息つく企業が見られた。1月以降については好転の兆しが見える受注業種があるようだが、一般的にはまだ先が見えず苦慮している状況である。

*鉄鋼金属製造業(銑鉄鋳物製造業)
 景況は依然厳しい状態が続き、景気回復の兆候が見えてこない。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 
景気は依然として先行き不透明のため、自動車業界、弱電関連等は設備投資計画がたたない。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 低迷が続いているが、今年の後半に景気回復を期待している。

*機械器具製造業(金属機械製造業)
 当組合はバブル崩壊前のほぼ60%程度の売上となっている。
収益も各社差異があるが、ほとんどの組合員企業の収益が悪化していることは確かである。

 

非製造業

*卸売業(水産物卸売業)
 売上高について、対前年度比は減少が響き95%と悪く、長引く経営悪化は今後も影響を受けそうである。
 対前月比の売上高は増加したが、伸び率は例年になく悪い。

*小売業(石油小売業)
 業界の現況は次のとおりである。
1.価格競争は依然厳しいが落ち着きつつある。
2.暖冬のため、季節商品(灯油等)の販売量が少ない。
3.積雪が少ないため、油外収益(冬期用タイヤの交換料等)が少ない。
4.全体的に収益は前年に比べ落ちてきている。

*小売業(電器小売業)
 天候不順のため、季節商品の売上高は大きくダウンしている。
年末の個展は従来より来場者が減少している中で、大型商品(エアコン、冷蔵庫、ハイビジョンテレビ)の売上が顕著に伸長しているが、一方で単価ダウンにより収益は低下している。
消費者動向の変化は依然として見られる。

*小売業(衣料小売業)
 戦後初めて経験したデフレは創造を絶するほど深刻であり、前年同様の売上高、利益高を確保することは至難の技である。
 一方、16年周期である豪雪予想により冬物在庫をある程度置き売上を期待したものの、予想は外れ、売上高は前年比89%であった。

*小売業(水産物小売業)
 不況のせいか、お歳暮用の売上は今ひとつだった。
 正月用品で特に値上がりしたものが無かったにもかかわらず、全般的に年末の売上は伸びなかった。

*商店街(三日市町)
 
不況状態が長く続き、お客様の買い控えにより年末商戦どころではなかった。当商店街で恒例の福引きセールを行ったが、売上高は前年度に対し2割程の減少だった。

*商店街(近江町)
 
好天のため、年末の売上は前年並みを確保できた。
新年の景気上昇を願っている。

*商店街(横安江町)
 当商店街では年末大売り出しを企画して、抽選により温泉ご招待やグルメ商品を差し上げることを行っている。そのため、売上高は前月比では増加したが、ボーナス景気の様な買い物客は殆ど見られない状況であった。
 また、暖冬のため冬物衣類品及び冬物靴類の売れ行きは極めて低調に推移している。

*商店街(尾張町)
 おそらく12月度が1年を通じてもっとも売上が落ち込んだ月であった。年末商戦が無く、淡々とした月であったために売上が低下したと見られる。

*サービス業(自動車整備業)
 
継続検査状況については、平成11年2月・3月の繁忙期を迎える中、対象車輌台数は前年比+1.0%であり、平成11年1月には+7.5%(19,475台登録車)であると予想されている。
 新規登録車状況について、登録車台数は12月期前年比は−18.0%、前年同月比−18.9%であり、平成9年4月以降継続して21ヶ月間マイナス傾向であり最悪の状況で推移している。

*サービス業(クリーニング業)
 
売上は対前月比で10%減少した。

*建設業(総合建設業)
 建設工事受注高は前年同月比0.3%の減となり、ほぼ前年と同じであった。
 官公庁は公共投資の増大によって昨年以上の受注が見込まれるが、民間の需要は依然として厳しい状況にある。

*建設業(鉄骨業)
 今が底とよく言われるが、現実は底のない厳しい局面に追い込まれている。受注単価は安値寄りに推移しているため、「適正価格での受注」に歩調を合わせること自体困難である。
 98年度推定鉄骨需要量は約810万トンであり、前年度比12%ほど減少である。

*建設業(鉄筋業)
 工事量は増加したが、受注単価については不採算状態のままである。

*運輸業(トラック運送業・金沢市)
 
例年12月は超繁忙期となるが、本年度は初旬には多忙であったが中旬は中だるみとなり、下旬のみ超多忙であった。荷主の発注は少ロットで多回数であり、効率は悪くなった。
 販売価格(運賃)や取引条件が前年に比べると一段と厳しく、収益状況は更に悪化している。

*運輸業(トラック運送業・小松市)
 
今期一年を振り返ると、小松地区の基幹産業である鉄工・繊維共に低調を極めたため、当組合の売上高が前年同月比を上回った月は殆どなく、年末に金融安定化特例保証による緊急融資で年を越した業者がいた。
 ただ、年末から土木関連の輸送需要が少し明るさを取り戻したようだ。
政府の緊急経済政策の早急な対応を期待している。

*運輸業(ハイタク業・金沢市)
 
収益面では、対前年同月比91.4%に推移した。暖冬で利用客が伸びず、さらに景気の低迷が響いている。
 需給調整廃止のスケジュールが定まり新制度移行への手順が示される等、自由競争促進と効率化、活性化が求められる厳しい対応を迫られている。


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